- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022737519
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学評論随筆その他】「おひとりさま」シリーズの社会学者・上野千鶴子さんと『「ひとり」の哲学』(新潮選書)が評判の宗教学者・山折哲雄さんが、老いの果ての死をじっくり語り合う。さまざまな最期の迎え方の中から何を、どう選ぶのか。男の哲学的理想と女の社会学的現実がぶつかりあう。
感想・レビュー・書評
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上野千鶴子さんの鋭いツッコミに対し、山折哲雄さんがタジタジになりながらも吸収していく展開が読んでいて楽しかった。
「ひとり」の概念すら両者では異なり、本文中では互いの考えをぶつけ合うが、最終的に、超現実主義の上野さんが、最終的に死の五段階説を発表したキューブラ・ロスの私を引き合いに、混乱の中で死んでいったこともアリと思えるようになったと結ぶところに、このvsのノーサイドをみた。
私は上野さんの考え方が清々しく好みだ。
「野垂れ死にを希望するのは男だけ」という話、言われてみれば確かにそうかも。
結局、男の弱さからくる現実逃避思考から生まれた妄想が野垂れ死というわけだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山折興味を持って読んでみて響くところなし。結局徹底上野派
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P8「宗教家とちがって社会学者は世俗的な生きものである。あの世の救済ではなく、この世の改革を願う。」(上野千鶴子)社会学者のスタンスが伝わる本でした。
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内容】日本人の死に方をめぐるガチンコ対談。逝き方の極意。
目次
第1ラウンド おっさんの「野垂れ死にの思想」
第2ラウンド 思想としての「ひとり」
第3ラウンド 「いい気なもんだね」
第4ラウンド ブルータス、お前もか
第5ラウンド 「死にゆく人はさみしいもんや」
最終ラウンド 「個」と「ひとり」
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お二人の会話が噛み合っていないようで,どこかぴったりくる所もあり,楽しめた.宗教は,"便利なもんだ"という述懐はなぜか納得できるものだ.ボランティアを「ほっとかれへん」と訳したのは素晴らしいと感じた.日本は多神教的な風土があるので,無神論自体の意味が西洋とは異なるという説明は,共感できた.
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おひとりさまとひとりとの違いは,神殺しを許容するか否かであると論破する訳だが,そもそもの思想というか観念が違うので,相容れる訳がない.コンペをしても平行線を辿るだけだが,まぁ違いが明確化されたということになるのか.