となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022951564

作品紹介・あらすじ

純金融資産1億円以上を保有する層はわずかに思えるが、実際は国内で世帯主100人の内2?3人の割合で存在する。元証券マンで3万人以上の顧客を担当した著者によると、こうした「億り人」は、その大半が相続や一攫千金で財産を得たわけではない、ごく普通のビジネスパーソンなのだという。資産一億円をつくった人の思考・習慣・行動を分析すると、以下の3点が共通点として挙げられる。1. 給与天引きでお金をため、残りの額で生活する2. 保険には一切入らない3. 投資は「長期、ゆっくり」。市場暴落時をチャンスと捉え、買い増すどれも再現性が高く誰にでもできる方法だ。「億り人」は自己分析力が高く、合理的な判断ができる人たちなのだともいえる。当事者のインタビューも交えて、一生困らない資産形成術を伝授する!<目次>第1章:「億り人」とはどんな人たち?第2章: 億り人の思考と行動第3章: 投資のパターン第4章:「となりの億り人」インタビュー第5章:「億り人」素朴な疑問Q&A

感想・レビュー・書評

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  • さらっと読了。
    億を稼ぐ人は普段から節約をしているごく普通の人であることが多い。だからあなたの隣人も億り人かもしれないとのこと。
    どうやっているか→
    誰かのマネはしない。
    自分の中での優先順位をつける。
    基本は給与天引などで初めに貯める。
    暴落時は絶対に売らない。
    常に市場にいる。など

  • 世間のイメージとは異なる、億リーマンの実像を垣間見ることができた。内容としては至極真っ当なことが書かれていると思う。

  • となりの億万長者を読んでみたいと思った。

    1億円という金額を目標にするのではなく、自分に必要な金額を考えること。
    FIREのREに目を向けていてはいけない。

  • あまりおもしろくない。タイトル負けしている。

    P84 寄付が「自分の税金の使いみちを指定する」ことになるからです。
    ⇒これはなるほど。

    P152 投資ってじつは結構理不尽なものなんですよ。一生懸命働いて得たお金で投資しても自分には何の責任もない理由で株価が下落して損してしまう。これってとても理不尽ですよね。でもそれを繰り返し経験していくことで、リスクに対する耐性がみについていくわけです。

  • これは読まなくていいと思います。
    他にもっと学べる本が沢山あります。

    億り人へのインタビューは参考になるので、
    立ち読みでいいので読んでみては。

  • 専門家が書いた本はお勧めしないとあるが、この本もそのようなものと大して内容が変わらない。

  • 隣の億万長者の現代版?とは言いすぎかもだが視点は面白く、頷くところもいくつかあった。やはり投資の目的は購買力を落とさないところ。次に読むおすすめが示されているのも良い

  • 大江英樹
    経済コラムニスト。野村證券で25年間にわたって個人の資産相談業務に関わった後、確定拠出年金の運営管理業務に携わる。40万人以上の確定拠出年金加入者に対して投資教育を提供してきた。長年にわたる投資教育の経験から資産運用の基本や行動経済学、シニア層のセカンドライフプランにも詳しく、独立後は、株式会社オフィス・リベルタス代表として、全国での講演や執筆などを中心に活動している。


    したがって、証券会社で1千万~2千万円のお金を預けている人であればその多くは恐らく〝億り人〟である可能性は高いでしょう。事実、私が長年にわたって相談を受けてきた人の中には、口座の残高はそれほど多くなくても他の金融機関も合計すれば驚くような資産を持っている人もいました。そしてそういうお金持ちの人は驚くほど見た目が地味な人が多かったのです。いかにも上流階級の雰囲気で高級ブランドやアクセサリーを身にまとっているわけでもありません。さりとて、いかにも成り金っぽいオーラを全身から発するようなところも全く感じません。これは『となりの億万長者』にも出てきた話ですが、結局、見た目がいかにもお金持ちという人はその時点での収入の多い人であって、必ずしも資産家というわけではないのだろうと思います。

     私の知人に滋賀県でいくつかの事業を手がける経営者の人がいます。彼はある時、「 近江商人の教え」ということで次のような話をしてくれました。 「近江商人は代々、自分の子供に対して『事業を大きくしようとか発展させようなんていうことは考えるな。ただただ、今の商売をそのまま維持することのみを考えろ』と、言い伝えてきたのです。ところが何代も続くと、中には非常に商売の才能の優れた奴が出てくる。そういう奴は能力が高く、智恵も行動力もあるからいくら〝大きくしようと考えるな〟と言われても自らの才覚でどんどん新しいことに挑戦し、家業を大きくしていく。そういう奴が何代かに1人現れればそれで十分だということなのです。

