- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041078563
作品紹介・あらすじ
都内で起こった偽装自殺殺人事件。被害者は不可解なメッセージを体に刻み息絶えていた。やがて妖人の宗教団体「麒麟の光」が捜査線上に浮かび、休暇で沖縄に滞在していた妖人茶道家の伊織も協力を頼まれ…。
感想・レビュー・書評
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『妖奇庵夜話』シリーズ7作目。
5作目あたりから、内容やテーマに重みが出てきた感じがする。
洗足伊織の心の声は、作者の思考そのものなのかもしれない。親と子の関係性がテーマになることも多いように思う。
そして、その親と子、は自作の布石でもある。
本当の悪は誰なのか。忌むべきものは誰なのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
妖怪のDNAを持つ者を妖人として認めている世界の7冊目
妖人差別発言をしていた男の死体が見つかる
体には刃物で刻み込まれた文字が
人の弱い所に付け入る方法を淡々とと述べられるのはじわりと怖い
伊織と青目の互いへの感情も複雑で興味深い -
妖奇庵夜話シリーズ、第7作!
「たすけると守るのは、にているけどちがう。」
(124ページ)
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妖人団体に対して差別発言を繰り返していた人物が、複数殺害された。
その身体には、ある奇妙なメッセージが…
その人物の一人が攻撃的なメッセージを送っていたのは「麒麟の光」と名乗る宗教団体。
その中心には「麒麟」と呼ばれ、信者から崇拝されている17歳の美少女の姿が…
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毎回、重いテーマをつきつけてくるこの妖奇庵夜話シリーズですが、今回のテーマは「洗脳と愛」です(多分)。
そして「洗脳と愛」の“道具”は言葉。
いつもならば主人公・洗足伊織による愛ある毒舌が序盤から炸裂!!…のはずなのですが、前回までの事件で心に大ダメージを受けているため、めちゃめちゃ発言が弱々しい…
そして、発言の弱々しい伊織の姿を見ていると、なんだかこちはまで不安に…
そして前巻ラストでは、思いもよらない青目の過去を見たわけですが、そのせいもあってか今巻の青目は脅威というより、こちらも葛藤の真っ只中!という感じで、弱々しく見えました。
今回の事件の結末は、非常に後味が悪いです。
副題の「誰が麒麟を鳴かせるか」ですが、この「誰が」の部分がわかるラスト、、グサッと刺さります。
今回から登場した小鳩ひろむも、要チェックです。 -
ラストに出てきた「鵺」という存在。
青目もまた愛されたと信じ、洗脳されていったのだろうか。
くるみちゃんの凝り固まった心を開かせていく脇坂も良い。このまま二人がまとまるより、実は常盤とまとまって、脇坂が悔しがるって方が楽しそう(笑) -
今作を読む前に、芦花公園の「異端の祝祭」を読んでいたので、“洗脳”、“教祖”、
の繋がりが個人的に怖かった。
今回はどことなく、、、青目も洗脳され、犯罪を繰り返しているのかな、と好意的に考えてしまう話だった。
きっと洗脳はこの話みたいに、意図して行うと洗脳と、意図せずじわじわ侵食する洗脳もあるんだろうな、と思わされた。
新しい登場人物の小鳩ひろむも「可愛げがない」という洗脳を母親から無意識にかけられ、自分自身でも「自分は可愛げがない」と洗脳する。でも脇坂や伊織の言葉に溶かされ、洗脳が少しずつ溶けていく。
我々の日常でも、こういうことは気づかないだけでたくさんあるんだろうなぁ。
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クライマックスに近づいてきました。
青目と先足の父親と思われる犯人…鵺
父親の事は今まで語られた事はありませんでしたが
妖人なのか?ただの殺人鬼なのか?
青目の事は嫌いになれない私(u_u)
しかし鵺は完全なる悪ですな…
表紙は美少女…次は誰かしら(//∇//)
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コントロールされていたのは誰。
当時の記憶すら書き換えられてしまっていたら、本当に自身の思いでやったのか操られていたのかすら分からないだろうな。
アリバイが成立してしまったという事は、この一連の事件は一体誰が描いたストーリーなのだろう。
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脇坂さん、やっぱいいなぁ。小鳩さんもかわいいし。マメくんはちょびっとたくましくなったし。本編としてはどんどん不穏なかんじになっててつらい。
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このシリーズ、どの本をとっても習作だと思う
この飽きさせない内容だけでもスゴいと思うのに、さらにキャラ設定が最高❗
クライマックスに向けて走り出しているようだけど、できれば終わってほしくないのだけれど…