僕と彼女の嘘つきなアルバム (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 48
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041079560

作品紹介・あらすじ

可瀬理玖は自分の住む町に生きにくさ、息苦しさを感じ、〈ここではないどこか〉に行きたいと思っていた。

上京できれば大学はどこでもよかったのだが、せっかくならと大好きな写真家・渡引クロエが通っていた大学を選んだ。
クロエが立ち上げたという創作サークル「猫を探す人の会」に入り、クロエの人生を追体験することにする。

サークルは見つけたものの、廃部寸前の少人数サークルで活動はほぼゼロ……。
気を落としていると、写真を撮った相手と写真を通して会話ができるという不思議な力を持つ女の子・渡引真白と出会う。
理玖はクロエとそっくりな顔をした真白を見て驚く。なんと娘だったのだ。

真白がサークル「猫を探す人の会」に入ったのは、一度も会ったことのない父を探すためで、
その手がかりがサークル内にあると確信しているという。
理玖は真白の父親探しを手伝うことにしたが、そこにはとある事件が絡んでいて……。

青春恋愛キャンパスミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の絵からジュブナイル的な大学生たちの青春物語かなと勝手に想像していたら、とんでもなかった。
    思っていたより重くてびっくり。
    父親探しという内容上、軽くはならないでしょうけど、何でしょう、ミステリーとしても雰囲気としても予想より思いのほか本格的で重量感があったので、そのギャップに終始驚きっぱなしの読書になりました。
    他の方の作品を出して恐縮ですが、『氷菓』に近いものを感じました。
    表紙との乖離がすごいから、読んで驚いて欲しい。
    多分キャラの内面を掘り下げて書いているから余計そう感じるのかもしれません。
    真白ちゃんがサイコメトリー的能力は持っていますが、情報を引き出すのがメインで推理はそこまでではない。
    そこを理久くんが補っていくのはいいコンビでした。
    ニヤニヤできるのもいい。
    また真白ちゃんの母親も非常に濃いキャラで、会話も即興だから再現不可能とのことでしたが、最後まで読むと「そりゃそうなるわな」と色々仕掛けが分かるとストンと納得できる部分もあって、結構設定が練り込まれてるなとも思いました。
    細かく考えられたからこその(青春もので恋愛ものなのにどっしりとした)重厚感かなと。
    なかなか侮れないダークホース的作品でした。

  • 写真の被写体の目線がカメラを向いていると会話が出来る女子大生と、その母親にしてカメラマンに憧れている男子学生が大学で出会った。
    ちょっと不思議な能力を持つ彼女の目的は?

  • 可瀬理玖は大好きな写真家 渡引クロエの母校に入学し、彼女が立ち上げた創作サークル「猫を探す人の会」に入会する
    そこで出会った真白は、自分のインスタントカメラで撮った写真の人物と対話できる能力を持っていて…… なお話

    日常ミステリの要素アリ
    部室からなくなっった写真
    猫の足跡
    スーパーで商品をスマホで撮る人
    迷子が泣いた理由
    などなど

    一番の謎というか、ストーリーの本筋は真白の父親探し

    何かとはぐらかした会話をする母
    なぜ、母はそんな態度をとるのか
    過去に何があったのか?

    その理由が明らかになったとき、母親の真意がわかる


    何というか、不器用なのか器用なのかわからんね

  • 写真と会話できるという設定ですが、目が合わなければいけないとか、無理には聞き出せないとか、制限のかけ方がうまいです。どうにも不器用なところもいい。

  • 大学生活を楽しく送る……という話ではなく、父親を捜す一人の学生をみんなで助けるというお話。登場人物、特に母親が珍しいキャラクターで面白かった。

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著者プロフィール

第13回学園小説大賞にて「なしのすべて」で優秀賞を受賞。2010年『“菜々子さん”の戯曲』でデビュー。同作は「このライトノベルがすごい! 2012年」で53位にランクインするなど、注目を集める。他の著作に、『演奏しない軽音部と4枚のCD』『お口直しには、甘い謎を』『針町あかねは壁がある カメラ小僧と暗室探偵』『のど自慢殺人事件』『僕と彼女の嘘つきなアルバム』などがある。

「2020年 『さよならが言えるその日まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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