- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041030028
感想・レビュー・書評
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やはり志賀直哉の小説には人を惹きつける力があると、この作品を読んで改めて感じた。この作品のハイライトは一番目の子どもが亡くなる場面と、父親との和解が行われる場面であると思うが、その光景は自分の目の前で展開されているかのような臨場感がある。またこの父子の和解が「暗夜行路」の構想に変化を与えたということもあとがきから知った。その「暗夜行路」をいつか読みたいと思う。2008-2-14
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そのまんま、志賀本人と父の、冷戦からデタントに至るお話。「完全に自分のためじゃん」という本ですが。タンタンと描かれる二人の関係。。。これを書くことで、ひとつの区切りをつけたかったんだろうなぁもしそれができたならよかったねって思った。この人の表現はこねくりまわさずに、素直な文章ってかんじがしていやされます
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主人公とその父親との和解までの道のりを描いた作品。古き時代の威厳ある父との対立に、冷戦のように張りつめた空気を彼らの家族同様ひしひしと感じ取る事が出来る。周りは気を遣いながら、何とか和解を望む。けれど主人公はそれに苛立ち、自らの子が亡くなった時も、子を和解に利用しようとしたと周囲の人間に怒りすら覚える。古き時代を反映した情景だが、主人公が妻の出産に立ち会い、涙する姿は今なお感動出来る。命を通して見直していく家族、そして親子の関係。相手を理解して初めて和解は成立する。和解への道のりは、単純ではない。けれど、そこへ辿りついた時彼らはもう多くの言葉を掛け合う必要は無かった。
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だいぶ前に読んだので内容はあまり覚えてないけど、父と息子のモジモジした関係性が好きだったなぁ。
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「暗夜行路」を読みたい。