就活の勘違い 採用責任者の本音を明かす (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022733573

作品紹介・あらすじ

就活は運やタイミングの支配を受けるもの、自己分析を金科玉条にするのはおかしいなど、採用担当者だった著者が、就活生の常識をくつがえす視点で解説。採用側の最後の決断とは何か、就活の真実を明かし、ツキを呼び込むためのポイントなど対処法のコツを指南する。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、大手企業の人事担当を約20年務め、その後も大学でゼミを持ち学生の就活を支援すると同時に、著者自身の娘の就活にも「伴走」するなど、採用する側とされる側の両方を経験的に知っている稀有な経験の持ち主である。

    巷には、就活生向きの本や人事採用者向けの本などはあるが、その両者の立場を経験した著者による本というのはあまり多くない。
    その点だけでも本書の価値はある。

    また、内容はといえば、基本的には就活生向けに書かれているものの、類書とは異なり非常にシンプルで実践的である。
    どの辺がと言えば、採用側の採用基準は、「自分の部下として一緒に働きたいかどうか」に収れんするという。また、これを就活生の立場から見ると、年代や価値観の異なる上司や同僚とうまくやっていけるかどうかが問われているとする。

    類書ではこれをコミュニケーション能力などといっているが、本書のように具体レベルまでブレイクダウンしてくれると分かりやすい。

    このように採用とは一緒に働く仲間を探す行為だとすると、学生が行う自己分析も自己完結するものではなく、それを聴く面接官の視点からどう構成できるかが重要になる。

    また、就活のように未知の世界に行く際には、自己を分析して、能力を高め、資格などを取得するという方向に行く人が多いであろうし、類書の多くもそれらをよしとする傾向にある。
    が、本書では、人は頭で考えて新たな行動を展開するより、行動して新しい思考方法を見出すほうが自然といい、就活の局面においては、自らの足で志望する会社を積極的に訪れたり、リクルーターをはじめ色々な社会人とすすんで接点をもつことで、自分自身をみつめ修正することにより、いわゆるコミュニケーション能力が上がるという。

    最後に、著者は就活などは学生にとってははじめてのことで不安も多いだろうが、「不安の反対語は、安心ではなく行動である」と喝破されている。
    まさに本書の基本理念を表した言葉といえよう。

  • 2010年の著作ということを念頭におく必要あり。
    要するに、コロナ以前の在り方ということ。
    但し、本質は変わらないのでその本質をこの本から読み取れる人は今後も採用されるし、それが無理な人はコロナ以降で採用の在り方が変わっても採用されない。
    この本の本質、いつの時代にも変わらない採用に求められるものを読み取れるか否かが就活生にも問われるし、転職者にとっても同じ。

  • 図書館で借りた。
    新卒の子に役立つと思われた。採用担当としてみてもずれたところがない。読んだ後に友達とか好みで親と語らったら良いと思う。就社はまさに縁でしかない。運良く行きたいところにはいれてもタイミングと配属と色々な理由でマッチすると限らない。

  • 現在の就活生が抱える課題
    1.採用側のことが見えていない
    2.会社(組織)で働くという視点をもてない
    3.異質な人との出会いや自己表現する機会が不足している
    4.就活は努力だけではうまくいかない

    何のために働くの?をひとつではなくふたつ考えてみる

    エントリーシート
    一つの主題とひとつのエピソード
    何ができる、何をしたか、よりも
    自分がどのように変化したか

    就活を通して、認識が変わることが大事だと思う。御社しか受けていません、っていう学生はうちにはいらないかも。

  • S377.9-アサ-257 300143757

  • 就活を控える大学生は読むと参考になるかも。

  • あと1週間もたたずにいよいよ就活本格化する学部三年生であるが、これは面白かった。マニュアル本ではないため、内容を素直に受け取ることができた。これは就活生として買いである。
    大判スケジュールで自分の状況確認をすることは必ず行おうと思う。

  • 資料ID : 11002062
    所在 : 展示架
    請求記号 : 377.9||Ku93

  • 著者はしっかり娘さんの就活につきあっていたのだなぁ。すごいなぁ。まねできないなぁ。親はあてにせずがんばれ我が子。
    新しく知った言葉「リクルーター」「有価証券報告書」
    しつこいほどに繰り返されていたこと…「採用は、一緒に働く仲間を探す行為」で、それは面接で決まる。

  • ああ、確かにそうだなぁと納得できるコメントが多い。でも見方によってはこれも就活のマニュアル本になってしまうかもしれない。本当は、こういうことを本で学ぶのではなく現実を体験して感じられることが大事なんだろうけど・・・

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著者プロフィール

楠木 新(クスノキ アラタ)
楠木ライフ&キャリア研究所代表
1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

「2022年 『自分が喜ぶように、働けばいい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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