姫は、三十一 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041000762

感想・レビュー・書評

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  • 妻はくノ一 のスピンオフ作品。
    懐かしの登場人物や、その名残を感じつつ、姫の内面も深掘りされて行き、また違った味わいを楽しめる。
    数多の恋の矢印を受ける姫、これから真実の恋に出会えるのか?!

  • 『妻は、くノ一』のスピンオフ、という位置づけでいいのかな。
    雙星彦馬について語られるくだりなどから察するに
    彦馬と織江が平戸からオランダに向けて旅立った直後の話らしい。
    蛇の巻とは違う方向のスピンオフみたい。

    今で言う新宿二丁目的な飲み屋が出てきたり、
    大名家の姫が夜な夜な飲み歩いていたり、
    江戸後期の物語の設定としてはだいぶぶっ飛んでいる。
    序盤に出てくる史料に関する講釈(?)を言い訳と取るか否かは読む人次第だろうが
    わざわざ断っているのがなんとなく可笑しかった。

    大概の設定がぶっ飛んでいるのだが、
    その中でも群を抜くのが静湖姫の人物像だと思う。
    女性としては革新的な考え方とか、お転婆なところとかは
    喩えが旧くて難だが『はいからさんが通る』の紅緒に似ているような。
    静湖姫の魅力も紅緒と被る感じがするので
    これだけの人数にモテるのもまぁ判らないでもない。

    内容としては『妻は、くノ一』から本筋を抜いた、というか
    彦馬が江戸でやっていたようなことを静湖姫がやってる、という感じ。
    深刻な部分が抜かれているので、軽く読むにはちょうどいいかも。

    静湖姫と関わる男たちが悉く彼女に惚れてしまうのに
    いちばん近くにいる岡田だけがそうならないのが逆に面白い。
    とはいえ、最終的にはこのふたりがくっつくような気がするんだけど(笑)。

    くノ一シリーズから引き継がれたキャラクターは
    静湖姫、松浦静山と伝聞で出てくる彦馬と雁二郎のみ。
    同じ北町奉行所管内なので原田朔之助が出てくるのを期待していたのだが
    そうは問屋が卸さなかったらしい。ちょっと残念。

  • これがスピンオフ作品だと知りつつもどうしてもこれが読みたいと思ったから、これだけ読んだけど、スピンオフ元の作品読んでなくても問題無く楽しんで読めた。
    静湖姫良いわー!こういうお姫様好き。
    女女しくなくてサバサバしてて毒舌なとこが良い!あとイイ飲みっぷりしてるとこも好き(笑)

    まさか本当に繁蔵の占いが当たるとは。
    てっきり逆フラグで大モテじゃなく悲劇な年になるんじゃないかと思った。
    でも、かなりモテモテな静湖姫。
    一気に6人から脈有りって凄い、本当に天文学的な確率のモテ期到来だな。

    歌人、戯作者、町方同心、瓦版屋、天才鳥類学者、商人だったか。
    しかも、大体イケメンかお洒落さんという(笑)
    静湖姫が羨ましい。
    が、今まで7人もの縁談もちかけてきた者が立て続けに亡くなっててぱたりと縁談話が無くなって一人身のままなのは可哀想だから、この機に幸せになってほしい。

    新しい護衛役の岡田は想い人いるけど、静湖姫がなんか嫌な予感感じてるあたり一波乱あるかな?
    前の護衛役の無口だけど、常に影となり寄り添ってる感じが静湖姫に合ってたような気がするけどまた出てくることはないのかな?

    それにしても静湖姫、好奇心旺盛だな(笑)
    自分も好奇心旺盛な方だけど、静湖姫は凄い。一応これ江戸が舞台なんだよね?
    この時代でこれだけ活発なお姫様ってあまりいなさそうなのに、凄いな。そこが良いなって思ったんだけどな。
    和歌を習い始めてちょうど通い始めの日の歌会で死体が出て事件に遭遇し、そこから探偵というか同心的な役回りを買って出るなんてな。
    しかも、本当に解決しちゃうし。
    あの同心に先越されるかな?って思ったけど、静湖姫の方が頭の回転が今回は良かったみたいで真相に先に行き着いた。

    意外と岡田が腕利きの剣士で驚いた。
    まあ静山が一本取れないって言ってたから、相当に腕が立つのだとは思ってたけど。

    図書館で最終巻まで借りてきたから一気に読んでしまおう。面白い。

  • 江戸時代を借景にした話だなと。時代設定は現代でもそのままいけそうな。

  • さっくり読める。
    妻はくノ一のスピンオフ。
    松浦静山の娘、静湖姫が主人公。
    面白いお姫様だよ!年をとったあんみつ姫を連想しちゃった笑

  • 気軽く読めて面白かったです。

著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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