花電車芸人 色街を彩った女たち (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040823058

作品紹介・あらすじ

表の歴史には絶対に出なかった、知られざる裏芸能史!

花電車芸とは、女性器を使って芸をすることである。
花電車(装飾された路面電車)は客を乗せないことから、男を乗せない芸者がそう呼ばれるようになった。
戦後の色街や花街の摘発によって職を失った芸妓たち。彼女たちはストリップ劇場に流れ、芸を披露してきたのだ。
しかし、日本で花電車芸を披露する者は、いまや十指にも満たない。
テレビで映される芸ではない。伝統芸能として称賛され、国から保護される芸でもない。
だが、世の片隅で人々の心をとらえ続けてきた庶民の芸である。

女性器を使って、バナナを切る、ラッパを吹く、吹き矢を飛ばす、火を噴く、花を活ける、台車を引く、コインを一枚一枚出していく等々。
前代未聞の芸が脈々と伝えられていた。
いつ始まった?秘技はどう受け継がれてきたのか?
色街を取材し続けたルポライターが秘史を探る!

正史では触れられない、庶民の芸の歴史と芸人の姿。
■「私のお股から火を噴いてみせましょう」
■両国は見世物小屋で栄えていた
■「コインを一枚一枚、アソコから出していくんですよ」
■親子二代のストリッパーになる
■ストリップは新宿で産声を上げ、浅草で隆盛を迎えた
人は生きていくうえで、闇を必要とする。かつてはその闇がストリップ劇場であり、見世物小屋であったのだ。

【目次】

まえがき
第一章 生ける伝説、ファイヤーヨーコ
第二章 花電車芸、その起源を探る
第三章 異端の芸人たちは極みに至る
第四章 ストリッパーたちは見た
第五章 花街、その興亡をたどる
 
あとがき
主要参考文献

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  • 黄金劇場等を取材していた著者が2008年にナニワミュージックで出会ったファイヤーヨーコ嬢から興味を持ちストリップの中でも特に花電車芸に注目し取材した一冊。黄金劇場に出演する様々な踊り子への取材、蕨ミニ劇場で披露される花電車芸、熱海の温泉街の劇場等を取材し、花電車芸のルーツを探る過程でバンコクへも赴く。

  • 大竹まことゴールデンラジオ

  • 花電車と言えば、現在ではファイアーヨーコに始まってファイアーヨーコで終わるという現実を地で行ったような著書。そのファイヤーヨーコとの出会いから始まり、花電車の簡単な歴史を辿りタイや熱海に触れ、数人の特異なストリッパーにも焦点を当てている。
    自分も長年アダルトの世界に関わっていながら実際に花電車に接したのはファイヤーヨーコとの出会いであったので、本書に出会って書き出しから期待していたのだけれど、花電車の歴史の記述は浅く、もっぱらストリッパー列伝的な内容に終わってしまっていたのが残念であった。

  • 絶滅しつつある女性器を用いたお座敷芸である花電車とその芸人についての本。著書の直接取材した内容がメインで貴重であるが、著者が取材を始めた2000年代にはすでに演じるものも少なく、薄い新書でありながら三分の一は花電車とは直接関係しないストリッパーの話題なのが悲しい。
    現在、演じている人はいなくても、かつてその芸を見た人への取材なんかもあればもっと良かったのだが。

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著者プロフィール

1972年神奈川県横浜市生まれ。ノンフィクションライター。写真週刊誌カメラマンを経てフリーランスに。『マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅』で第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。著書に『黄金町マリア――横浜黄金町 路上の娼婦たち』(亜紀書房)『花電車芸人』『娼婦たちは見た』(KADOKAWA新書)『日本殺人巡礼』 『青線 売春の記憶を刻む旅』(集英社文庫)(亜紀書房)などがある。

「2022年 『裏横浜 グレーな世界とその痕跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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