ちいさな木

著者 :
  • 偕成社
4.09
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本棚登録 : 190
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784033521800

作品紹介・あらすじ

 町はずれの寂しい道に、ポツンと1本の木が生えていました。もう何年もそこにいましたが、ずっと小さいままでした。あるとき、1匹のみすぼらしい犬がやってきました。「ぼく、家出したんだよ。これから、じぶんのすきなところへ行くんだ。きみも、いっしょに行こうよ」。そういわれた木は、初めて根っこを「よっこらしょ」と土から引き抜いてみました。すると、なんと歩けるようになったのです! さあ、ここではないどこか、「じぶんがすきなところ」をもとめて、冒険の旅に出発です! とちゅうで岩と沼も加わり、歩みもバラバラな異色の4人が、山あり谷ありの道を一歩ずつ進んでいきます。スタンスタン、イッポイッポ、ゴロンチョゴロンチョ、ポチョンチョポチョンチョ。はたして、みんなの「じぶんのすきなところ」は見つかるでしょうか?

感想・レビュー・書評

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  • できないことなんてない。
    できないという思い込みを捨てるんだ!
    それぞれが動き出した様子に娘たちは大笑い。
    このままみんなで仲良く暮らすのかなと思ったら、1匹はここじゃない!と颯爽と去っていく。
    去っていくの!?とビックリしたけど、自分の道を誰かにつられることなく進んでいった犬がカッコよかった。
    そんな終わり方の絵本も悪くない。

  • 角野栄子さん「魔法の文学館」が2023年11月オープン 江戸川区が運営資金のクラウドファンディング   – 美術展ナビ
    https://artexhibition.jp/topics/news/20221216-AEJ1144134/

    Kadono Eiko Office(角野栄子オフィス) – 童話作家・角野栄子のオフィシャルサイト
    https://kiki-jiji.com/

    佐竹 美保(著者詳細情報) | 絵本ナビ | 作品一覧・プロフィール
    https://www.ehonnavi.net/author.asp?n=4590

    ちいさな木 | 偕成社 | 児童書出版社
    https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033521800

  • ※最後まで あらすじが書いてあります。

    町はずれに、1本だけ小さな木が生えていた。
    あるとき、綱を食いちぎって、家出した犬のゴッチがやってきて言った。「これから自分の好きなところに行くんだ」
    小さな木も好きなところに行きたいが、自分は動けないと言う。ゴッチが、「やってみなくちゃわからないよ」と言って 、木のそばの土を掘った。すると 小さな木は、根っこを引き抜いて歩き始めた。
    ゴッチがスタンスタン、小さな木のキッコがイッポイッポと歩いて行くと、岩のイワオに出会う。イワオも一緒にゴロンチョゴロンチョと歩き始めた。次に小さな真っ青な沼のイッテキに出会う。イッテキもはじめは無理と言っていたが、キッコの枝に捕まって立ち上がり、ポチョンチョポチョンチョ歩き出す。
    原っぱに出ると、キッコとイワオ、イッテキはここで暮らしたいと言う。でも、ゴッチは「ここは僕の好きなところじゃない」と言って走って行ってしまう。
    3人は普通の生活を始めたが、 いつでも好きな時には散歩した。

    ※木や岩や沼が歩くという展開に驚かされる。ゴッチの「やりたいことはやればいい」そうだよね。無理と思えることでもやってみなくちゃわからないよね。仲間がいることで 勇気が出ることあるよね。でも仲間が 縛りあってもいない。ゴッチの自由さがいい。
    意外な展開 なんだけど、 自然に流れているように思わせる角野栄子さんはやっぱり素晴らしい。
    佐竹美保さんの白と黒と緑だけの絵もいい。最後、3人が暮らす原っぱが緑色に変わっていくのも、幸福感を描いていると思った。
    年齢がいって、 諦めることが多い状況だけど、この本を読んで ちょっと 一歩踏み出そうと思えた。無理せず 少しでも前に進みたい。

  • 素朴な表紙のたたずまいがガアグ、エッツ、バートンのような古きよきアメリカの絵本を思わせるので思わず手にとってみたら、角野栄子と佐竹美保という「魔女の宅急便」コンビの新しい作品だった。

