死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.49
  • (201)
  • (93)
  • (27)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 1362
感想 : 133
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041036211

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 震災時、仙台在住だったが恥ずかしながら本書に書かれた内容は知らなかった。原発賛否の意見はあるとは思うが、命がけで行った原発との闘いは日本人なら知っておくべき内容であると思う。

  • 福島出身だから他人事ではない、と思い購入。
    正直、東電には良いイメージはなかったけど、それは経営層や体質への不信感だったのかな、と。

    当時は理解できていなかったけど、想像以上に原発は危険な状態で、命懸けで対応した吉田所長はじめとする運転員のおかけで、日本が救われたという事実を知れて良かった。

    あと、現場担当者、吉田所長、当時の菅総理のやりとり等の細かい描写もあり取材力に驚き。

    映画も観ます。

  • 著者は何度も繰り返し丹念に取材を重ねたのだろう。
    生々しい描写が伝わってくる。
    一歩間違えれば我々の住む世界は変わっていたかも。吉田所長を始めとする現場の職員達の奮闘に拍手を送りたい。
    それにしても、悪戦苦闘する現場と頓珍漢な政治家・本社との乖離はいつの時代でも変わらないのだろうか。
    今回のコロナ対策でも同様の事が言えると思う。

  • とても読みやすいです。
    本当に感動しました。
    1人でも多くの人に読んでいただきたいです。

  • インフラに携わっている技術者なら読んで感動すること間違いなし。同じ立場に立ったら、自分なら?と何度も考えた。巻末に朝日新聞の粗末な批判についての記事があった。新聞だからといって、無条件に信頼することの怖さを知った。

  • 映画「Fukushima50」の原作にもなった。原発賛成か反対かを問わず全ての日本人に読んでもらいたい、感動の事実。ノンフィクションの傑作。

    東日本大震災による福島第一原発の全電源喪失という想定外の事態。原子炉の暴走、放射線量が増加すれば東日本には人が住むことが出来なくなるような危険な状態。

    被害を食い止めるために現場で戦った東京電力の職員たちの実話。本店であったり原子力安全委員、時の民主党政権など、そちらの行動とは関係なく使命感から現場に残り活動を続けた職員たち。

    本書の中心は所長の吉田昌郎。彼は2013年7月9日58歳にして食道癌、脳出血による闘病の末亡くなっている。

    夫人の言葉「あの時に福島にいたっていうのは、なぜ1億3千万人の中からパパが選ばれたのか。若い頃から運命を受け入れることをずっと言い続けた人だったので、こういことがやっぱり決められていたんじゃないかと思うんです。」

    吉田が所長であったから日本は救われたと言っても過言ではないように思う。

    吉田ほか死の恐怖より使命感が打ち克った人たち。本書は貴重な記録だと思う。

    それにしても時の総理大臣はイラ〇の愛称の通り現地に急に来て怒鳴り散らして掻き回すばかり、その後の心ない発言も含め、映画ではきっと悪役になるだろう。

  • 本書を、元・民主党内閣の面々に読ませたい。
    特に!!
    「第9章:われを忘れた官邸」を。

    本書を元に製作されたという、映画も、観せてやりたい。
    特に!
    「第9章:われを忘れた官邸」に基づく部分を。

    その他、一冊通して多くの日本国民に読んで(観て)もらいたい。(なぜ、自分は今までこれを読まなかったのか?と自分で自分に憤る 、)







    「Fukushima50」
    まさに"あの時"…おそらく3月16日とか17日とかの頃かしら。2度の爆発に見舞われた第一原発に残って闘う男たちを海外メディアがそう呼んで称えている…という話を見聞きしたのは。

    あれから9年。
    あの未曾有の大災害・大事故、はあまりにも風化してしまった。世間一般での扱いはもとより、自分自身にとってさえも。自身が福島県出身で、毎年3~4回ずつは帰省する程に故郷を愛していてさえも。
    時の流れの無情さを感じていたところで

    映画「フクシマ・フィフティ」の宣伝を何かで目にし、これは観ねば❗️と思っていた矢先に見つけたのが、本書だった。当然、即レジへと持っていった。


    男達の壮絶な闘いの軌跡をこうして本という形に残してくれた筆者に感謝。

    ★5つ、10ポイント。
    2020.01.14.新。

  • わずか1日半で読み終えてしまいました。 震災後の原発で、最悪の状況が起きないよう努力していた方々がいたという事が良くわかりました。 廃炉へ向けた今後の動きもわかりませんが、東日本汚染という最悪の事態だけは避けられたのは、現場の方々のおかげです。事故対応について更に知るには、「全電源喪失の記憶: 証言・福島第1原発 日本の命運を賭けた5日間」(共同通信社原発取材班高橋秀樹編著)も併せて読むこともおすすめします。
    他の事故関連書籍を読んで比較すると、この本も映画もですが少し美談にしてる感があります。

  • ありがちなフレーズだけど、この人たちの戦いの日々は、知っておかなきゃいけないことだと思う。忘れちゃダメなんだ、俺は。

  • あの時、どんな人たちが危機に立ち向かっていたのか。それを知りたくて読み始め、読み終わってもいない中で、土地勘が知りたくて、事前に地図の確認も計画もせず、お盆休みを利用して日帰りで震災後8年も経過して恥ずかしながら初めて被災地を訪ねました。

    この本と共に現地で感じたのは、安全神話などないこと、経済的に恵まれた状況や自然、科学を過信しないこと、常に謙虚に対策を検討することの大切さ、危機に直面した時の人の振る舞い、などなどたくさんのこと。

    今でも帰宅困難地域の家の門は柵で立入を禁止されていることがわかります。これを目にした瞬間、ここで育った人々の同じ場所で同じように振り返ることが許されない思い出、そこに住む人々の何気ない日常を奪うことになってしまった事実がバァーッと胸に迫り、グッと苦しくなりました。

    対応にあたられた、今もなお対応される方々に感謝の気持ちを持つようになりました。

    今では科学的に安全であることが証明されている農産物、とても美味しいのに、ありもしない因縁をつけてくる、ごく一部の隣国や左がかった風評被害などに負けず作り続けて頂きたい、福島を応援したい!と思いました。

    この事実を一冊の本に書き上げてくださった門田隆将さんに感謝とこれからも応援していきたい気持ちでいっぱいです。

全133件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

作家、ジャーナリスト。1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒業後、新潮社入社。『週刊新潮』編集部記者、デスク、次長、副部長を経て2008年独立。『この命、義に捧ぐ─台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、後に角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。主な著書に『死の淵を見た男─吉田昌郎と福島第一原発』(角川文庫)、『日本、遥かなり─エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」』(PHP研究所)、『なぜ君は絶望と闘えたのか─本村洋の3300日』(新潮文庫)、『甲子園への遺言』(講談社文庫)、『汝、ふたつの故国に殉ず』(KADOKAWA)、『疫病2020』『新聞という病』(ともに産経新聞出版)、『新・階級闘争論』(ワック)など。

「2022年 『“安倍後”を襲う日本という病 マスコミと警察の劣化、極まれり!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

門田隆将の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×