里山奇談 めぐりゆく物語 (角川文庫)

  • KADOKAWA
3.46
  • (0)
  • (6)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 65
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041081907

作品紹介・あらすじ

山や里に現れるというわらい女の秘密、落ちている土塊を踏んではならない忌むべき理由、どこか歪んで見える羽化したてのヒグラシ……野山を歩きつくした生き物屋が遭遇する、奇妙でノスタルジックな物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 怪談よりの民話、伝承。
    おばあちゃんから聞いた話の延長で起きたような里山の怪異譚。
    蛇を苛めると恨まれる。私も信じてたし、この本でも蛇に土をかけて虐めた子供が大怪我した。
    なのにうちの祖母は蛇に熱湯かけて殺したのに98歳。まだまだいきてる。
    ちょっと怪談には物足りない。

  • 三作とも図書館で借りて読みました。

  • タイトルのごとく。里山にまつわる、色んな方のちょっとした不思議な思い出や体験話。怪談のような怖さはなく、しんみりとした懐かしい気持ちになる。本当は夢だったのかもしれないし、未知の真実があるのかもしれない。何事もはっきりとはさせられない、その曖昧さがよい。

  • 怪談ではなく、里山の生き物(虫、動物、魚)をめぐる不思議な話。
    虫は苦手だけど、各話での風習や言い伝え、怪談めいた話から伺えるその地の民俗が、気づきを与えてくれる点は良かった。
    会話を追想する際の書き方が独特で、だれがしゃべっているのかわかりにくいものもあった。3人の筆者のうち誰かなのだろう。
    学問的に検証しているわけではないが、怖がらせることを目的に書かれたものではなく、あくまで「里山」をめぐる伝承や昔の話の体験談、伝承なのでカテゴリは民俗学にした。

  • 「土塊」のような存在は怖い。何気なくそこに存在しているものに、籠められた思いに気付いてしまったとき、その思いに恐怖が滲み出します。

    能動的にこちらへ向けられているわけでないけど、誰かがこの思いのスイッチを踏むであろうこと。そして、その結果完成するであろう瞬間を静かに、ただし思いを途切れさすことなく待ち続ける執念。
    そうだね、「土塊」に感じたものは執念だ。あれを仕掛けた存在が、どんな思いだったかはわからないけども、あれへの思いの執念です。

    後半で語られるのは「土塊」への答えの一つ。
    やはり、執念の怖さですよ。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

お化け屋敷『京都怨霊館』『京都怪談商店』オーナーでプロ怪談師。

「2023年 『関西の怖い街』 で使われていた紹介文から引用しています。」

cocoの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×