元素変換現代版<錬金術>のフロンティア (角川EPUB選書)
- KADOKAWA/中経出版 (2014年10月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040800165
感想・レビュー・書評
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常温核融合ではなく、元素返還で元のものとは別のものに変える技術。それが日本が世界の最先端であるとは。
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現代の錬金術と言われている、常温核融合(元素変換)について書かれた本。
核反応には大きく分けると2つあって、1つは核分裂、もう1つが核融合なのだそうだ。
2つとも大きなエネルギー放出することには変わりないのだが、核分裂が燃料1グラムで石油に換算すると1.8トン分のエネルギーを生むのに対し、核融合では石油8トン分のエネルギーを生み出すらしい。
ただし核融合の場合、反応に必要な温度が1億℃~10億℃だそうで、制御がしづらいという大問題があるようだ。
もし常温で核融合(元素変換)が実現できるとすれば、小規模な施設で大きな発電が可能になり、現在問題となっている核廃棄物の無害化、そして安価な物質からレアアースを創出するなど、まさに錬金術的なイノベーションが可能となるのだ。
この研究にはまだ多くの課題があるようだが、放射性廃棄物の処理技術については、ぜひ早期に実現していただきたいと思う。 -
常温核融合技術が開発できれば(初期の段階に進んできているらしい)「元素変換」が実現できる。
元素変換が出来るようになるとありふれた金属(タングステンなど)から高価で稀少なプラチナがつくれるようになる。
人体に危険な放射性元素(放射性廃棄物)を無害な元素に変換することができるようになる。セシウムやストロンチウムを安定化させることが可能性としてある。
まだ、この分野の研究に対する認知が少ししかなされておらない段階だが、研究がどのように進んでいくのか注目してゆきたい。