    ① 約束は必ず守る  大金持ちになった人で、人との約束を破る人はいません。これは仕事の納期や支払いといった大きな約束だけでなく、個人の飲み会とか、会合への参加といった小さな約束でも同じです。彼らはそんな約束にも遅刻したりドタキャンしたりすることはまずありません。どんな約束であれ、決して破ることのない人は人から信用されます。信用されると仕事がやってきます。つまり「信用」というのはお金になるのです。この感覚はサラリーマンの人にはなかなかわからないと思います。「信用が大事」というのは言葉としてはわかっていても実感を覚えることはあまりないからです。

     ところが、個人事業主で仕事をしていると「信用を失う」ということは致命的です。場合によっては二度と仕事は来ません。だから何にもまして約束を守るということが大事なのです。企業家やフリーランスの人はそういうことを知っています。そして約束を守るということがいかに難しいかもよくわかっています。だから大変な苦労をして約束を守りきる人は信用され、成功してお金を儲けることができるのです。

    ② 結論を出すのが早い  私が現役の証券マン時代に営業をやっていた頃にはお客様に様々な金融商品をセールスしに行きました。そんな時、資産家の人の特徴はなんといっても〝決断が早い〟ということです。「しばらく考えたい」とか「検討します」という返事はまずありません。そもそも「検討します」というのは、関西においてはやんわりとした断り文句です。買うか買わないかの答えが実に早いのです。その理由は2つあります。まずひとつ目は、彼らが数え切れないぐらいの判断を迫られる日々を過ごしているからです。サラリーマンの場合、判断するのは大概、上の人がやります。ただ、上も自分の責任をヘッジするためにその上に判断を仰ぎます。こうして会社組織の中ではみんながヘッジしまくって、どこに責任があるのかが曖昧になるまで十分リスク分散されてから結論が出されるので、あらゆることの決定に時間がかかるのです。

    2つ目の理由です。早く決断できる人というのは〝頭が良い人〟なのです。ここで言う頭の良い人とは学校の成績が良かったということではありませんし、ましてや高学歴の人というわけでもありません。要は頭の回転の速い人のことです。これはセンスの良い人と言い換えてもいいでしょう。こういう人は必ずしも元々頭が良かった人であるとは限りません。今までに自分がやった失敗を学んでいくうちに「早く決断することの大切さ」に気付いたから頭の回転も速くなり、早く決断することができるようになったのです。

    ③ 部屋や机がきれい  これについては一見、関係ないと思われるかもしれませんが、私の経験で言えば不思議とこれは事実なのです。しかしながらなぜ、部屋や机がきれいなら資産家になれるのかを論理的に説明することはできません。でも経験上、多くの優秀な経営者や資産家は実際にそういう傾向があります。そしてこの理由を私なりにじっくり考えてみると次のような相関があるのではないかと思っています。

    そうするとコントロールに必要なのは「使う」、「貯める」、「増やす」という3つのフェーズということになります。先ほども述べましたが、私はこの中でまずは「貯める」ということから始めるべきだと思います。すなわち給料をもらったらそのまま生活費に使い、残ったお金を貯めるのではなく、まず最初に天引きで貯めることから始めるのです。

    そもそも彼らは高価な車や高級な洋服、アクセサリーといったものにはあまり執着を持っていないように見えます。『となりの億万長者』に出てきたエピソードのように金融機関が招いた集まりでも、提供された高級ワインやキャビアなどには目もくれずバドワイザーとクラッカーばかり食べていた億万長者の人たち。彼らは高級な食材に食べ飽きたわけではなく、元々そういうものに興味がないのです。だからこそ、あまり余分なお金を使うことなく、お金を貯めることができたとも言えるでしょう。

    穂高さんは節約というとなんだか暗いイメージがあるので「支出の最適化」という言葉を使っている、と書いてありますが、確かに本を読んでいると支出についても合理的な考え方で、あまりケチケチ生活という印象はありません。

