P&G式 「勝つために戦う」戦略

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023312258

作品紹介・あらすじ

【社会科学/経営】危機に陥ったP&Gが変革を断行し、世界最強の消費財メーカーへと躍進できたのはなぜか。売り上げ2倍、利益4倍、市場価値1000億ドルに成長させた名経営者と、Thinkers50(経営思想家トップ50)の経営学者が明らかにする!

感想・レビュー・書評

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  • ・「勝ち」の定義をすること
    ・「どこで戦うのか/戦わないのか」を考えること
    ・戦略がうまくいくためには「どんな条件がそろっていなければならないのか」を批判的に考えて戦略を選択すること

    この3点がとくに参考になった。
    どんどん実践していきたい。

  • 徹底的に、勝つというアスピレーションにこだわり、勝てる市場で一つずつ足場を築いて競争の激しい市場に挑んでいく姿勢が印象に残った。コンサルタントの思考をP&Gという会社のマーケティングという職種に最適化したものなのだろう。森岡さんのマーケティング理論はこれに確率統計のエッセンスを加えて進化させたもので、この考え方はそれの原型なのかもしれない。

  • ラフリーの考え方を知ることのできる著書。

    P&Gが磨く二つの真実の瞬間とは?
    ①店頭で選びたくなる瞬間
    ②製品利用後、あー買って良かったわ!と喜んでもらえる瞬間

    ②はカスタマーサクセスで実現すること。

    狙い、ゴールが明確なP&G。
    再認識できました。

  • P&Gのしくみの根本を説明している。少し古い本だが、おそらく本質的にはこの本の内容と変わっていないのではないか。なぜなら今では当たり前と思えることが書かれているから。ただ、そりゃそうだよなと思うことが簡単にはできないから差がつく。でも、なんでできないんだろう?きっとみんなこの本を読めばそうだよなと思うはずなのに…。まあ、どうオペレーションしていくか、そのノウハウはヒントしか書いていないわけで、そこを自分たちで作り上げて組織に落とし込むのは…やはりそう容易いものではないか…

  • P&Gの最高経営者として長年戦略に携わってきた筆者と、コンサルタントとして補佐してきた人間の共著。
    「戦略とはある企業を業界において独自のポジションに位置付け、それによって、競争相手に対して、持続可能な優位性やより優れた価値を生み出すもの」と定義し、戦略はビジョン、計画、長期的なもの、旧来の改善、一連のベストプラクティスではないとする。とにかく、P&G流、ラフリー流の「戦略」について、徹底的に語った本。
    ラフリーは「ゲームの変革者」という本も出していますが、こちらはP&G流イノベーションについて書かれた本です。今やマーケティングで世界を席巻しているP&Gの戦略、イノベーションを知りたい方には両著をお勧めします。

  • 戦略は勝つための5つの選択。何をして何をしないのか。

  • USJの成功を読んでから、立役者の盛岡さんの出身であるP&Gは、非常に気になる存在。本書はそのP&Gにおいて、どのように戦略を立てているかを具体的に語っている。内容はもちろん、その戦略の選択も非常に難しいが、実績に裏打ちされ納得感が高い。参考になるし、参考にしなければ、、、

  • P&Gによる、ポーターの競争戦略論のケーススタディ。

  • ・有効な戦略を立てる代わりに陥りがちな悪手。
    ①戦略をビジョンと定義する。
    ②戦略を計画と定義する。
    ③長期的な(中期的でさえ)戦略が可能であることを否定してしまう。
    中には、世の中は急速に変わっているのだから、予め戦略を立てることなどできず、機会や脅威が現れるたびに対処するべきだというリーダーがいる。瞬発的戦略は多くのIT(情報技術)企業や新興企業でスローガンとされ、彼らは実際、変化の激しい市場に直面している。残念ながら、こうしたやり方は企業をより受動的にしてしまい、より戦略性のあるライバルの好餌にしてしまう。変化の激しい環境でも有効な戦略は立てられるどころか、むしろ競争優位性や大きな価値創造の源泉になり得るものだ。アップル、グーグル、マイクロソフトが戦略を避けているわけでもない。
    ④戦略を、旧来の方法の改善と定義する。
    ⑤戦略を、一連のベスト・プラクティスと定義する。

    ・戦略の核心は勝利であるべきだ。私たちの表現によれば、戦略とは調和し統合された五つの選択である。勝利のアスピレーション(憧れ)、戦場選択、戦法選択、中核的能力、そして経営システムである。

    ・優秀なマーケターなら誰でも、試用に認知が先立つことを知っている。

    ・中でも、戦略とは規律のある思考であり、勝利に関わる厳しい選択であるということを教えたかった。成長するとか、それを加速するというのは、戦略ではない。市場シェアを得るというのは戦略ではない。一株利益を二桁成長させる、は戦略ではない。打倒競合X社は戦略ではない。戦略とは、どこで戦うか、どうやって勝つか、中核的能力は何か、そして消費者のニーズを独自の方法で満たす経営システムは何か、だ。それによって競争優位性を築き、優れた価値を生み出すことだ。戦略とは勝つための方法であり、それ以下のものではないのだ。


    あれか、これか 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門 野口真人

    ・僕たちは買い物や取引をするときに、価格を見比べて損得を判断しようとする。「こちらのほうが価格が安いからお得だ」とか「あっちのほうが値段が高いから、価値も高いに違いない」というように、価格同士の比較が価値判断の基準になっているのである。

    “昨日1000円で取引されていたC社の株式が、今日は700円で取引されている。今日、この株は買うべきか?”

