- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023322639
作品紹介・あらすじ
「グーグル翻訳」などに代表される自動翻訳。テキストや音声で入力した文章を、一瞬で別の言語に訳してくれる便利なツールで、旅行や仕事、ウェブサイト閲覧などの際に使用したことがある人も少なくないでしょう。この自動翻訳技術は、ここ数年の人工知能(AI)の進化に伴い目覚ましい性能向上を続け、2020年にはTOEIC900点の英語力を持つまでに進化しています。
本書では、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)フェローで、日本における自動翻訳研究の第一人者である隅田英一郎氏が、最新の自動翻訳の実力や特性、翻訳の仕組などを解説。自動翻訳との「上手な付き合い方」を指南し、日常生活や仕事でも十分役立つ賢い使い方を紹介します。
そのほか、「AIに同時通訳は可能か」「自動翻訳が進化するなかで、英語学習はどこまで必要なのか」「いつか英語を学ばなくていい日が来るのか」など、自動翻訳にまつわる気になる話題についても言及。研究の最前線に立つ著者が見た、自動翻訳の現状と未来図とは。
感想・レビュー・書評
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2020年時点で自動翻訳のTOEICスコアは900点らしい。帯にもデカデカと書いている。私は海外とのやり取りが偶にあるのだが、外国語教育に関しては、二点、思う所があり、時々それを話題にする。一つは「語学教育には脳の成長段階により一定の年齢制限があり、それを過ぎると著しく習得が不利になる」、もう一つは「その年齢以降に習得したものは、どれだけ流暢に外国語を話しても、母国語の話者とは必ず区別されてしまう特徴が生じ、それは超えられない壁である」だ。つまり、語学力での差別は低年齢・出自由来の能力差のために是正されるべきであり、ポリコレムードの中、その習得コストや貧困エリア活用ニーズと相まって、将来的に必ずAI通訳が普及するに至る、と。
その観点で、AI翻訳の最新事情について、本著を興味深く読んだ。翻訳者の未来は明るい?という著者の主張には首肯し難いが、言葉は新たに生まれるため、それが世界各国で続くだろうから、翻訳者には、また異なる役割が求められそうだ。
英語を話す人がフランス語を学ぶのには600時間かかるが、日本語を学ぶには2200時間かかる。これを日本人の立場から考えれば、日本人が英語を学ぶのには2200時間かかる、という事らしい。翻訳機械が当たり前になれば、語学を学ぶモチベーションは下がるだろう。恐らく、ビジネスの距離より密接な関係性、つまり露骨かもしれないが、翻訳機械を外して会話するニーズの生じる関係性(恋人など)のみが、いずれ外国語を会得する層になるのではないだろうか。それとは別に、古文や漢文のような意識で、最低限の基礎知識、言語学や他者の目線を学ぶための英語学習の意義は尚、大きい。従い、日本人は最終的に会話できなくとも、英語を学ぶ必要性は無くならない、とも思う。
話は逸れるが、本著で最も有り難かったのは、ボイストラというアプリの紹介。これは、秀逸。
大阪関西万博が開催される2025年に実現を間に合わせるよう、グローバルコミュニケーション計画2025が総務省から2020年3月に提案されたようである。そうでなくとも、今は円安やインバウンドで旅行者が溢れている。変われる時に変わっていく事、変わっておく事が重要だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人工知能による翻訳に関しこれまでの歴史や技術的な内容について知りたい人におすすめ。
【概要】
●人工知能による翻訳の仕組み
●翻訳品質の評価
●自動翻訳開発の歴史
●自動翻訳のメリット・デメリット
【感想】
●人工知能による自然言語処理は詳しく書かれていないため、知識がない人は別の本などで学習する必要がある。
●一方で、自動翻訳については詳しく書かれており、翻訳の仕組みやこれまでの開発の歴史などを知ることができたのは勉強になった。
●これからどのように進歩していくかはわからないとされており、自分でも想像がつかないなと思った。 -
実際にこの本で紹介されていた自動翻訳を使って見たが、Google翻訳より格段に優れている。はっきり言ってメールのやり取りだけだったら、これで十分。
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まあ、そうだね系。
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近年急速に精度が上がっている自動翻訳(AI翻訳)。TOEIC900点に達したという最新の実力や使いこなすコツ、今後の可能性などを日本における自動翻訳研究の第一人者が解説。自動翻訳の進化で翻訳業界や英語教育がどう変わっていくのかなども考察する。
(出版社HPより)
★☆工学分館の所蔵はこちら→
https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT22207968 -
p132 NICTの開発した音声翻訳アプリ VoiceTra 文字ベース TexTra
p173 長尾真 1981年にRBMTとは全く異なる方式であるEBMTぼnアイディアを発表していたのは驚くべきことである
長尾の回顧録 情報を読む力、学問をする心 2010 -
自動翻訳の精度向上が文法を重視したRule-based Machine Translation(RBMT)で行き詰まり、用例に注目したExample-based MT(EBMT)に移行するまでの研究者の葛藤があって、統計的手法に目を向けたStatistical MT(SMT)が日の目を見て、現在のNeural MT(NMT)への発展の歴史で、日本の研究者も重要な位置を占めていたことを知った.現在DeepLを使ってニュース記事を読んでいるが、十分な精度だと感じている.
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AI翻訳の凄さは分かったが、英語教育に対する示唆は得られず少し残念。
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本にするほどの内容ではない。酷評するほどのこともないが平凡極まりない。