- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041068052
感想・レビュー・書評
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「死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除する」。それが『dele.LIFE』の仕事だ。淡々と依頼をこなす圭司に対し、新入りの祐太郎はどこか疑問を感じていた。詐欺の証拠、謎の写真、隠し金…。依頼人の秘密のデータを覗いてしまった2人は、思わぬ真相や事件に直面してゆく。死にゆく者が依頼に込めた想い。遺された者の胸に残る記憶。生と死、記録と記憶をめぐる、心震わすミステリ。
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ありがちなミステリーって感じ。
展開が予想できてあんまり面白くなかった -
久しぶりに読んだ本多孝好さんの本。
これも面白かったです。
「dele.LIFE」の仕事も確かに今の時代にはありそうだし(実際にあるのかな?)、フィクションなんだけど、ノンフィクションの様な。
個人的には、「ドールズ・ドリーム」に一番にグッと来ました。
ストーリの展開も素晴らしいと思いましたし。
優しい嘘。相手を思いやる嘘。
やはり、大切な人への思い・想いというものは人の心をじんわりと温かくしてくれます。そして、こういう茶目っ気っていいものですよね。
本多孝好さん、スゴイ!!
いい小説をありがとうございました♪ -
死後、誰にも見られたくないデータを依頼人に代わってデバイスから削除する。
ただのデータのはずが、そこに込められた想いの尊さに涙腺が緩んでしまう。
死んでから判明する真実はただ切なくて、隠しておきたい理由も様々で、その秘密を探ることで依頼人の人生を追いかけているみたいだった。
続編も読もう。 -
ドラマを見ていなくて小説で初めて作品を見ました。
「依頼者の死後にデジタルデバイスから指定された情報を消去する」という設定が、一般的によくある「故人ことを忘れない」というのとは逆ベクトルであるのが興味を引いて読んでみようと思いました。
仕事を淡々とこなす上司の圭司、それに対し淡々と情報を消すことに疑問を感じている新入りの祐太郎(主人公)が時にぶつかりながら、お互いの考えに少しずつふれあい、依頼を解決していく姿がもどかしくも清々しい印象です。
「依頼者の死亡が確認されたら指定された情報を中身を確認せずに消去する」という設定は、依頼者の立場で見ればありがたいものですが、遺された関係者や社会との関係では矛盾を生む可能性が大いにあります(重大な秘密を抹消したり、家族が知りたかった依頼者の思いが消されるなど)
情報を消してもらうこと、情報を知ろうとすることそれぞれに正義(思惑とも言える)があり、第3者がそのどちらが正しいのか判断するのはまず不可能ですし、「そんな状況に置かれたら自分はどうするだろう?」と読みながら圭司と祐太郎に自分を投影させて考えてしまいました。 -
本多さんの作品初読みです。
デジタルな情報って、自分がこの世からいなくなった後どうなるかって考える。
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本多さんは今作か初めましてだったけれど、映像が浮かんでくる文章でスラスラ読めた!
感情移入しやすい主人公と仕事と割り切れる相棒の対比がいい。どのお話も優しさが滲んでいて、希望のもてる終わり方だったからよかった。 -
死んだら削除されたか確認しようがないんじゃ…とか色々疑問はありましたが(/o\)面白かったです。個人的には、削除することで子どもに希望を与える「ドールズ・ドリーム」がよかったです。
テクノロジーの進化で、幸か不幸か人間は、データを永遠に残すことができるようになりました。
物語のラストで主人公は、人間らしい、ある願いを社長に言います。社長の応えも暖かくて、人間もまだまだ捨てたもんじゃないな、と思いました。
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本多孝好のdele(ディーリー)を読みました。
主人公の真柴祐太朗は dele.LIFE というサイトを運営している坂上圭司に雇われています。
dele.LIFE は依頼人の死後(具体的にはパソコンやスマフォが一定時間以上操作されないとき)指定されたフォルダの内容を削除するという依頼を受けています。
祐太朗の仕事は圭司の代理として依頼人が死亡したことを確認する仕事です。
祐太朗が依頼人のところに行って依頼人の家族と話をしていくと、いろいろな事情が見えてきます。
収録されている5つの短編の中では、ドールズ・ドリームという短編が気に入りました。
幼い娘を残して死んでしまうことが分かった母親が dele.LIFE に依頼したこととは...