    株価だけを見れば、1000円だったものが700円で買えるのだから、C社の株はまさに買い時ということになる。
    しかし、株式投資の経験がまったくない人でも、ここで「買い」の判断をするほどの無邪気さは持ち合わせていないだろう。C社の株価はひょっとしたら、700円よりももっと下がる可能性があるからだ。
    では、いくらまでこの株が下がるのを待てばいいのだろうか?
    たとえば、当初の値段の半分である500円になったら?まだ心配だという人は、10分の1の株価、つまり100円になったらどうか?…

    ここで僕が言いたいのは、ただ1つ。価格と価格を見比べている限り、真っ当な意思決定はできないということである。

    ・お金に近いものを優先的にバランスシートに記載していくルールになっていることからも見てとれるとおり、会計はやはり何よりも現金(キャッシュ)を重視する。実際、流動資産と流動負債の関係を表す流動比率は、経営の安全性・安定性を見るうえでの重要な目安だとされている。
    他方で、ファイナンスにおけるキャッシュフロー・アプローチはこれと真逆の考え方をする。流動性の低い資産(お金に変えづらい資産)ほど、キャッシュフローを生む力があるからだ。そして、通常のバランスシートには記載されない無形資産が、最も高い収益性を持っているケースも少なくない。

    ・人生を好転させる力は「リスク」にしかない。

    ・期待リターンがマイナス30%の競馬にのめり込んだとしよう。もちろん一獲千金の万馬券も狙えるが、何回もやればやるほどポートフォリオの分散効果が働き、実際の収益は期待リターン(期待損失)であるマイナス30%に収束していく。ギャンブルというのは、やればやるほど分散効果が仇となり確実に損をする構造になっているのだ。
    最後に、ギャンブル資金は高金利の消費者金融などから調達するしかない。これらを考え合わせると、借金をしてギャンブルにのめり込むほど愚かなことはない。

    ・不動産収入で暮らすリタイア生活の中で、改めて実感したことがあります。それは「リスクだけが価値を高めてくれる」というファイナンスの真理です。
    働かない生活をするようになると、つき合う人たちも変わってきます。そこで出会ったのが、地主の息子さんなど、生まれたときから何もかもを持っていて、何もしなくていい人生を送っている人たちでした。
    忙しく働く毎日を送ってきた僕にとって、そんな人生は憧れの的でした。ところが、実際にそういう人たちに出会ってみると、それは幻想だったと気づかされたのです。
    最初がゼロなら何を手にいれても達成感を得られるでしょうが、最初から何でも持っている人はそうもいきません。ほんの少し失うだけで不幸だと感じてしまうでしょうし、さらに成長しようとすれば、とんでもなく強い意志が必要です。
    要するに、彼らの将来の人生はきわめて「ボラティリティ」が低いのです。それが当たり前な人は平気なのかもしれませんが、僕からするとむしろ気の毒な人生に見えてしまったのです。

  • タイトル通り、勝つために戦うための戦略の構築の仕方、考え方についてしるされた本。戦略について整理されている。P&Gの実例をもとにされている。
    <メモ>
    ・戦略とは5つの選択から成り立つ。
    ①勝利で得たいもの、目的は何か アスピレーション
    ②どこの戦場で戦うか
    ③どうやって戦うか
    ④どんな能力が必要か
    ⑤どんな経営システムが必要か

    戦略論理フロー。
    業界分析・消費者価値分析・相対ポジション分析・競合他社分析→戦略・戦術決定
    リバースエンジニアリング

  • P&Gの最高経営者として長年戦略に携わってきた筆者と、コンサルタントとして補佐してきた人間の共著です。

    戦略とは捨てることであるや、勝てる戦略は相手と戦場が異なっていることなど示唆に富む内容が多い本ですが、私が最も印象に残ったのは「優秀な店員はCEOと同じく、制約や不確実性の下で最善の選択をしなくてはいけない。従って戦略は組織のあらゆる段階で使われる」との言葉です。

    戦略と言いますと、日本では経営企画部や本社の中枢にいる人間だけが考ればいいことだととらわれがちですが、限られたリソ-スや情報で最善の選択をすることはまさに現場で求められていることそのものであり、戦略的な考えは誰にでも必要ではないかと思いました。

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