願いごとの樹

  • 偕成社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037269104

作品紹介・あらすじ

私はレッド。樹齢216年の木で、この物語の語り手だ。町の人たちは年に一度、願いごとを書いた布や紙を私の枝に結びつける。長年、私はこの町を──なかでも木陰に建った家にやってくる移民たちを見守ってきた。この家に最近越してきたのは、イスラム教徒の少女サマール。ときどき私の根元にすわり、木の洞に住む動物たちと過ごしている。
ある晩、サマールは「友だちがほしい」と願いをかけた。
私を切り倒す話が持ちあがったとき、なんとか人間の役に立ちたいという気持ちがわいてきた。親友のカラスや動物たちが止めるのもきかず、私はサマールたちにむかって語りはじめた。昔、この町にやってきたある女の子の物語を。そこから波紋がひろがって……。

米国ニューベリー賞受賞作家による、思いやり、友情、希望の物語。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカにある、願いの木と言われる木の物語だった。
    願いの木は人間や動物達と一緒に平和に暮らしていた。
    ぼっちのイスラム教の女の子に友達がいたらと思い、動物たちと協力して女の子の友達を作ってあげたり、願いの木と動物達との会話があったりなど、ほっこりするところや、願いの木の伐採の話が出て、伐採しようとするなど、ハラハラするところがあり、自然を新たな視点でみることができた。

  • 心が温まる話。私たちの気付かないところで生き物たちは支え合って生きていることを実感した。

  • 楽観的でおせっかいな古い大木。二百年以上も、この町に根を張り、人々や動物たちを見守ってきた。
    そんな「木」目線で話が進む、ちょっと変わった物語です。

    木は人間の言葉を話すことができるという設定ですが、たしかに木って何かを語りかけてくるような雰囲気を醸し出しているときってありますよね。
    がっしりとしてすべてを受け止めてくれそうな雰囲気に、人は安心感を覚え、願いごとを託したくなるのかもしれません。

    物語では移民に対する差別も問題提起として描かれていて、メッセージ性のある一冊。

  • ファンタジーと、一言で表すのが躊躇われる物語。
    最後の、学校のみんなの願いごとで満たされる場面では不覚にも泣きました。希望が勝る瞬間。

  • 図書室

  •  樹齢216年のレッドオークの木(レッド)が主人公。願いごとの樹と呼ばれていて、毎年5月1日に、町中の人が願いごとを書いた紙切れや布を結びつける。レッドの木陰にある2軒の家の一つにサマールという少女とその家族が引っ越してきた。この町はこれまでも遠くの国から来た家族をたくさん受け入れてきた。ある時、何者かがレッドの幹に不愉快な言葉を彫りつけていった。

  • 樹齢200年超の樹の視点で語られる物語。ファンタジーですが、子供に読んでほしい良書。

  • 樹齢216年のレッドは願いごとの樹として年に一度町の人々が願いごとを書いた布をつけにくるレッドオークの木。レッドには気かけている近所の子がいて彼女は「友だちがほしい」という願いを結びつけていた。自分が伐採されることを知ったレッドは彼女のために動物たちとある作戦をたてる。ファンタジーありだけどファンタジーに感じさせない内容。最後の夜の場面の挿絵も凝っていて樹や夜の風を感じながら読めたのも素敵だった。

  • 新着図書 題名で借りました。

    長く生きた木がちょっとした魔法を使うとかいうおとぎ話ではなく、移民の問題を書いたお話でした。

  • 町の願いごとの樹と言われている樹齢216年の樹・レッド。その近くに引っ越してきた移民の少女サマール。夜になると樹のそばに座って隣の家を一人見上げている。友達のできないサマールを心配するレッド。やがてレッドの幹に「去れ」の文字が刻まれる。

    移民の問題と樹木を守ろうとする少女の気持ちを中心に進む。樹が話したり、樹に住む動物たちが一致団結したり、現代の問題を扱っているものの、ファンタジックなお話。

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著者プロフィール

アメリカのミシガン州生まれ。SF、ファンタジー、冒険物語を多く手がける児童書作家。「アニモーフ」シリーズが世界中で大ヒット。“Home of the Brave”で2008年ゴールデン・カイト賞、『世界一幸せなゴリラ、イバン』(講談社)で2013年ニューベリー賞を受賞。邦訳された作品に『願いごとの樹』(偕成社)など。

「2019年 『クレンショーがあらわれて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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