メゾン・ド・ポリス6 退職刑事と引退大泥棒 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041092835

作品紹介・あらすじ

柳町北署管内で少女の誘拐事件が発生。少女の祖父・然治は、かつて世間をにぎわせた窃盗団「忍び団」のリーダーで、誘拐は過去の窃盗と深い関りがあった。メゾンの面々は、少女を探す然治に協力するが……。

感想・レビュー・書評

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  • 若手刑事・牧野ひよりが元警察官のおじさん軍団と共に様々な事件捜査に挑むシリーズ第六作にして完結編。

    今回は元警察官軍団と元窃盗団が、誘拐された幼女を救うべくタッグを組むという完結編に相応しい賑やかさ。事件も幼女誘拐を発端に殺人事件が起こり、過去窃盗団が盗んだまま行方不明となった宝石が絡んだりと面白くなっていく。
    捜査はいつものようにひよりら警察官側と夏目らおじさん軍団側と手分けして進むのだが、そこに元窃盗団しか知らない事実が加わったり誘拐犯の狙いが分かってきたりテンポよく進む。

    しかし途中から元窃盗団が足を洗ったはずの窃盗に再び手を染め、そこに元警察官軍団も協力する展開になる。
    少女を救うためとは言え、超えてはならない一線を越える気がして心配になるのだが、さすがにひよりを巻き込むことはしなかった。
    そんな中でひよりの異動話が出てきたり、これまで曖昧にしてきた三角関係(四角関係?)にいよいよ決着が着きそうになってきたりとシリーズとしても完結に向かっていく。

    最後だからなのか、おじさん達がイチイチ格好いい。
    いつもワアワア喚いて己を無理やり突き通す迫田がひよりや夏目の背を押し、元窃盗団にも罪と向き合う覚悟を示す。
    いつも軽薄に見えるほど英語や専門用語を織り交ぜ長々語る藤堂が、自分の恋心よりも相手の女性の恋を後押しする。
    いつものように穏やかに時に煙に巻くような言い回しの伊達が、ここぞという時はしっかりと釘を刺す。
    高平は…いつものようにキャアキャア騒いでいる。
    そんな中で夏目は、いつもと違ってひよりに対しては歯切れが悪い。

    ひよりの心のオアシスだった草介もライバルだったナナも最後まで気持ちのいい人たちだった。
    個人的にはひよりとおじさん軍団に個人的な色恋は似合わないように思ったが、生々しい感じにならないだけ良かった。

    読み終えてみれば完結編とは言えいつもどおりのような感じだが、それで良い。
    ひよりの新しい出発を祝い後押しし、囃し立て、協力し見守ってくれている人たちがいる。
    完結編らしい楽しい終わり方だった。

    ※シリーズ作品レビュー一覧
    https://booklog.jp/users/fuku2828?keyword=%E3%83%A1%E3%82%BE%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%B9&display=front

  • これこそまさに大団円。

    TVドラマの最後と重ねてくれたのはうれしかったなぁ。

    これでおじさん元刑事とひよっこ刑事のお話はおしまいかぁ。

    楽しかったなぁ。

  •  ひよりにメゾンドポリスのメンバーから卒業し、警視庁捜査一課への異動の打診が。
     そして、草介と夏目との三角関係がいよいよハッキリと表に出てきて…

     色々盛りだくさんでハラハラしっぱなしでしたが、やはり最後にひよりが選んだのは夏目でしたね。一番最初の頃は草介を巡ってナナとのバトルだったのに、感慨深いです。

     捜査一課への異動でメゾンドポリスのメンバーともさよならかと思いきや、やっぱりおじさん達とは離れられないですね。

     まだまだ読みたいシリーズで、最終巻は寂しいです。

  • メゾンドポリスというシェアハウスに暮らす元刑事のおじさんたちと新米警官のひよりが事件を解決するシリーズ。
    本作が最終巻。
    少女誘拐事件を彼女の祖父と一緒に捜査していく物語。ひよりの成長と気になる総一郎さんとの関係は進展するのか…。
    個人的に満足できる終わり方だった。楽しみにしていたシリーズなので続編に期待しています。

  • 2021年3月角川文庫刊。書下ろし。シリーズ6作目。窃盗団と協力して誘拐事件解決を図ろうとするメゾン・ド・ポリスの面々と現職刑事のひより。いくらなんでも暴走しすぎなんじゃないかとハラハラしながら読み進めました。ルパン三世のような展開で、これはこれで楽しく、ラストのおさまりも良く、最終回にふさわしいお話となりました。

  • おじさんたち、素敵だな。しかし、ひよりと惣一郎の関係は、ありがちでつまんないなぁ。

  • 完結巻…なの⁈
    残念〜
    元大泥棒たちとおじさんの活躍、痛快な部分は楽しく読めたけど、それだけではなく犯した罪を背負う重さにも言及している。
    夏目とひよりの関係は進んだ…のか?
    まだまだ前に進んでいく感じなので、もっと読みたいなぁと思ってしまう。
    卓越していて誇りがある、本当のプロの話を読むのは面白い。
    考える部分もあるけれど、楽しい読書時間でした。

  • シリーズ完結編!ミステリーと言うよりも、それぞれの登場人物の活躍物語といったところ。
    これまでもアンタッチャブルなメゾン・ド・ポリスの面々が違法捜査ギリギリ(いや完全に違法でしょ)で解決に導くところは読みごたえ十分。
    途中に張られた伏線もしっかりと回収され、収まるべきところにキチンと収まっていくところは見事。
    全ての登場人物があるべき姿に落ち着いた感じで、大団円というのにピッタリな終わり方。最後のひよりちゃんの成長が感慨深い。

  • 『過ちは、ついて回るだけじゃねぇ。お前の心にのし掛かって蝕み、周りの人間にも広がる。』

    蝕まれてしまうのは理解できる。けど、周りにも?
    そうか!
    自分には影響を与える相手がいないから…。

  • 面白かったー。こういう連作もので大団円を迎えさせるのって意外と難しいと思う。事件もエピソードも、楽しんで読めた。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。2003年「インディゴの夜」で第10回創元推理短編賞を受賞しデビュー。同作は書籍化され大人気シリーズとなり、ドラマ化、舞台化、コミック化された。他著に「モップガール」シリーズ、「アー・ユー・テディ?」シリーズ、『チャンネルファンタズモ』『ご依頼は真昼のバーへBarホロウの事件帳』『風が吹けば』『桜田門のさくらちゃん』『学スクール園王キングダム国』『ゴールデンコンビ 婚活刑事& シンママ警察通訳人』「メゾン・ド・ポリス」シリーズ、『警視庁レッドリスト』などがある。

「2023年 『警視庁アウトサイダー The second act 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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