- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040824390
作品紹介・あらすじ
第一章 富士山は噴火するのか
1.火山噴火の集中期
災異改元でリセット
富士山噴火をめぐる「予知」
2.地球は火山でつくられた
古代文明を育んだ火山
地球の構造は半熟タマゴ
プレートの移動が引き起こす噴火
第二章 「火山の冬」と気候変動
1.「火山の冬」の原因は
氷床コアが語る過去の気候
寒冷化のメカニズム
実験場になった火山
2.535年の歴史ミステリー
ナゾの超弩級噴火
共和制ローマの最後
日本の異変と仏教伝来
中国に降った黄色い砂塵
3.迫りくる大飢饉
中世気候異常期
17~19世紀の噴火のあたり年
島民の2割が犠牲になったラキ山
寒波が招いたフランス革命
山麓を壊滅させた浅間山
天明の大飢饉
第三章 九州南部の縄文文化を崩壊させたカルデラ
1.巨大カルデラの島
カルデラが重なる九州
鬼海カルデラの巨大噴火
追われた先進縄文人
壊滅した縄文文化
2.文明を崩壊させた火山噴火
出エジプト記
ミノア噴火
中国の王朝の衰退
アトランティス伝説
3.タイムカプセルのヴェスヴィオ山
にぎやかな国際都市
ポンペイ最後の日
生々しい犠牲者の姿
第四章 悪夢の時限爆弾―破局噴火
1.破局噴火とは
爆発指数で測れない被害
過去の破局噴火
今後起きるかもしれない破局噴火
2.20世紀の火山災害と未来の危険
米国史上最大の噴火
報道陣を巻き込んだ雲仙普賢岳
先住民を追い詰めたピナトゥボ噴火
カナリア諸島のラパルマ島
海底噴火と軽石騒動
ニオス湖――静かな噴火
3.生態系は噴火からどう回復したか
救われたジャワサイ
セントヘンレンズ噴火の教訓
海鳥の楽園「西之島」
4.「予知」か「予言」か
御嶽山噴火をめぐる訴訟
成功した噴火予知
レジリエンス社会の構築
感想・レビュー・書評
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火山と環境変化、それが世界史に及ばした影響を俯瞰できる。昔の話しとして読むのはよいのだが、火山の冬の話は今にも通じる話でもあり、地球の行く末を案じるような気持ちになる。現実はそんなに悲観的なのだろうか??
元新聞記者らしいジャーナリスティックなアプローチと研究機関にいたアカデミックなアプローチがあり、そこを理解しながら読むと尚よいと感じた。 -
石先生の本は、とれもおもしろくて勉強になる。本書もそう。綿密な調査に基づいているけれど、学術に寄りすぎていなくて読みやすい。
御年80を過ぎての本だとはビックリ。こういう方には年齢は関係ないな。
メモ
■1707年の宝永地震は推定M8.7の南海トラフ三連動地震。その後富士山が大噴火した。
■マグマの対流で地磁気がつくられ、太陽風や宇宙線の影響を遮っている。火山は地球に生物多様性と恵みをもたらす。
■火山灰中の硫酸塩エーロゾルは大気中に滞留して太陽光を遮り「火山の冬」をもたらす。
■地球の過去の環境を推定する手法として、氷床コア、年輪幅などが使われる。
■米国のイエローストーンは地上最大の活火山とも呼ばれる。
■大航海時代のポルトガルはリスボン地震を発端に没落した。
■アリューシャン列島から千島列島には300以上の火山が連なる。
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元朝日新聞の社員さんが書いたモノ。読みやすいわかりやすい。でもヨーロッパに偏るなぁ。中国とかないのかしら。17世紀から19世紀は世界的に激しい活動とあるけど、日本は江戸時代で政権倒れてない。清も異民族政権だが長く続いてる。アジアでは本当にひどかったのだろうか。政権がしっかりしてたのか
この本後ろの方は、ほとんど扇情的な話に終始する。しょぼい新聞みたいだ。 -
歴史と地学のコラボレーション。多くの歴史の変革は気候変化その多くは火山の噴火であるという。噴火がもたらす寒冷化。それは現在に生きる我々にも無縁ではない。
東ローマ帝国の滅亡、モンゴル帝国の興隆、フランス革命など歴史と気候変動がリンクしているという。寒冷化による農作物被害が政治改革に繋がっていく。
世界の人口が大幅に増加したことで、従来型無人だった災害危険地帯に人が住み、自然災害の被害を受ける。天災ではなく人災。
過去の災害史から将来起こり得る被害を予測し対策を講じる。予知よりも現実的な提言である。 -
環境史というのは、一見関係のないような歴史のタテ糸が、環境をヨコ糸にして織られていくのだそうです。なるほど!
ある火山の影響が世界史のさまざまな出来事を引き起こす。まさに地球は運命共同体なのです。
新たな視点から歴史を整理することで新しい発見もあります。ワクワク読んでいます。 -
第一章 富士山は噴火するのか
1.火山噴火の集中期
災異改元でリセット
富士山噴火をめぐる「予知」
2.地球は火山でつくられた
古代文明を育んだ火山
地球の構造は半熟タマゴ
プレートの移動が引き起こす噴火
第二章 「火山の冬」と気候変動
1.「火山の冬」の原因は
氷床コアが語る過去の気候
寒冷化のメカニズム
実験場になった火山
2.535年の歴史ミステリー
ナゾの超弩級噴火
共和制ローマの最後
日本の異変と仏教伝来
中国に降った黄色い砂塵
3.迫りくる大飢饉
中世気候異常期
17~19世紀の噴火のあたり年
島民の2割が犠牲になったラキ山
寒波が招いたフランス革命
山麓を壊滅させた浅間山
天明の大飢饉
第三章 九州南部の縄文文化を崩壊させたカルデラ
1.巨大カルデラの島
カルデラが重なる九州
鬼海カルデラの巨大噴火
追われた先進縄文人
壊滅した縄文文化
2.文明を崩壊させた火山噴火
出エジプト記
ミノア噴火
中国の王朝の衰退
アトランティス伝説
3.タイムカプセルのヴェスヴィオ山
にぎやかな国際都市
ポンペイ最後の日
生々しい犠牲者の姿
第四章 悪夢の時限爆弾―破局噴火
1.破局噴火とは
爆発指数で測れない被害
過去の破局噴火
今後起きるかもしれない破局噴火
2.20世紀の火山災害と未来の危険
米国史上最大の噴火
報道陣を巻き込んだ雲仙普賢岳
先住民を追い詰めたピナトゥボ噴火
カナリア諸島のラパルマ島
海底噴火と軽石騒動
ニオス湖――静かな噴火
3.生態系は噴火からどう回復したか
救われたジャワサイ
セントヘンレンズ噴火の教訓
海鳥の楽園「西之島」
4.「予知」か「予言」か
御嶽山噴火をめぐる訴訟
成功した噴火予知
レジリエンス社会の構築