本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)
- KADOKAWA/角川書店 (2014年9月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041016497
感想・レビュー・書評
-
読書術に関しては目次を読む、読み飛ばすなどのことがよく描かれているが、この著者は最初の5ページを読んで読むか読まないかを判断し、読むと決めた際は速読せずに精読するという。人と向き合って会話をするように読書をする。本に対する心の持ち用、礼儀を学べた。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第1章は読書と教養の重要性について。毒のある本のほうが読み手の心に残り、人生を変えるよすがになる。第2章は時代を超えて読み継がれる古典について。古典を読み、著者が物事をどのようなプロセスで考えているか学ぶことで、思考力を鍛えられる。第3章は出口流の本の読み方。第4章は目的別のお勧め本の紹介。第5章は出口氏が過去に読んだ本の紹介。小学生時代から全集を読まれており、過去の読書量が比べ物にならないくらい多い。名著がたくさん紹介されていたので読みたくなった!
p23
より良い仕事、より良い生活を送るためには、教養が必要です。教養に触れ、インプットが多くなればなるほど、アウトプットの幅が広がり、発想が豊かになります。
p25
ストックしてある知識や情報の量が多ければ多いほど、思考や直感など脳の活動の精度は高くなります。
p30
私は、人間が生きる意味は「世界経営計画のサブシステム」を生きることだと考えています。すなわち、人間が生きていく以上、「この世界をどのようなものだと理解し、どこを変えたいと思い、自分はその中でどの部分を受け持つか」を常に考える必要があると思っているのです。
p40
毒があったほうが、読み手の心に深く残ります。心のどこかに引っ掛かって、私たちの人生を変える、よすがになります。
p40
香りのない花は、どんなに美しくても、印象が何も残りません。花には、独特の香りがあるからこそ、美しさが際立つのです。
本も同じで、毒が心地よく回って、「ああ、目からウロコが落ちた」「おもしろすぎて、誰かに話したくてしかたがない」と思える本が、私にとってのいい本なのです。
p46
ギリシャ・ローマ時代からルネサンス期にかけて、「人を自由にする学問」とみなされていた科目があります。文法学、修辞学、論理学(言語に関わる3学)、算術、幾何、天文、音楽(数学に関わる4科)の7科目です。
この7科目は「自由七科」、あるいは「リベラルアーツ」と呼ばれています。奴隷でない自由人として生きていくために必要な教養とされていたのです。
p70
けれど、ひとりひとりが「これは、本当なのか」と問いかけ、自分の頭で考えて、選び、自分の暮らしを大切にしていかなければ、良い生活を送ることも、良い仕事をすることも、叶わない。そのための判断材料として必要な教養を蓄えておくべきなのです。
p95
木田元さん(哲学者)がよく言われているように「きちんと書かれたテキスト(古典)を1字1句丁寧に読み込んで、著者の思考のプロセスを追体験することによってしか人間の思考力は鍛えられない」のです。
p102
岩波書店の『書物誕生』シリーズ(全30巻)などから始めることもできます。
『書物誕生』は、学問の最前線で活躍する気鋭の学者が東西の代表的な古典を取り上げ、その古典が生まれた時代背景や、古典の持つ歴史的な深みと広がりについて言及するシリーズです。
主として将来を嘱望された若手が書いている
p105
人間は、星の欠片でできています。人体を構成する元素は、もともとは宇宙にあったものです。だから私は、天文学(宇宙論)に興味があります。
p138
ビジネス書を読んで、その内容を受け売りするよりも、小説や歴史書から、人間はどんな動物でどんな知恵を持っているのか、社会はどんな構成要素で成り立っているのか、人はどんな場面でどのように行動するのかなどを学んだほうが、はるかに有益です。
