武士の人事 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040822754

作品紹介・あらすじ

長谷川平蔵は「人物は宜しからず」――。天明七年、八代将軍吉宗の孫・松平定信が老中首座に任じられた。賄賂の田沼時代からの脱却を目指した寛政の権力者・定信が集めさせた、江戸役人たちの発言や噂話。出世欲、保身、家庭の悩み――当時の役人の生態が赤裸々に書き留められた希有な記録『よしの冊子』を読む。

[もくじ]
第一章 政権交代─松平定信と田沼意次
第二章 老中たちの評判
第三章 幕閣大名の生態
第四章 町奉行の勤務ぶり
第五章 勘定奉行と勘定所役人
第六章 江戸の機動隊、火付盗賊改
終 章 松平定信の退場
付表・諸役職就任者 

[紹介している人物]
吉宗の血をひく貴公子──松平定信   地に落ちた権力者──田沼意次   賄賂で老中になった名門大名──阿部正倫
温厚、何の害もこれ無く──松平康福   心得違いを反省──水野忠友   真っ先に登用された若手の俊秀──松平信明
側用人から老中格へ──本多忠籌   次代を担う若年寄──堀田正敦   刀を忘れて自ら謹慎──京極高久
将来を嘱望された寺社奉行──脇坂安董   出世を厭う坊ちゃん育ちの大名──井上正国   失言で左遷──曲淵景漸
町方から馬鹿にされた町奉行──柳生久通   天国から地獄へ──初鹿野信興   萎縮した金太郎侍──池田長惠
御三卿・清水家を改革──柘植正寔   型破りの豪傑──根岸鎮衛   御城が家より好き──柳生久通
人々が感服する能吏──久世広民   上をだます勘定吟味役──佐久間茂之   母のために昇進を厭う──堀帯刀
江戸町人に大人気──長谷川平蔵   定信との関係を自慢する自信家──松平左金吾   平蔵の毒気に当てられる──太田資同

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:210.55A/Y31b//K

  • よしの冊子から見た江戸時代の世相がよく分かる作品。

  •  江戸時代、「寛政の改革」で著名な松平定信の頃。その定信の命で編纂された書物「よしの冊子」を基にした人物評伝。
     有名な鬼平こと長谷川平蔵を初め、老中・奉行といった役人の生々しさが伝わる。個人的に、久世広民という能吏がため息つきながら仕事している、というのは面白かった。

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著者プロフィール

1957年、岡山県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。文学博士。東京大学史料編纂所教授などを勤めた。1992年『江戸お留守居役の日記』で第40回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。著書は『寛永時代』(吉川弘文館)、『日本史の一級史料』(光文社新書)、『歴史をつかむ技法』(新潮新書)、『流れをつかむ日本の歴史』『武士の人事』(角川新書)など多数。NHK Eテレ「知恵泉」を始め、テレビやラジオにも数多く出演した。2020年逝去。

「2022年 『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 全16巻+別巻4冊定番セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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