    町はずれに立っていた小さな木が、家出してきた犬に誘われて自分の好きな場所を探す旅に出る。途中でさらに仲間も増えてゆき・・・はじめは木が旅に出るなんてファンタジーだなと思ったけど、読むうちに、動けないというのは思い込みなのかもと思えてくる。最後に居場所が定まった場面が色あざやかで美しかったし、犬がひとり我が道をゆくのもよかった。
    経験を重ねた大人の読み手なら、人生はまさにこんな感じよねと受け止めるだろう。幼い子どもが読んでもらったら、どう受け止めるのだろうな。

  • 動けないと思い込んでいるのは自分なんだ!
    大人が読んでも素晴らしい絵本。

  • 木と犬と岩と沼が、好きな場所を探して旅に出る。結局、好きな場所が違っていて、犬だけはまた別の場所に行く。
    最初は、めでたしめでたしじゃなくてさびしいって思ったけど、みんなと一緒じゃなくてもいいし、好きにしていいっていうのもいいのかもしれない。でも、やっぱりさびしいな。
    それから、みんなと違っててもいいっていうのを、小さい頃に絵本で読んで知れるというのもいい。(小6)

  • 誰だって何処にでも行けるよ!
    そう背中を押してくれるのはこちらの新刊。
    .
    何処かで見たような懐かしいテイスト、白と黒と緑のシンプルな絵は、角野栄子さんが#魔女の宅急便 でタッグを組んだ佐竹美保さんです。
    .
    表紙に目を引かれ、二人のお名前でもう手に取るしかないよね〜の状況!そして読んでみたら……。
    .
    町はずれの寂しい道に、ポツンと1本の木が何年もの間立っていました。
    そこまではスーッと読み進められましたが、えっ?木が歩くの?石までも?まあそこまではありかな〜と。でもでも…なんとまっさおな沼までもが歩いてしまう!
    .
    自分の好きな所を探す為に皆で歩き続けるのです。
    でもね、最初に歩き始めた犬のゴッチだけは皆んなと同じ所が好きではなかった……。
    えっ?皆んなで一緒に〜にはならないのね!
    .
    そう、想像を越える展開と、強いメッセージがズシーンと迫ってきます。
    .
    自由ってことは素晴らしい!
    皆んな同じじゃなくていい!
    何処にでも行けるよ!
    まずは迷わず動き出そう!
    .
    角野さんのテンポとシンプルな絵が強烈に心に飛び込んできます。
    .
    色々な迷いも吹っ飛んでしまいます、笑!
    チャンスがありましたら是非ページをめくってみて下さいね!
    .
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    https://amzn.to/47oRReF
    #角野栄子 作
    #佐竹美保 絵
    #偕成社

  • 自分で自分の制約をかけていないか、自分の周りを巻き込めているか、好きな場所を見つけたらそこに留まる選択が持てるか、もっと別なところを一人でも探しに行ってるか、離れても仲間意識が持てるか。

  • 「町はずれの寂しい道に、ポツンと1本の木が生えていました。もう何年もそこにいましたが、ずっと小さいままでした。あるとき、1匹のみすぼらしい犬がやってきました。「ぼく、家出したんだよ。これから、じぶんのすきなところへ行くんだ。きみも、いっしょに行こうよ」。そういわれた木は、初めて根っこを「よっこらしょ」と土から引き抜いてみました。すると、なんと歩けるようになったのです! さあ、ここではないどこか、「じぶんがすきなところ」をもとめて、冒険の旅に出発です! とちゅうで岩と沼も加わり、歩みもバラバラな異色の4人が、山あり谷ありの道を一歩ずつ進んでいきます。スタンスタン、イッポイッポ、ゴロンチョゴロンチョ、ポチョンチョポチョンチョ。はたして、みんなの「じぶんのすきなところ」は見つかるでしょうか?」

  • 2024.1.25 6-3

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著者プロフィール

1935(昭和10)年、東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、出版社に勤務する。25歳の時からブラジルに2年間滞在し、その体験をもとにしたノンフィクション『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で作家デビュー。著書に『ズボン船長さんの話』『小さなおばけ』シリーズ、『魔女の宅急便』『ぼくびょうきじゃないよ』『おだんごスープ』『ラストラン』など数多くの絵本・児童文学作品がある。産経児童出版文化賞大賞、路傍の石文学賞、旺文社児童文学賞、野間児童文学賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞など受賞作品多数。

「2017年 『いろはにほほほ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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