つれづれ、北野坂探偵舎 ゴーストフィクション (角川文庫)
- KADOKAWA/角川書店 (2014年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041012659
作品紹介・あらすじ
昔馴染みの女性に招かれ、佐々波はある洋館を訪れる。そこは幽霊の仕業と思われる不思議な現象に満ちていた。“編集者”と“ストリーテラー”二人の探偵は、館にまつわる物語を紡ぎ謎を解き明かすことができるのか?
感想・レビュー・書評
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小説家の里見青から絵を探してくれと頼まれ、元編集者の佐々波蓮司は作家の雨坂続ととある洋館に向かう。大学生の小暮井ユキと彼女に取りついた幽霊の雨坂ノゾミも一緒に。
洋館では次々に不思議なことが起こる。ただの幽霊騒動かと思われるが、これが里見青の過去の真実を探し出すこととなり、小説を書くということ、プロット、構造の意味をも探し出す物語となっていく。
なかなか上手く仕組まれた小説であり、結構謎をかんがえることに惹きつけられた。影、カラス、赤・青・黄の色などの言葉が深層心理っぽく意味ありげである。それに、どうもまだ謎は完全に解決されていないようだ。雨坂ノゾミも謎である。さて、どうなっていくのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ三作目。洋館に現れる幽霊の話。
セリフだけ見ると、もう一体誰が生きてて誰が幽霊なのか混乱してくる(笑)話の流れから、実は叔父さん(カラス)も幽霊!?とワクワクしたのに違ったし。でも、今回の幽霊の結末は感動した。未練というか、執念というか…いっそ愛だなぁと。
雨坂続はハッピーエンドに固執するというだけあって、このシリーズ嫌な結末にならないのが良い。二人が追い求めている謎にもいよいよ近付いてきた気配で、これからの展開が待ち遠しい。きっと嫌なラストにはならないと思うしね。 -
ロボットが出るSFでも幽霊が出るファンタジーでもミステリなんだ
あんまり説得力がないが
超探偵と超犯人(何しろ幽霊だから許される)の思い通りに描かれる世界を楽しむものであって
そこは重要でないのである
飛び道具の味わいである
さすがに面白い -
非常に冗長な物言いが好きな人は気に入る作品だと思う。
かくいう私は文体が好きなのでお気に入りだ。
本シリーズにおいては、設定がある種「奇をてらった」と言わんばかりの設定ではあるもののそこを気に入ってしまった。
作家と編集者がそれぞれの立場、目線から物語を進めていく様子は新鮮であり、作者のキザったらしい文体も相まって掛け合いを見ているだけで楽しい。
彼の物語の登場人物にはそれぞれ役割が与えられていると思う。物語である以上、役割があるのだろうが彼の物語ではより明確にその線引きがなされているように思う。
それぞれの役割を最大限にこなそうとする登場人物に私は好感を覚える。 -
シリーズが続くにつれ面白くなってきた。
作家ならではの目線で物語としての整合性から事件の真相を読むというアイデアはなかなかいいな。 -
大阪芸術大学のイベントで購入。
物語を書くことと、生きることは似ている。 -
地縛霊のため、海岸から移動する事ができないはずのノゾミが、ユキの元に現れ、離れることができなくなるプロローグから始まります。里見青という小説家から洋館の中にあるはずの姉の最後に描いた絵を探す依頼を受け、洋館に向かった3人とノゾミ。着いた途端に受けた霊からの警告や様々な怪奇現象。里見の姉や祖母の霊。それらは里見が失っていた過去の記憶に繋がっていく…とても複雑でかなり悩みながら読みました。今回はとても切ない話でした。
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「些細で事務的な依頼」
探して欲しいものは。
偏見で探す場所が偏ってしまう可能性は少なからずあるだろうが、そこまでして見つけたいのは何故なのか。
「ゴーストフィクション」
作品と関係あるのか。
探し物をするだけでも大変だというのに、情報には嘘が紛れているなんて言われたらお手上げ状態だろうな。
「言葉の成り立ち」
物語の間違った部分。
皆がストーリーに忠実に言葉を選んでいたとはいえ、記憶を改竄できるほどの幻を作るなんて凄すぎないか。 -
正しい物語は、正しい重みを持っている。(229ページ)
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謎解き要素が弱い
起伏が無いように感じた
編集者佐々波であることが印象付けられた
作者への質問、主人公は誰?
あぁ、雨坂の活躍は少なかったね