ダスト (上) (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015469

作品紹介・あらすじ

一度出たら生きて帰れないといわれる外界からサイロ18に帰還し、市長となったジュリエット。発見した他のサイロをすくうため、トンネルの掘削を始めたが、反発は強く、サイロは再び危機に見舞われる−−。

感想・レビュー・書評

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  • 場所も時代も飛び飛びで読みにくく閉塞感しかなかったSHIFTを乗り越え、サイロ18がメインの話に戻って俄然読みやすくなった。
    ドナルドとルーカスは気が合うんだろな。ドナルドには魅力を感じないけど、ルーカスはだいぶしっかりしてきて好感度アップ。
    サイロ全体が一触即発状態ながら、着々と計画を進めるジュリエットならなんとか切り抜けてくれるはず…とワクワクしながら読み進めていたら、最後の最後でドーンと落とされて涙目。
    サイロ1がミステリっぽい流れになってたのは面白かった。

  • 上下一括感想
    下巻にて

    サラ・コナーの様なジュリエット!

    怒涛の展開!
    古典的なすれ違いドラマは、
    やっぱり息つく暇がないほど・・・。
    さあ、最終巻だ!

  • 前作「シフト」に続く最終章の始まり。
    ジュリエットが再登場して、おもしろくなってきた。「シフト」は正直ダレたけど、緊迫感も少し復活。
    しかし明るい未来は見えてこないな。これがディストピア小説か。

  • アメリカの作家「ヒュー・ハウイー」の長篇SF作品『ダスト(原題:Dust)』を読みました。

    2年前に読んだ『ウール』、先月に読んだ『シフト』続篇となる作品です。

    -----story-------------
    バランス感覚、背筋のピンと伸びた清々しい登場人物たち、ページをめくらせる抜群のエピソード、やっぱりどうしたって面白いのだ。
    ――「池澤春菜」(本書解説より)

    〈上〉
    滅亡後の世界、サイロ三部作の圧倒的完結編!

    一度出たら生きて帰れないといわれる外界から帰還し、サイロ18の市長となった「ジュリエット」。
    発見した別のサイロに取り残された人々を救うため、トンネルの掘削を始めるが、市民の反発は強く、司祭は掘削機を悪魔と言い放った。
    一方サイロ1では、「ドナルド」がそれぞれのサイロの命運を思い一人苦しんでいた。
    危機を「ドナルド」の仕業と思い込む「ジュリエット」。
    そしてトンネルが貫通した時、再びサイロ18に危機が訪れる――。

    〈下〉
    人類の生存と解放のための闘い。
    サイロ三部作、圧巻の完結編!
    孤独な闘いののちに浮かび上がってきた、地図の存在。
    希望か破滅か――。
    シリーズ三部作・圧巻のクライマックス!

    サイロ18は、シャットダウンされた。
    わずかな生存者と逃げ延びた「ジュリエット」だが、大勢の命が失われた。
    その頃、サイロ1では兄を捕われ、絶望的に孤独な闘いを強いられた「シャーロット」は他のサイロとの通信を試みていた。
    人類を滅亡寸前に追い込んだ男から身を守るために。
    一方、サイロ17を救出しようという試みは失敗し、「ジュリエット」は閉じ込められていた。
    通信する生存者二人が接触した時、ひとつの地図の存在が明らかになる。
    希望か、破滅か。
    「シャーロット」は世界を滅ぼした男の正体を明かすが。
    サイロ三部作、圧巻のクライマックス!
    -----------------------

    サイロシリーズ三部作の第三部にあたる作品… 三部合計で約1,900ページの大作も、いよいよクライマックスです。

     ■第一部 掘る
     ■第二部 外へ
     ■第三部 故郷
     ■著者あとがき
     ■謝辞
     ■解説 池澤春菜

    第一部『ウール』で見えてきた謎、第二部『シフト』で明かされた原因を経て、気になっていた

    「ドナルド」は生き残っているサイロを、人類を救うことができるのか?

    「ジュリエット」と恋人「ルーカス・カイル」の運命はどうなる?

    サイロ17号に残された「ソロ(ジミー)」たちはどうなる?

