- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041055083
作品紹介・あらすじ
謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサル。遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故甦ったのか。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り……!?
感想・レビュー・書評
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この作品はコロナ禍以前に書かれている作品だろうが、今の世の中に妙にリンクしていて、興味深く読み進められる。
物語は2巻に入り、ホッサル、ヴァンの双方から交互に描かれる。
物語にのめり込んでいると別視点になり、頭を切り替えてまたそれぞれの物語へ。。。
頭の弱い私には、あれ?さっきどうなったんだったかなぁ?と何度か読み直したり(-。-;
人物名が太郎や花子なら覚えやすいのだが、カタカナだと、これってどういう人物だったかなぁ?と。。。
それにしても、面白いからサクサク進む。
直ぐに3巻へ。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ムムム…壮大な世界で旅をしている気分である。
巻頭の地図のフィールドは狭いのに(*_*)
ここにきて読むスピードも上がってきました♪
サエとヴァンが出会い、ユナ誘拐?
ホッサル&マコウカンが‼︎
またとんでもなく気になるとこで3巻への旅は続きますε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
全巻揃えてからでよかった笑笑-
2022/09/22
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2022/09/22
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1巻に続き、ダレることなく楽しく読めた。
この世界の力関係なども良くわかってくることで、登場人物の魅力がより一層引き立つ。
シンプルで簡潔な言葉で、テンポ良く話が進んでいくのも、読者としてありがたい。かと言って、言葉が足りないとも感じないのが、著者の技量の高さを物語っている。
また、生活風景などが見事に表現されていて、小説ならではの、想像の情景が頭に広がるのは何とも気持ちがいい。これぞ読書の醍醐味である。
まだまだ先が読めない展開が続く。
ヴァン、ユナ、サヤ、ホッサル、マコウカン。
彼らの歩む道がどこで交差してくるのか。
ワクワクしながら続きを読むことにする。
以下ネタバレあり。
危険な病に立ち向かう医師たち。同じ未来を見ているはずだが、価値観に違いがあった。人の技術、知恵の進化を両者の価値観に当てて見ると、割り切れない感情が湧く。
ヴァンとユナが向かった先に現れる狼と犬の混血種らしき獣たち。その騒ぎの中、ユナの姿が消える。連れ去られたことを悟り、ヴァンは雪の山道を走る。
そこに現れたのが、サヤ。
かつてヴァンを追跡することを任された追手である。
二人はユナを追うことを優先し行動を共にする。
サヤは目的を果たすのだろうか。謎である。
どうやら、ホッサルの義兄が怪しい?
マコウカンの故郷に向かう途中に襲われ、ホッサルとマコウカンは囚われる。そこにいたのはマコウカンの姉。
マコウカンの過去にはまだまだ謎がありそう。
読了。3巻へ。 -
ついに物語が動き出した!
1巻と違い、スピード感がある展開にドキドキする。
ヴァン達には穏やかに暮らしていて欲しいのに、そうは言ってられない状況に。
病気のことも分かってきた。
だけど原因と治療法、どちらの情報もまだまだ足りない。
病気の脅威に陰謀も絡まり始めて、ますます展開が不透明。
あっちも心配だし、こっちも不穏な気配が…
続きがとっても気になる! -
2巻。
ついに黒狼病との戦いが始まる。そして、その特性も徐々に明らかに。
オキの民と穏やかに暮らしているヴァンとユナにも裏返りという変化が現れる。
そして徐々にオタワルやリムエッルの恐ろしさも現れ・・・
しかし、治療のシーンのリムエッルの言葉
「あきらめて治療を拒んだものがいることで、他の人々に病を広げてしまう可能性があるのだからな」というのは、当たり前なんだけど、今言われるとかなりの真意。
3巻へ。 -
面白い!
またまた、こんな箇所で終わってしまいすぐに3巻へ。
壮大なファンタジーの世界なのに、懐かしい気持ちになるから不思議。
2人の主人公、戦闘集団《独角》の生き残りヴァンと、天才医術師ホッサルはまだ出会ってない。
この巻は、命のあり方の多様な考え方が特筆されていた。医学的、宗教的、民族の思想など。「私共が救いたいと願っておりますのは命ではなく魂でござりまする」自分らしく最後まで生きたいことに繋がる思想が印象的。 -
死についての多様な価値観を提示する。黒狼熱に恐怖する世情が現在のコロナ禍と同化する。
壮大過ぎて捉えきれていない部分はあるものの、ヴァンサイド、ホッサルサイドを行き来しながら徐々に核心に迫っていく展開はハラハラドキドキです。いざ、第3巻へ参ろう。 -
2巻では、
ヴァンとユナがトマたちと静かで穏やかな生活を始め、
ホッサルは黒狼熱と相対する。
いろんな人の思惑が交差して、
一言では言えないけれど、
とにかくヴァンとユナに幸せになってほしい。
一気に読み終わり、3巻購入です。 -
鷹狩りの席に黒狼たちが乱入。
次々と噛まれたり引っ掻かれたりとしたものが、その後、病を発症し死んでいく。
その中で、アカファ人だけは病への抵抗をみせる。
その差が一体なんなのか、黒狼病とはなんなのか、ホッサルは立ち向かっていく。
一方、ヴァンはユナと名付けた女の子と一緒に、途中で助けたトマの家で暮らしていた。
飛鹿の面倒や指南をしながらも、黒狼病の噂を耳にし、また自分自身が変容している感覚にも襲われた時、
谺主からの使者がやってきて、ユナと二人で会いにいくことになった。
コロナ禍を過ごした日々を彷彿とさせる描写の数々。
