図書館からの冒険 (偕成社ワンダーランド)

著者 :
  • 偕成社
3.70
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本棚登録 : 151
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035405702

作品紹介・あらすじ

はじまりは、取り壊しが決まった柴野崎小学校の図書館に渉(わたる)が忍び込んだことからだった。
小学校6年生の渉は柴野崎小学校の図書館からシバノザキ島にワープしてしまう。島は一年前の大きな地震と嵐であちらこちらが崩壊し、島民は気持ちの悪い生き物に怯えながら生きていた。しかもこの島にはその昔、渉の大おじさんがくらしていたらしい。
島の少女サキとであい、さまざまな危険にあいながら行動をともにし、渉は仲間たちと島を救おうとする。大長編ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 異世界、獣人、地底湖、龍
    冒険要素満載

  • 読み応えのある壮大なファンタジー。

    2つの異なる世界が存在していて、紙の表と裏のように影響し合う。

    複雑なところは理解できないまま読み進めたけれど、「ゆたかさ」「環境」、そして「ジェンダー」について、考えさせられるセリフはよかった。

  • 岡田淳さんの他の冒険話と似ている。初めの方は登場人物ばかり多くてあまりおもしろくなかったけど、後半は結構一気に読めた。

  • 岡田淳さんの新作ー!!!わっくわく。

    小学6年の渉は、叔父である敬二郎さんの経営する斉藤書店に隣接する柴野崎小学校の図書館から、シバノザキ島へと迷い込む。そこは、かつて敬二郎さんが話してくれた不思議な世界で、渉は敬二郎さんのお話が作り話ではなかったことを知る。父親を探すサキという少女と知り合い、二人は島を救うために動きだしますが…。

    系譜的には、『二分間の冒険』や『選ばれなかった冒険』系の異世界トリップファンタジー(?)。
    岡田淳節健在の世界観にファンはにょほほとなりました。
    ただ、前出の二作に比べるとドキドキ感は少なめで、ずっと淡々と謎を追っていく感じで最後まで行ってしまったので、もう少し山場が欲しかったかなぁ。☆は3.5くらい。

    気になったポイントを二点。

    個人的にいいなと思ったのは、このお話が二重構造になっていることで、渉の冒険物語単品ではそこまで印象には残らないのだけれど、そこに敬二郎さんの物語が重なることで、俄然ロマン溢れるお話になること。
    そんなに多くは触れられていないけれど、渉がシバノザキ島に渡る以前には確実に敬二郎さんの物語があったわけで、それは渉のたった5日間の冒険とは違い、何年も何回もに渡る渡航(?)であり、その上、結婚もし子もなしているという超絶ロマン譚!!!
    正味、敬二郎さん単体の物語に俄然興味が湧いてしまった。異世界に渡って、そこで大恋愛をし、しかもそっちの世界の人と結ばれてしまうという異世界ファンタジー!!
    というわけで、骨子に敬二郎さんの冒険物語を思い描き、ゲド戦記のように長いお話の中の一つのスピンオフを読んでいる感覚で渉のお話を読むと、それはそれで楽しめたのでした。
    とまあ、枠外のところで妄想を膨らませたため、最後の場面では深い感慨が訪れたのでした。
    二人はまた一緒になるのかな?なってほしい。

    二点目は、岡田さんは学校を愛してる人だなぁということ。多くの学校を舞台とする作品を描き、ご自身も長く教師をされていた岡田さんですが、今作品ではマヤさんの存在に、岡田さんの学校への思いを見たような気がしました。
    赤いドレスを身に着けて踊るマヤさんの存在感。
    学校、とりわけ小学校と言うのは、そういった、子どもの心に強く残る場所なんですね。

    なんだか学校トリップファンタジーを書きたくなってきました。
    それと、敬二郎さんのお話、読みたいなぁ。

  • 岡田さんのこれまでの傑作群に比べると、残念ながらこの作品は今一つだった。異世界に飛ぶところまでは良かった。安易なデフォに頼らず、異世界に行ったことがあるという叔父さんのエピソードからはじめて、丁寧に図書館からの冒険への扉を開いていく過程はすばらしかった。
    でもそこから先がいけない。おそらく発展途上国の乱開発をテーマにしているのだと思うけれど、それをうまく小学生の身近な世界とつなげることができていないように感じられた。もっともそれを判断するのは小学生だろうと思うけど。うちの長男は面白かったと言っていた。

  • 大おじの敬二郎さんのところで5連休をすごすことになった6年生の渉

    まもなく取り壊される柴野崎小学校の校庭に建つ古い図書館に、ひと晩泊まってみようとしのびこむ

    そこにあらわれた侵入者に連れられてワープしたところは、地震と嵐で荒れはてたシバノザキ島だった

    シバノザキ島が荒れたのは、裏表の世界をなす柴野崎小学校の廃校と敬二郎さんの過去にある……渉は父親をさがすサキという少女、こわれかけた屋敷を守るゴーダさんやパートナーのマリちゃんたちと、島を救おうと動き出す

    リミットは5日
    渉たちの前にふしぎな生き物が立ちはだかる

    『二分間の冒険』(1985)、『選ばなかった冒険』(1997)、『森の石と空飛ぶ船』(2016)と続く岡田淳の冒険長編ファンタジー最新刊(2019年11月刊)

    高学年にはぜひ、中学年でもなんとか、読んでほしい
    読めば岡田淳ワールドのとりこになることまちがいなし

  • 登場人物の名前が把握しきれないまま
    ラストまで一気読みしてしまった

    日常から、違う世界に行くというのは
    この年になっても変わらずドキドキする

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著者プロフィール

1947年兵庫県生まれ。神戸大学教育学部美術科在学中の1966年に「星泥棒」を自費出版。西宮市内で小学校教師をつとめながら1979年に『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』(偕成社)を発表。1981年『放課後の時間割』で「日本児童文学者協会新人賞」を受賞。教壇に立ちながら1年に約1タイトルのペースで作品を発表。数々の賞を受賞する。「こそあどの森」シリーズ(理論社)は国際アンデルセン賞オナーリストとなる。アジア各国では翻訳本も出版されている。岡田淳作品で読書嫌いが治った、本好きになったという人は多い。

「2008年 『人類やりなおし装置』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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