ぴぷる

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 53
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040656090

作品紹介・あらすじ

時は2036年、日本ではAIと結婚できる新法が施行されていた。

京都在住の31歳サラリーマン・摘木健一は、性交渉機能搭載の美少女AIを購入し、彼女を「ぴぷる」と名付けて結婚することにした。
しかし、なぜか結婚初夜に夜の営みを拒絶されてしまう。

開発元に問い合わせた摘木を待ち受けていたのは、ぴぷるを開発した26歳の女性研究者・深山楓だった。
「ニューラルハードウェアによる学習が始まっているので設定の変更はできない」と冷静に説明する深山は、ある驚きの提案してきて……!?

作者は『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』で第五回京都本大賞受賞の原田まりる。
イラストは『あの花』『君の名は。』のキャラクターデザインを手がけた田中将賀。
オリジナルWEBドラマの朗読に『進撃の巨人』エレン・イェーガー役の梶裕貴、『ドメスティックな彼女』で主演の藤井夏生役に抜擢された八代拓。
人工知能監修に東京大学大学院特任准教授の松尾豊。

AIの存在が一般化した近未来の京都を舞台に、
そこに生きる人間の価値観の変容を徹底的に掘り下げた、
超豪華布陣でお届けする「哲学×AI」のエンタメSF小説!

感想・レビュー・書評

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  • WOWOWで放送されているということで購入。

    SFコメディ小説と紹介されていますが、他にも恋愛を匂わせるような要素も含まれていて、色々楽しめました。
    意外とアダルトな用語も登場し、ラノベっぽい雰囲気を醸し出しています。読みやすくあっという間に読めました。

    物語は、章ごとに3人の視点で進行していきます。2036年の京都の設定ですが、あまり未来のイメージを強調してはおらず、京都も古風な雰囲気を残していました。実際の京都の地名を紹介しているので、ちょっと先の未来を楽しめるかと思います。
    作品の中では、様々な「恋」が出てきます。恋といっても愛というよりは、好きの方が印象強いです。異性だけでなく、同性、AIに恋をする場面もあり、コミカルでドタバタに描かれています。
    近未来、AIでも結婚できるというのは、なかなかない発想でしたが、面白かったです。
    軸としては、主人公・摘木がAIと結婚生活を送るですが、あまり深く描かれず、むしろ研究者・深山との関係を前面に出している印象がありました。また、他の登場人物の関係性も相まって、色んな話が平均的に扱われている感じがしました。
    ディープすぎず、軽く楽しい気持ちで読めました。

  • 2020年5月ドラマ化
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50144556

  • 『ぴぷる ~AIと結婚生活はじめました~』
    WOWOW/毎週月曜深夜放送
    2020年5月18日から

  • SFファンタジー小説だが、ライトノベルチックか。
    物語的には少々消化不良だ。
    最新テクノロジーがふんだんに盛り込まれている訳ではないし、AIブームの前からでもありそうな物語ではある。
    話は3人の主要登場人物の視点で描かれる。(登場人物自体は他にもいる)
    一人がAIロボ開発者の深山(女性)。
    そしてそのAIロボの購入者である鏑木(男性)。
    鏑木の大学の先輩でエリート医者の夙川(男性)。
    深山と鏑木がAIロボを通じて恋愛関係になるのかと思いきや、結果そうではない。
    夙川はエリートだが、すごいコンプレックス持ちで、幼馴染の親友である詫間(男性)のことを恋愛感情として見ている。
    夙川は詫間とそっくりのAIロボを隠し持ち、自分を慰めている。
    結局この小説の主人公は夙川か?それにしてはチープな同性への片思い物語だ。
    色々と物語上の要素が足りない。
    それぞれのキャラクターが、絡んでいないのだ。
    特に深山というキャラクターが意図的に個性的に描かれているにも関わらず、実はストーリー上そんなに重要な役で無くなってしまっている。
    結局は、鏑木もあんまり重要じゃない。
    AIロボの購入者ではあるが、最後に取り付けたオチがあるだけで、展開は強引だ。
    物語の核が、夙川と宅間の同性への恋心になってしまい、AIロボがいなくても成立する話になってしまった。
    なんだか勿体ない話だ。
    上手に物語を組み立てれば、伏線の貼り方次第で面白く出来たのにと思ってしまう。
    鏑木とぴぷるの関係がそういう意味でのオチなのだが、結果的に効果的に描かれていない。
    AIロボがディープラーニングで、人間とAIロボとの関係性を最適化しようとすればするほど、人間には「心」がある以上、溝が深まるばかり。
    結果的にAIロボは「自分がいない方が、鏑木の満足度が上がる」という計算結果になってしまうために「自滅の道に進んでしまう」というオチ。
    これは面白いし、未来でディープラーニングが進み過ぎると十分にあり得る話なのではないだろうか?
    AIロボには心が無いはずなのに、「私と一緒にいると彼を不幸にしてしまう」というこじらせ恋愛女子のような行動を取ってしまうというのは、これはこれで面白いのではないか?
    このオチを中心に、鏑木と深山の人間同士の恋愛を絡めていけば、ストーリーが面白くなったのにと思ってしまった。
    そんな事を想像しながら、読んだ小説だった。
    と言いつつ、これはこれで若者たちが軽く読めるものとしてはよいのではないだろうか?
    (2020/4/30)

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著者プロフィール

原田まりる1985年京都府京都市出身。哲学の道のそばで育ち、高校生時哲学書に出会い感銘をうける。京都女子大学在学時よりおこなってきた芸能活動を経て、現在は作家・哲学ナビゲーターとして活動。オンラインサロン「この哲学がスゴい!?ケンカしない哲学交流ラウンジ?」(DMMLounge)主宰。2017年4月にゲーム・漫画原作制作会社「noexit(ノイグジット)」を設立。著書に哲学者の教えと経験談を交え綴った『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)、京都を舞台にした哲学のエンタメ小説『ニーチェが京都にやってきて、17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社)、10月よりコミック化が決定。11月に新著『まいにち哲学』(ポプラ社)をリリース予定。●公式サイト https://haradamariru.amebaownd.com●twitter @HaraDA_MariRU

「2017年 『日々の悩みが消える哲学手帳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

原田まりるの作品

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