明日 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041062586

作品紹介・あらすじ

城南小学校の二年二組では今日も男の子が暴れていた。その頃、青年は新しい職場で再起を期していたが……。発達障害の2人と周囲が抱く葛藤、そして彼らの成長を描いた“私たちの明日を変える"温かな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    ○問題は、そうしたことが社会生活にどれだけ影響を与えているか、ということです。・・障害は環境との相互作用の中で起こります。p71
    ☆本文の中に、今の生活環境だと、自閉症スペクトラム症のような人たちが目立ってしまう、というような文面もあった。
    なんというか、そういうことなんだよね。昔みたいに、寺子屋で、大人数で、家庭でも大人数で、子だくさんで、やっていることは畑仕事で・・みたいな環境なら、こだわりは逆に職人気質として尊敬のまなざしにだってなったのかも。

    ○君はまだ小さいから習っていないかもしれないけれど、明日を漢字で書くと、『明るい日』となります。・・明日を今日よりも明るくと良い日にしたいなら、今日とは違ったやり方に変えなければなりません。同じではダメなんですよ。p186
    ☆やり方を変えなければならない。私も。正しい知識。

    ○まず、彼を頭ごなしに叱らないこと。本人が興奮したときに何を言ってもダメだから、落ち着いたときに話すようにする。もちろん、言葉でのやりとりは不得意だから、文字や絵、図を描いた方が伝わるけれど、頭ごなしに叱らない、これが一つ目の約束。・・もう一つは、とにかく彼の様子を観察すること。・・どの子でもそうなんだけど、その子に最適な支援をしたいと思ったら、様子をじっくりと観察して記録しなきゃいけない。それをお父さんとお母さんにお願いしたいんだ。p233
    ☆やはり観察。原因→行動→結果。ABC行動分析。日々に追われていると、忘れがちになって、この問題行動はどうすればやめられるんだあ、みたいな思考に陥ってしまいがちだが、それじゃだめ。分析すること。

    ○私たちの目標は翔太さんを自立させること。一人で全てをやれる、ということじゃなくて、必要に応じて人と関わり、ピンチの時には助けを求めることができて、納税者になって社会を支えることだよp268
    ☆そうそう。これが目標。
    この本は本当によくできていると思う。

    ○豊かな森学園の授業は3種類に分かれるのだそうだ。p273
    ☆①個人での学習・・ここで、苦手なところを中心に学習する。
    ②集団での授業・・通常学級に帰っていくための練習。
    ③コミュニケーションの授業
    これ理想なのかも。これから、パソコンが一人一台になって、個人的な学習がどんどん進められるようになったら、集団での学びはもっと違うものになるのかも。それ楽しそうだなあ。

  • 教育関係者、保護者、いやもはや全ての人に読んでほしい。

    あなたが悪いんじゃない。やり方が悪いだけ。

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著者プロフィール

1964年生まれ。静岡県浜松市出身。大阪大学大学院(博士課程)修了。2010年、『ボクら星屑のダンス』で第30回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞を受賞。他著作に『明日』がある。

「2018年 『学校ジャック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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