- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040823591
作品紹介・あらすじ
戦国時代の合戦の裏では、本当に「忍者」が活躍していた!
これまでフィクションの中でしか考えられなかった戦国時代の忍者。
実像は闇に包まれ、江戸時代に書かれた軍記物や、忍術伝書から想像するしかなかった。
しかし、史料に断片的に残されていた、忍びにまつわる記述を丹念に読み解くことで、その驚きの実態が明らかとなった。
これまでの戦国合戦研究を覆す、気鋭の歴史学者による最新研究!
●カギ梯子で、300人もの忍者が城へ忍び込む!
●商人に化けて敵城へ潜入!
●侵入してきた敵の忍びを見つけ出す!
●捕らえられた忍び、荷物から火打ち道具が見つかり「敵の忍者です」と白状
【本書目次(予定)】
はじめに
第1章 江戸時代近世における忍びの認識
1 忍びとはどのような人々であったか――『武家名目抄』
2 忍びのマニュアルと心構え――『軍法侍用集』
3 武田の軍記物に描かれた忍び――『甲陽軍鑑』
4 忍びの別称
第2章 戦国の忍びの登場
1 伊賀と甲賀
2 武田の透波と北条の風魔
3 悪党と忍び
第3章 草、野臥、かまり
1 草、草調義
2 伏兵、伏勢、伏調儀
3 野臥、かまり
第4章 城の乗っ取り、放火、決死の諜報活動
1 城乗取と忍び
2 忍びによる潜入と放火
3 目付の活動
第5章 戦国大名と忍び
1 中世の夜と忍びの世界
2 忍びの運命
3 足軽と忍び
おわりにー戦国の忍びとはどのような人々だったのか
感想・レビュー・書評
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NHKに出演されている博識な著者を知り、初めて購入したのだが、古文書の原文と翻訳が占める。
忍者が、有名な大名には必ず雇われて活躍していたのはわかるのだが、構成として体系なく、雑多な印象で非常に読みづらい。
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
本書を読むと一般的に考えられているような忍術を使うような忍者は存在しなかったし、忍びと言っても役割ごとに様々な人がいた事が分かる内容となっていた。
忍びというのは現代で言うところのスパイや特殊部隊、秘密警察だったりと様々な役割があることには驚いたが、これらの役割を一つにまとめると忍者になるのは納得した。
一方で武士と忍びは武士が知行が与えられるのに対し、忍びは一時の報奨のみだったりと身分が明確に分けられていることが印象に残っている。
しかし、戦国時代という乱世において大名が忍びを活用し、戦を有利に進めるために活用していたことがよくわかった。 -
忍者はいなかった。という事実とその理由が非常に興味深かった。戦国時代と忍者のイメージがより整理できた。
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戦国時代の「忍の者」について、史料の中に散在する記述を拾い集め、その活動内容や社会的背景といった実像に迫る内容。境目におけるせめぎ合い、城を巡る攻防など、戦国時代における紛争の一側面を映し出すような内容にもなっていて興味深かった。
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忍者に関する文献からつまみ食いして色々読み取っていく感じかな。
真面目な研究書。
途中で放り投げ。 -
新書にしてはかなり分厚い(350ページ)大ボリュームで、戦国時代の「忍び」を論じている。
一応一般書扱いなのだが、原典を(古文のままで)抜粋しているため、ある程度戦国時代に興味・知識がある人向けの内容だろう。
しかし、東国戦国史の第一人者が書いただけあって、読み応え十分の内容だ。 -
歴史学者さんが、古文書に出てくる忍びに関する記述を集めて集めて集めてまとめました、という本です。忍びそのものよりも、歴史研究ってこういう風にやるものなのか、という点のほうが参考になったかも。それにしてもこれだけの数の人を雇っての諜報活動&特殊作戦をやっていた戦国時代、人的リソースの浪費も激しい時代だったようで。
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戦国武田氏や真田氏の研究で大好きな平山優さんが戦国の忍びについて書いたもの。我々一般人のイメージする忍者と実際の忍びの者との乖離を埋める研究で、豊富な資料と実例から、忍びが偵察や夜襲、城の乗っ取り、放火、略奪などの任務に当たっていた、大名に雇用されたアウトロー、悪党だったということがわかった。
忍びの話だけではなく、中世において夜が別のルールが作用する無縁の世界であったという研究の紹介も面白かった。 -
NINJAの実態を探る。戦国の合戦の実像に近づく一冊。
世間一般に流布している忍者の姿は虚構。講談ものから作られた姿のようだ。というのは学問の世界での話。そもそもそんなに資料が残っているはずがないのだから。
本書は地域と時により呼称は異なるが。忍び、透波、乱波、野臥の実像を文書から探る。そこは昼の世界とは一転した夜の世界。アウトローな人々の戦いが繰り広げられる。
戦国の歴史の裏面を探る筆者の研究らまだ始まったばかり。はたして忍者は虚構か、今後の研究に期待したい。 -
忍びが資料の上でも頻繁に触れられていて、戦国で無くてはならないような存在であったと驚かされる。