    〝億り人〟が生命保険や医療保険に入らない

    「寄付」を好む  資産家ほど寄付を好むという傾向はあるようです。ただ、これには様々な意見があって、例えば『格差は心を壊す(原題:The Inner Level)』(リチャード・ウィルキンソン&ケイト・ピケット著) という本を読むと、富裕層よりもむしろ低所得者層の方が積極的に寄付をする傾向があるということも書かれています。ところが、現実には欧米の超富裕層の人たちの中には巨額の寄付をする人たちが決して少なくありません。  例えば米フォーブス誌の記事によれば、2014~ 18 年の5年間におけるアメリカの富豪の寄付額を見ると最も金額が多かったのが、世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェットで、その金額は147億ドル(約1兆6200億円)、二番目がマイクロソフトの創業者のビル・ゲイツで 99 億ドル(約1兆900億円) といった具合に桁外れの金額を寄付しています。

    普通に考えると、資産家になった人たちというのは、お金儲けが上手だとか、節約で自分のお金を大事にする、もっと悪く表現すると「ケチ」という印象だってあるかもしれません。そんな人たちがどうして惜しげも無く多額のお金を人に寄付するのか? 私はこれには3つの理由があると思います。まずひとつ目は「幸福感」についてです。   橘 玲 氏の著書『幸福の「資本」論』には年収が800万円になるまでは収入が増えることでの幸福感は大きいものの、それを超えるとあまり幸福度は増えなくなると書かれています。これは日本だけではなく、アメリカも同様のようで、行動経済学で有名な米プリンストン大学の名誉教授であるダニエル・カーネマン氏が米国科学アカデミー紀要に発表した論文(※1) でも年収7万5千ドルを超えると心の幸福感はあまり増えないとあります。7万5千ドルですから800万円とほぼ同じ金額です。  また一方では金融資産の額も幸福感の増大に与える影響が大きく、『日本の幸福度 格差・労働・家族』(大竹文雄・白石小百合・筒井義郎編著) には、金融資産が多くなるほど幸福度は高くなるものの、その金額が1億円を超えるとむしろ幸福度は低くなると書かれてあります。つまり億り人になると、そこから資産が増えることに対してそれまでほど幸福感が増さないか、あるいは逆に低くなるということなのです。どうやら人間というのは「限りなく欲深い存在」ではないのかもしれません。

    金儲けという行為は自分の利益を増やすわけですから「利己的な行為」の最たるものと言っていいかもしれません。逆に寄付は人のためにお金を使うわけなので、文句なしに他人を利する「利他的な行為」と言っていいでしょう。経済学では、理論をわかりやすく整理するために人間は本来利己的に行動するものだとされています。ところが現実は必ずしもそうではありません。大きな震災や台風で被害が出ると自分の仕事を休んでもボランティアに駆けつける人たちがいます。彼らは仮に会社を休んでその分、給料が減ったとしても人を助けるために動いているのです。これはまさに利他的な行為でしょう。

     イギリスの経済学者ケインズが「株価は美人投票のようなものだ」と言いましたが、ここで言う美人投票というのは「自分が美人だと思う人に投票する」のではなく、「誰が美人コンテストで優勝するかを当てる」ということを指します。すなわち一番多くの人が美人だと思った人を当てる、ということですから、自分の主観は関係ありません。他の人がどう思っているかを当てるわけです。つまり人がどう思うかを洞察し、読まなければならないのです。だからこそそれを予測するのは困難なのです。

    したがって、普通の人が株式投資で資産形成をするにあたって最も再現性があり、かつ高い実績をあげ得るのは②の成長株の長期保有だと思います。現実に株式投資で資産を作った人たちで最も多くの成功事例はこのパターンです。

     私は長年証券会社で個人投資家の投資相談を受ける仕事をしてきましたので、株式や投資信託等の有価証券に対する投資には詳しいですが、不動産投資というのは自分ではまったくやったことがありません。持ち家を取得した時に住宅ローンを組んだぐらいが不動産との関わり合いの全てですので、不動産自体を投資の対象としたことはないのです。

    そして面白いことにそれらの重要なポイントは、実は株式投資でもまったく同じことが言えるのです。それらのいくつかについてまずお話ししたいと思います。

    エルさんのブログやツイッターを読んでいても米国株に対する強い思いが感じられます。米国株の良い所って具体的にどういう点なのでしょうか? 「やっぱり世界の超優良企業はアメリカに集中していますからね。株価は上がっているけど業績や成長も伴っているので、それほど割高ではなく、安心して投資できます。それにひと言で言うと、業績と株価の関係が素直っていう感じがするんですよね。ですから現在の資産の約7割は米国株です。