p145
本の中で語られている主張には、必ず根拠があります。そして、その根拠は数字やファクトに還元することができるはずです。根拠(根拠やファクト)をベースに自ら検証して判断すれば、少なくとも本の主張を鵜呑みにすることはなくなります。
p152
本は、おもしろそうに思える本を素直読んでいけばいい。将来的に、役に立つかもしれないし、役に立たないかもしれない。それはどちらでもいい、と思います。
自分の興味がある本を、ひたすら読む。あるいは、人から薦められた本を食わず嫌いをしないで読んでみるのもいい。
功利的に本を読んでも、だいたいはうまくいかない気がします。世の中にそんなにすぐに役に立つおいしい話はありません。好きな本を読んで、じっくりと体に毒が回ってくるのを待てばいいと思います。 -
一万冊を読んだと豪語(そう偉そうにはしていませんが)している、まさに本の中毒者出口治明氏による著者。
題名は、本の「使い方」としているが、個人的には、著者の読書に対する真摯さと、本というのが好きで好きで、面白くて、それを皆さんに知ってもらいたいという読書への愛を感じる一冊であった。
それにしてもこれほど多種多様に読書をする人は、(例えば成毛眞氏とかになるのであろうが)共通するものが見えてくる。
それは、ある程度形は違うのであろうが、
圧倒的な読書量
インプットとアウトプットをしている
最後まで読み切らない(読まない選択をする)
(出口治明氏はそう書かれてないが、想像する
に)同時に何冊も読んでいる
仕事以外の本を読んでいる
などであろう。
少しでもその知識、教養量に学び、より読書ができるようになりたいものである。
-
以前は速読を自慢していたのだけど、作者が語っているように、内容を骨肉に出来なければ読書には価値がないと最近わかった。
読書家が読者について語る本は退屈という印象があったけど、本書は「これを読め」というリコメンドではなく、人が本というメディアと向かい合う姿勢が描かれている。
最近の自分を振り返ると、読書の傾向に偏りがあり、やはり自分の分野を限定すべきてはないな、とわかった。時代を超えて生き残っている古典こそ、読む価値がある、とはショーペンハウアーも読書論で語っている。
古典を読んでみよう。 -
本がなくても死ぬことはありません。でも、本がなかったら、人生を楽しむことはできないでしょう。
「ネクタイを締め、正座をするぐらいの気持ちで本を読む」のが出口さんの本に対する姿勢なのだそう。この本を寝転がって読んでいた私は、ちゃんと座り直しましたね…
意外な事に線を引いたり付箋を貼ったりしないらしい。一文一文、一字一句丁寧にに読み込み飛ばし読みもしない。それでもこの読書量。当たり前だけど、レベルが違う。
アウトプットも、もちろん大事。「なぜこの本を面白いと思ったのか」を言語化すると、頭の中に本の内容を取り入れる事が出来るというので、少なくても「ブクログ」は役に立っているのかもしれない。
でも古典を読むのは、やっぱりハードルが高い。
25 -
出口氏の本の読み方、めっちゃ真剣に読んでてすごいなと思った
5ページ読んでつまらなかったら切るというのは、とりあえず読む派の自分には合わないなと思った。
自分が本をどう読んでいるかを考えるきっかけになった -
本書に紹介されているウィンストン・チャーチルの言葉。
『選挙とは、必ずしも信用のおけない候補者たちの中から、相対的に良さそうな人を選ぶ「忍耐」のことである』
不毛な年末選挙を前に、ストンと落ちる名言だった。
著者:ライフネット生命社長
ツイッター:@P_hal -
①人の話を聞くように読む。
②何百年も残った古典は無条件に正しい。
③考えるとは、言語化すること。
④読みたいジャンル、好きなジャンルでよい。
⑤本に即効性を求めない。
⑥読書=残存率(何%でもよい)
⑦本を読む -
タイトル通りに「本の使い方」を知りたく、特に本を使用した勉強法を参考にしたかった。今私がやっている方法と似通っていたので、背中を押されたようで嬉しかった。