- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023308138
作品紹介・あらすじ
日本銀行の誤った金融政策によって、日本では10年以上にわたって事実上のデフレ(物価下落)が続いている。デフレ脱出のための処方箋を「リフレ派」経済学の代表的な論客が提示する。
感想・レビュー・書評
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デフレの弊害とそれに対する日銀の無策具合が書かれている。主に日銀批判の本だ。
わかりやすく書かれており、「昭和恐慌の研究」も読んでいたせいか早く読み進めることができた。
自分的には小泉構造改革への批判についての章は目からウロコだった。
一番印象的だったのは、(バーナンキの下での)FRBと日銀と対比だった。更に日銀の中で唯一のリフレ派であった中原伸行氏の政策審議委員会での攻防も見所。 -
読みやすく、説明もわかりやすいです。
著者が指摘するように日銀の金融政策には不合理で説明がつかないものも多く、2000年8月のゼロ金利解除など、完全に誤りであったとされるものも。
著者からすると、正しい経済理論ではこうなのに、どうして日銀はそれを理解してくれないのか・・ともどかしさを感じているようです。
しかし、陰謀論には落ち込まず、まあ冷静に批判しております。
ただ、天下り先確保や、一個人の人事異動左遷だけで政策意図を判断するのはややよくないかと。
クルーグマン教授や岩田教授、高橋洋一氏など著者に近い立場の方の説の引用が多いのでややバランスを欠きますが、学術書では無く一般向けの書籍なので、紙幅の関係もあり、やむを得ないかと。
また、金融緩和の銀行貸出への波及効果についてはオーソドックスな教科書的解説であり、これはこれで正統なものですが、実証的には貸出増加に結びついていないわけで、この辺の説明がもう少し欲しかったです。
できれば、引用しているクルーグマン教授などの書籍を参考文献目録としてつけてもらえればよかったです。
私はリフレ全面否定ではありませんので、これからもバランスよく読んで勉強していきたいです。