    「そうですね、サラリーマン時代に比べると、穏やかでストレスのない生活になったことは確かですね。また、考えていたように家族との時間が増えたことは本当によかったと思います。残念なのは、私は旅行が好きなので、辞めてせっかく時間ができたにもかかわらずコロナ禍で旅行ができなくなったことです。

    投資で一番大切な心構えは何でしょう? 「それは〝待つこと〟です。どんな暴落があっても資本主義である限り、経済は自己増殖していきますからいずれ必ず復活するのです。それを信じて待つことが大事です。必然的に長期投資になるのは自然なことです。

    それに、不動産の資産価値というのは金額に換算しづらいので、どんなに不動産を多く保有していても〝億万長者感〟がないんですよ。株式で儲かった人というのはつい嬉しくなってパァーっと使っちゃうということもあると聞きますが、不動産保有者の金銭感覚は普段と何も変わらない。これは不動産投資の良いところだと思います。

    「これは不動産投資に限らないと思いますが、一番大事なのは〝人と比較しないこと〟ですね。自分のやり方、自分の得意なパターンを持ち、自分の考え方で資産を増やすことを考えるべきです。性格もありますし、リスクに対する考え方もまちまちですからね。それと自分がコントロールできる方法でやることです。例えば、私はどんなに人から勧められても海外不動産には一切投資しません。なぜなら海外の不動産を自分でコントロールするのは非常に難しいからです。現地のエージェントの言いなり、丸投げになってしまう。自分の性格として、自分自身でコントロールできるものでないと嫌なんです。

    一時期、会社で庶務の仕事をしていたことがありますが、いつも高価で素敵な洋服を着て、しょっちゅう海外旅行に行っている人が実は頻繁に財形貯蓄を引き出しているという光景もよく目にしてきました。

    お話を聞いていると特別難しいことをせずに天引き貯金をするだけでもある程度の資産をこしらえることができるように思えてきました。

    基本的にはやらないでいい人など誰もいません。利用できるのであれば誰もがやった方が良いと思います。よく、「iDeCoは 60 歳まで引き出せないのがデメリットだ」という人がいますが、これは大きな間違いです。 60 歳まで何があっても引き出せないから老後資金が貯まるわけで、実はこれがiDeCoの最大のメリットなのです。いつでも引き出せるのなら、お金はなかなか貯まりません。

    投資で一番大事なことは自分の頭で考えることです。したがって網羅的にニュースを把握できるものが良いでしょう。具体的に言えば「日経電子版」「ウォールストリートジャーナル」そして「ブルームバーグニュース」などです。後者の2つは理想を言えば原語で読むことをお勧めしますが、日本語版でも出ているのでそれでもかまいません。日本のマスメディアだけですとどうしても偏ってしまいますので、これらを併せて読むことをお勧めします。もちろん有料版でないとだめです。

  • ●わが国の個人金融資産は確実に増えている。若い世代の価値観が変わり若いうちから貯蓄に励んでいる。「億り人」と言う言葉、若い人はこの言葉に対して憧れと敬意を持っており、年配の人は嫉妬から冷ややかにみている。
    ●資産は所得と同じではない。
    ●お金の心配をしないで済むことの方が、世間体を取り繕うよりずっと大切なことだと考える。社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない。
    ●天引きの習慣を身に付けている。
    ●意識せずに支出しているもの、気がついていない固定費の中に無駄がないかをもう一度考えるべきなのです。クレジットカードのローンやリボ払いなど。
    ●年収は800万円になるまでは幸福感が大きいものの、それを超えるとあまり増えなくなる。
    ●誰がやってもできると言う「再現性」は重要なキーワードです。

  • 「となりの億万長者」のカバー作品。現代においてFIREや億り人になるためにはどうすれば良いのか?について書かれており、基本的には「となりの億万長者」に書かれている内容。

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著者プロフィール

経済コラムニスト/㈱オフィス・リベルタス代表
1952年、大阪府生まれ。大手証券会社で個人資産運用業務や企業年金制度のコンサルティングなどに従事。定年まで勤務し、2012年に独立後は、「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるように支援する」という理念のもと、資産運用やライフプランニングに関する講演・研修・執筆活動を行なっている。『定年前、しなくていい5つのこと』『お金の賢い減らし方』(ともに光文社新書)、『知らないと損する年金の真実』(ワニブックスPLUS新書)など、著書多数。

「2023年 『50歳からやってはいけないお金のこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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