なぜ戦争はよくないか

  • 偕成社
3.40
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本棚登録 : 264
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784032027204

作品紹介・あらすじ

つねに弱いものの立場にたって、社会に問いかけてきたアリス・ウォーカーが、2001年9月11日のテロ攻撃に対して、自国アメリカがおこなった報復の現実を知る。そこには、平和だった毎日の暮らしを破壊され、親を亡くし、さまよう子どもたちの姿があった。「戦争」が何なのか、わからないままに巻きこまれ、傷つく子どもたちをこれ以上ふやしたくない-、アリスの強い思いにステファーノ・ヴィタールが心にせまる絵でこたえた一作。小学生から。

感想・レビュー・書評

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  • 2001年9月11日のテロ攻撃に対して、アメリカが報復した現実に衝撃を受けた、「アリス・ウォーカー」の思いが詰まった絵本。

    子ども向けの、直接的でない優しい文体と、様々な見せ方や表現方法を使い、興味を持たせる絵柄で、戦争の恐ろしさを教えてくれているが、時折、大人が読んでも考えさせられる描写もありました。

    特に、戦争は自分の考えは持っていても、自分の襲おうとしているのが誰なのかを知ろうとしないことや、戦争はたくさん経験を積んでも、すこしも賢くならず、自分のものじゃない、どんなものも平気で破壊してしまうこと等、明らかにやり方を誤っていることに気づいていない様には、悲しみしか湧き起こらない。

    他の作品でも同じ思いを抱きましたが、普段通りの、当たり前の生活をしている人の人生を無条件に終わらせようとしていることが、どれだけ理不尽で愚かな行為なのかを考えてほしいし、自分の家族がそうされたから仕返しでやったのなら、尚更、その悲しみ、辛さは分かるのではありませんか、と。

    人間だけでなく、自然環境や動植物への影響もそうですし、本当に戦争のメリットって、何なのでしょう? 

  • 〝「戦争」は、とてつもない大喰い。 戦争が食べないものが何かある? 戦争は酷い味がする。 人の体を蝕む。 異臭や思いもよらない副作用のことなど、戦争は決して考えないのよ... 戦争は、子育て中の母親たちの処にもやって来るの。 戦争は何も見ようとしない。 ミルクの大切さを。何より人間の大切さを見つめることができないよ、戦争は! 〟・・・『カラ-パ-プル』でピュ-リッァ-賞を受賞したアリス・ウォ-カ-が、子どもたちに伝えたかった戦争の醜さ。(Why War Is Never a Good Idea)

  • アリス・ウォーカーが好きなので買いました。
    子どもには少し怖すぎるような気がして、もう少し大きくなってから読んであげようと思って隠しています。小学校高学年かな?
    なぜ戦争がよくないのか、シンプルに訴えかけてきます。

  • 戦争の恐ろしさを、醜さを詩のように語りかける本。語り口は柔らかく、難解なことばはないものの、その言葉が何を意味するか考えることができるのは小学高学年以上だと思う。ベースのアジア風アフリカ風南米風の鮮やかな民俗的な絵に襲いかかる最後から2番目の絵の「戦争」の姿の立体的でおどろおどろしいことと言ったらハリウッドのホラー映画並で、幼い子どもはトラウマになりそうなくらい。
    戦争怖い!戦争嫌い!と刻みつけるに十分過ぎる力がある。
    しかし、この本の欠点は、戦争が私たちを含む、それこそ赤ん坊に乳を与える母親のような普通の人間が起こす可能性があるということを伝えていないこと。人殺しはいけない、自然破壊はいけない、文化財の破壊もいけない、と殆どの人は思っている。しかし、自分たちの投じた一票が戦争したい人たちに利用されていることに気づかない限り、戦争は繰り返す。戦争は恐ろしいモンスターではなく、人間の顔をしているのだ。
    戦争が起こればどんな酷いことになるかは、この本で十分伝わる。しかし、どうしたら戦争を起こさずにいられるかを考えさせるには至っていない。小学高学年以上ならそこも同時に考えさせたい。

  • ビジュアルで示す絵本。
    翻訳だから、元の言葉のニュアンスがどのようなものかは分らない。
    長田さんの翻訳がそれを正確に捉えているのかもわからない。
    読者にどれだけ伝わるだろうかというのも難しい。
    でもビジュアルだけでその「よくなさ」は伝わってくるように思う。
    イメージ先行のそれが良いことかどうかはまた別の話だけれど。

  • 「つねに弱いものの立場にたって、社会に問いかけてきたアリス・ウォーカーが、2001年9月11日のテロ攻撃に対して、自国アメリカがおこなった報復の現実を知る。そこには、平和だった毎日の暮らしを破壊され、親を亡くし、さまよう子どもたちの姿があった。「戦争」が何なのか、わからないままに巻きこまれ、傷つく子どもたちをこれ以上ふやしたくない-、アリスの強い思いにステファーノ・ヴィタールが心にせまる絵でこたえた一作。小学生から。」

  • 戦争を擬人化して表現している。
    原著だともう少し分かりやすいのか・・
    訳者が良くないわけではなく、日本語だからわかりづらいところがある気がします。

    子どもが読むと、ただただ戦争が怖いということは分かっても、戦争の本質が
    わからず戦争を天災のようにとらえてしまうかもしれない。

    戦争がなんたるかということを理解している人が、
    戦争を始めることとは無関係な人たちへの戦争が及ぼす具体的な
    影響を深く考えるには良いと思います。

  • タイトルからもわかるように、文章は直接的でシンプルだが、内容は哲学的。情緒に訴えかける力強い絵柄。最初は穏やかで色彩に溢れた情景が、だんだんと醜く戦争の色に染まって行くのが恐ろしい。

  • 息子が図書館で選んだ本。
    見るからに暗そうな装丁。

    戦争を擬人化した語り口で、淡々とその悲惨さを述べていく。
    余韻を残し、オープンエンドな感じで終わる。
    3歳児には理解不能まちがいなし。。

  • 戦争
    社会

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