招かれざる大臣 政と官の新ルール (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022733825

作品紹介・あらすじ

赤裸々に明かす。-厚生労働大臣在任367日間に、「伏魔殿」では何が起きていたのか?正直に反省する。-なぜコントロールできなかったのか?政と官の新しい関係は?具体的に提言する。-少子高齢化社会の「日本モデル」、消費税アップの三大課題、そして、民主党の進むべき道すじ。

感想・レビュー・書評

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  • 年金問題で一躍有名になり、政権交替後は自らが厚生労働大臣として、政治主導への変化を推進した著者。政治家と官僚の関係の変化というのは一大事だったと思う。だからこそ一年ちょっとという在任期間はあまりにも短い。政権もそうだが、ある程度の期間をやらないと正当な評価はできないと思う。期間が短いと関係者の協力も十分に得られないし、国民の評価も得られない。賛否両論あるものの小泉政権は任期を全うしたからこそ評価されるのであり、政権担当の能力の面からは決して高評化でない海部政権も、長くできたからこそ自民党を危機から救ったのかとも思う。最近は長続きしない政権が続き、民主党も政権奪取したものの、このままでは政権維持が難しい状況になってきているように見える。政治家が一定期間力を奮えるような環境になってほしいと思う。
    個人的には年金問題が取り上げられたおかげで、学生時代の国民年金と社会人になってからの厚生年金の関連付けができて記録が戻った。そういう意味では個人的に著者には感謝。

  • 環境には同情するが年金の告発には不安しかない

  • 本書を読んで感じたこと。上位の者が(例え決定権者であれども)自らにわかりやすい伝達内容、伝達方法に改め直すよう部下(この場合官僚)に言うのは、相当の長い期間言い続けないと変わらない。また民主党政権出来たての頃の誕生期に、著者曰くマニフェスト通りの公約実現、ならびに一般市民にわかりやすい政策調整過程の開示をするならば、肩肘張らずにはいられなかった。そのおかげで多くの官僚とは共闘体制が取れずに、時間がかかってしまった。官僚との会話でたくさんの時間をかけた結果、伝達手法、制度として培ったものがある。それが今も残っているか不明だが、対話をすれば付いてきてくれる人も出るのだ、というもの。

    著者の仕事としての成果を他方面から知らないので如何とも言えないが、強いてまとめれば業績は以下の通りか。
    ・伝達表現(特に文書)を誰にでもわかる表現に改めさせた
    ・国会質問への対応でも自分がわかるまで何度も聞き、直させ、自分の言葉で伝えられるようにした
    結局「コミュニケーション面で責任をもって大臣職務が行えるよう訴え続け、ひいては国民に伝わるとの意味で橋渡しをしました」ということか。それ以外あまり印象に残らなかった。

  • 2011/7/7
    年金王子の長妻さんが厚生大臣になって何もできなかったことの言い訳本。中立的に見ようと思ったけどこの本を読んで彼が嫌いになった。

  • 役所には倒産がない。潰れるかもしれないという危機感がないから、膨大な無駄を生み、税金を浪費し国民から糾弾されながらも胡坐をかいている。国民のニーズとは無関係に組織の膨張のみに血道をあげる厚生労働省。この伏魔殿での一年にわたる我妻大臣の孤軍奮闘の日々を綴る。マスコミ報道では圧倒的に悪い情報しか流れて来なかったため、手に取ったときは、どんな弁解、強弁をするのかとネガティブな目線でしか見ていなかったが、見方を大きく変えざるを得なかった。改めて報道の偏向性を思い知らされた。これからも国家国民のために頑張ってもらいたい。力いっぱいエールを送るものである。

  • 重要なのは、どんな政策を実行したかではなく、どのように国民に伝えるのかなのだなと再認識させられた。

  • 長妻さんって、民間企業(NEC)出身だし、二世議員でもないし、野党のときは厳しく自民党や官僚を追求していて、かなり応援していたんだけど、大臣になって苦労されていたような気がします。
    本書は氏が厚生労働大臣としての1年間を語ったもの。たしかに本書で指摘されているように、真正面から官僚という壁に相対して、一定の成果をあげたということもあったのだろうけど、1年では難しいですよね。ではなぜ1年しかできなかったのか?邪推ですが、そこに課題があるような気がしてなりません。
    清濁併せ呑む器量といいますし、野中郁次郎さんの「イノベーションの作法」にも、イノベーティブな成果をあげるには、真正面切った取り組みと同時に、マキャベリズム的な、周囲を合意にもっていく手法も併せて必要となると指摘されています。49:51でギリギリの判断をするのが政治家だとするならば、正々堂々とした議論、政策論と併せて、うまく官僚や世論をよい意味で誘導する力量もまた求められるのではないでしょうか。

  • 「日本中枢の崩壊」で紹介されていたので読んでみた。

  • 長妻大臣の本を読んでみた。官僚組織の異常さに、改めて驚いた。なによりも、国の為ではなく、自分の為に働いてる人が多いのかなという印象を受けた。特に、天下りの禁止の抵抗は、ビビッた。

    しかし、希望があるなと思ったのは、国のために働く官僚もいることが確認できた点だ。

    あと、国民も大臣がやっていることを知ることが大事なんじゃないかなと思った。新聞やテレビに踊らされるのは最悪。

  • この政治家嫌いじゃないです。

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