    等々の全ての謎が解決… 全てがハッピーなエンディングではありませんでしたが、明るい未来が予感できる幕切れは好みだったし、最後まで興味を持って愉しく読めましたね。


    サイロ17号とサイロ18号の物語と、サイロ1号の物語が、関連しながら交互に進展、、、

    サイロ18号では住民の反対にあいながら「ジュリエット」が、サイロ17号に残された「ソロ(ジミー)」たちを救うために、地下を掘削してサイロを繋げるトンネルを作ろうとする… さらにサイロの外の環境の調査を始め、サイロに近いエリアが空気も土壌も汚染されており、サイロから離れたエリアの方が汚染されていないことに気付く、

    その頃、サイロ1号では「ドナルド」と妹「シャーロット」が、サイロを救うための行動を始めており、「ドナルド」は「サーマン」に成りすまして権力を掌握するが… 殺害して強制冷凍したはずの「サーマン」が蘇えり、「ドナルド」は囚われの身になってしまい、「シャーロット」は独りで闘うことになる。

    サイロ18号とサイロ17号を繋げるトンネルは無事に掘削を終えるが… その直後、「サーマン」の指示により、サイロ18号はシャットダウンされてしまう、、、

    有毒ガスがサイロ18号に放出されたことを知った「ジュリエット」は、トンネルを使って一部の住民をサイロ17号に避難させるが… サイロ18号では、避難して追い詰められた住民による物資や食料の略奪が始まり、「ソロ(ジミー)」や子どもたちは危険に晒されてしまう。

    「ジュリエット」は、このままサイロ内に留まっていれば、破滅は免れないこと… サイロから離れれば、屋外は安全であることに気付く、、、

    「ジュリエット」は、仲間とともにサイロを離れることを決断し、集会を開き、住民に真実を語り、一緒にサイロを離れるように説得する。

    サイロ1号では、夜警の「ダーシー」の協力を得て「ドナルド」を救出… 「ドナルド」と「シャーロット」はサイロの外への脱出を図ろうとする、、、

    しかし、余命が短いことを知っていた「ドナルド」は、恋愛感情が芽生え始めていた「ダーシー」と「シャーロット」の二人を脱出させ、自身はサイロ1号に残り、サイロを破壊することを決意… 「ダーシー」と「シャーロット」は、二人で脱出を試みるが、ギリギリのところで警備に気付かれ、「ダーシー」は身を挺して「シャーロット」を脱出させる。

    サイロ18号を脱出した「ジュリエット」や「ソロ(ジミー)」たち… サイロ1号を脱出した「シャーロット」、、、

    彼等は同じ方向を目指し、そして、ある場所で出会う… 予想を裏切らない、どんでん返しのない終わり方でしたが、これはこれで良かったですね。

    独特の世界観が愉しめる印象的な作品… 面白く読めました。



    以下、主な登場人物です。

    「ジュリエット・ニコルズ」
     サイロ18の市長。機械部出身

    「ピーター・ニコルズ」
     ジュリエットの父親。産科医

    「ルーカス・カイル」
     IT部長。ジュリエットの恋人

    「シャーリー」
     ジュリエットの旧友

    「コートニー」
     ジュリエットの旧友

    「ピーター・ビリングス」
     保安官

    「ウェンデル師」
     司祭

    「ソロ(ジミー)」
     サイロ17号の住人

    「エリース」
     サイロ17号の生き残り

    「ドナルド・キーン」
     サイロ責任者。元下院議員

    「シャーロット・キーン」
     ドナルドの妹。空軍出身

    「トム・ヒギンズ」
     計画委員会会長

    「ポール・サーマン」
     世界秩序五十作戦の立案者。元上院議員

    「アナ・サーマン」
     ポール・サーマンの娘。故人

    「ブレヴァード」
     警備主任

    「ダーシー」
     ブレヴァードの部下。夜警

  • 再読。いよいよジュリエットとドナルドの時間軸が交わる。ジュリエットの実験結果で浮上する予想外の疑惑から巻末で起こる悪夢まで息もつかせぬ展開の連続で、大いにハラハラドキドキさせてくれる。

  • 核で汚染された地球。サイロの中で生き残った人々の人類復活に向けた生活。でも、サイロの中でも人は人。私欲と独裁。そして、サイロも滅び行くのか、人間も。

  • 市立図書館にて。

  • 3
    サイロ三部作の最終章。前回までにサイロの背景が明らかになってきて、その後のジュリエットやドナルド達を描いている。

  • 遂に完結。
    感想は下巻で!

  • 物語は終焉に向かっているのか?

    謎は解けずに固まったまま...

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著者プロフィール

1975年生まれ。ヨットの船長を8年間勤めた後、結婚を機に陸に上がって小説執筆を開始。”Molly Fyde”シリーズで好評を博し、本作”Wool”シリーズではオムニバス版がアマゾンのSF小説部門でベストセラー1位を記録する快挙となった。フロリダ在住。

「2017年 『サンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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