アインシュタイン: 相対性理論により、わたしたちの世界観を一変させ、平和運動にも貢献した天才物理学者 (伝記世界を変えた人々 19)
- 偕成社 (1994年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035421900
感想・レビュー・書評
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小学生の時、これを読んで大学で物理を勉強したいと思いました。
高校に入って、物理の最初の単元でつまづきました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物理理論を子供向けに分かりやすく解説してある。こどもでも分かるような興味深い事例のかずかずに、著者の情熱と愛を感じた。
アインシュタインがどのように考え、生きていたかという側面もおもしろい。
・重力によって物体(たとえば地球)が空間を動いているのではなく、宇宙のある一点に集中した質量とエネルギー(たとえば太陽)が空間を曲げているのだと考えた。
・ニュートンのいう「絶対的な時間」、つまりどんな出来事でもそれが起きた時間は正確にひとつだけ測りうる、という考えはおかしくなってしまう
(汽車の中の財宝、賊、運転手、観察者、車掌の時間感覚の例 P69)
・「美しい娘さんのとなりに座って話しているときは、1時間が1分くらいに感じることでしょう。ところが、熱い石炭のもえがらの上に座ったら、1分が1時間に思える。それが相対性です。」
・E=mc2(mc二乗)
E=エネルギー、
m=質量
c=光の速度
つまり、エネルギー=質量×光の速度×光の速度
・力とは「自然界の出来事を起こさせるもと」
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【生き方】
・穴のなかのクマのような生活がしたい(P104)
・(若い人へのアドバイス)「目をあけて、心をひらき、両手をひろげ、そして、これまでの歴史のなかであなたのまえに生きた人たちがまきこまれた有害な考えに、おちいらないようにするのです。そうすれば、この地球全体があなたの故郷となり、あなたのした仕事、あなたのはらった努力のすべては、きっと幸福をもたらしてくれることでしょう。」(P120)
・研究による深い満足「なんとなくわかるが説明ができないという「真実を負いもおtめて、暗闇の中で手探りをするような探求の年月。確信を得たかと思うと、また疑いが頭をもたげるというくりかえしのすえ、ついに明快に理解できるときがおとずれる。そういうことは、経験をしたものだけが知るものなのだ。」
・役所で成功するにはどうしたらいいか?
A=X+Y+Z
A=成功
Y=仕事
Z=沈黙
・「自分の便ky等を義務だと思ってはいけません。すばらしいチャンスなのだと思うことです。すぐれた精神から生まれるものが、あなた自身の歓びを生み出し、あなたがこれから仕事をする場である社会のためにもなる、そうしたことを知るチャンスなのですから。」
・元来平和主義者、第1次世界大戦後反戦運動
→ユダヤ人としてユダヤコミュニティへの協力
→ヒトラーの台頭
→想像を絶する残虐さ
→アメリカへの逃亡
→ルーズベルト大統領に「ドイツが核兵器を開発する可能性」を指摘
→ルーズベルト大統領が原爆開発を指示 -
翻訳書だけれど、はじめから日本語で書き起こされたかのように読みやすい。相対性理論のややこしいところはさらーっと流して、人生航路、それも政治運動などともかかわった後半生がむしろくわしく描かれている。離婚した最初の妻ミレーバが、相対論の発想に大きく関与しているのではないかと、これもさらりと書かれていて、びっくりした。
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「第三次世界大戦でどのような武器が使用されるかわからないが、第四次世界大戦は、石器と棒きれだ」
自分には相対性理論や原子爆弾やらについてよりも、この言葉が強烈に印象に残っている。この言葉は人類の科学の進歩が一歩間違えれば人類を破滅させてしまうという危険をとてもわかりやすく教えてくれる。
人類は自分達の発明をどう使うよく考える必要がある。