なんだこれは、コロナじゃないか、となんど思ったことか。
もちろん、人から人に感染しないという点では異なるが、
根本的な対策がなく、ワクチンを…という既視感。
神に背く行いをしたことによる因果応報の病気、ウイルスなどによる病気、と
宗教に則って考える医療集団と、ホッサルのように科学によって理論的に行う集団が印象的だ。
現代社会では、科学的根拠をもとに医療を行っているわけだが、もしかしたら信じる宗教に付随した医療で精神的に救われるという患者もいるのでは?と思った。
謎は謎を呼ぶこの物語。続きが気になる。 -
鹿の王2ではそれぞれに歴史背景や文化、信仰するものがあることがよりわかる。
他の民族を侵略し開拓するということはこういうことなのかと
物語はどんどん奥行きを深くして繋がっていく。
わかりそうで、まだ何もわからない。
続きが気になるので会社を休みたいです 笑 -
逃亡奴隷となったヴァンと謎の伝染病を追う天才医師ホッサルの物語を交互に描く形で物語は進む。伝染病のくだりを書くに当たって綿密な調査をしたことが、文章からも分かる。丁寧な描写によりリアリティが増す一方、記述が少しまどろっこしいと感じるところもある。全体的には非常に良く描けている作品。
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人は、自分が思いたいように出来事をこじつけるものだ。
故郷でも、病が流行るたびに様々な噂が流れた。
咳が長く続く病が流行ったときは、神が宿っておられる木の根に唾を吐いた者がいるのだと囁かれ、腹下しをする者が次々に現れたときには、川を穢した者がいるのだと、川清めの儀式が行われたりした。
子どものころは、大人たちの言うことを信じていたが、いまは、そういう話を聞くたびに、怒りが胸に動く。
息子の明るい目が思い出され、無邪気な笑い声が耳の底で聞こえた。
(あの子には‥‥)
病に罹らねばならぬ、なんの理由もなかった。
呪いを受けるべき者が、この世にいるとするなら、それは、神々のご意思を、自分の思いたいように語る輩だろう。
だが、そのような人々でさえ、いや、もっと凄まじく残酷な罪深い人々でさえ、天寿を全うして幸せに逝くこともある。
生と死は、人の思惑の中で語れるようなものではない。(133p)
直感で物事を考えるヴァンは、このように、生と死と、医療と信仰と、生活と政治のことを考えていた。
静かに、大きなテーマが立ち上がりつつある。 -
感染症をテーマにした壮大なファンタジー
以下、2巻の公式あらすじ
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2015年本屋大賞受賞! 命を紡ぐ綿密な医療サスペンス!
謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサル。遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故甦ったのか。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り……!?
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大国や属国の関係や、その地に住まう各民族など、明確には描写されない背景も含めて設定がしっかりしてる
感染症で都を捨てた国オタワル
国としてはアカファ王に移譲した形になったが、医療の技術や情報網を武器に、大国の中でもなお生き続ける強かさ
現実でも、一部の知識階級が侵略後の国でも重用される例はいくつもあるからなぁ
全部の感想は最終巻を読んでから
解説の夏川草介が、医療の哲学的には呂邦寄りというのが意外でありつつも納得した
確かにこの方は、神様のカルテや他の作品でも患者の終末期に気を配る医師を描くからなぁ
患者がいかに安心して逝く事ができるかというのは、決して治療の放棄ではないですからね -
1巻最後から面白さが加速!!主人公2人どちらの話も盛り上がって読む手が止まらなかった。
沢山の登場人物を繋いで物語の核心へと迫っていて、とてもワクワクさせてくれる。
2巻も引きがうますぎる終わり方…!3巻読む…! -
病により全滅した岩塩鉱を訪れた天才医術師ホッサルは、症状から伝説の疫病「黒狼熱」であることに気づく。この病は征服国である東乎瑠帝国の民に致命的であるにも関わらず、先住民であるアカファの民には罹らない。この事実により、黒狼熱は次第に神による東乎瑠帝国への天罰だという噂が流れ始める。黒狼熱に対する治療法を探し求めるホッサルは、黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人の存在を知り、調査を始める。
疫病、信仰、国家を交えた壮大なファンタジー小説。 251P「病には情はない。善悪も関係ない。だからこそ恐ろしいのだ。」 -
早く続きが読みたい!ファンタジーという括りに収まらない魅力を持った作品
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1巻の登場人物が少しずつつながってきた。
黒狼病についてはまだ分からないことが多いが、ぼやけていた輪郭が見えてきてわくわくする。2巻の終わり方も、え!どうなっちゃうの!と早く続きが読みたくなる。
解説の夏川草介さんも仰っていたように、ファンタジーの世界観なのに、現実的な医療の話題が違和感なく織り込まれているのには、感服せざるを得ない。 -
一巻の物語だけでは、理解出来なかった東乎瑠、アカファ、オタワルの微妙な関係と各氏族それぞれの習慣や想いが紐解かれていく。
出どころ不明な病「黒狼熱」は、致死率が異常に高いがある特徴が明らかになっていく。新型コロナウイルスの恐怖と隣合わせ(2020年)の今読んでいるからこそ、目に見えない伝染病の脅威がリアルに感じられた。当巻の後半は、ヴァンの物語にも大きな動きがあり、ホッサルとマコウカンの物語でも新たな事実が明かされていく。そして一巻同様に、え!どうなっちゃんだろう‼︎と非常に気になるシーンで、「つづく」になるので全巻大人買いしておいて本当に良かったです。すぐに三巻を読み始めました。