- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041101087
作品紹介・あらすじ
ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの二人の青年の愛と孤独を描くせつない青春小説。NEWS・加藤シゲアキ渾身のデビュー作。
感想・レビュー・書評
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相手を思いやる男の友情のお話。すごく、すごく、深い友情です。
4時間で一気読みしました。
大貴は芸能人として成功しテレビに映る真吾を関係が断絶された、と、苦々しく思っている。喧嘩別れした真吾との友情を出会いから振り返ります。そして、数年後、大貴は違う形で改めて真吾との友情を振り返ります。
横浜に引っ越してきているのに「東京なんてしょーもない」と言ってしまう関西の拗ねた子供らしさや、近所へのあいさつの様子、友情を育む子供たちの様子が生き生きと書かれています。女の子を馬鹿にするところなど、良くないことも書かれていますがありのままの高校生の姿も描かれています。
同窓会の後に電話で、二人が「あのー…このあとって時間ありますか」「あります」「じゃあ飲みませんか」「あ、はい」と敬語で会話する距離感が特に印象に残りました。この会話が、バーでの会話、仲直り、そして、真吾が…と話が進んでいく展開のきっかけとなります。
本のグレーの見返し、白の千鳥格子のとびら。これが何を意味するのか。あくまでも小説というファンタジーの中のことなので、現実に起きてはいけないことですが、大貴が真吾の感情に溶け込んで、真吾の心理状態を理解していく様子はとても読みごたえがありました。演劇のお仕事をされているからでこそ書ける作品だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
娘が NEWS のファンで、購入してあげた一冊。
好きなグループの一員が書いた小説ということで、読書が苦手な彼女も、珍しく読書に時間を費やしていた。
ジャニーズの小説なんて、一体どんなものだろう?という単純な動機で、休日にページを開いてみた。
どうせ会話文と空白だらけのろくでもない小説なのだろう??という先入観で読んでいたが、これがどうもそうでもない。
芸能界の話なので、感情移入するというのは難しいが、文章も美しいと感じたし、上手に伏線が張り巡らされていて、読書の喜びも十分に感じさせられた。
話に引き込まれ、2日で読み終わってしまった。
お話としても面白かったと思う。
娘が購入した他の彼の作品も、娘が読み終わったら読んでみたいと思う。 -
アイドルが書いた小説というのが頭にあったので、最初読んでる時は『結末読めるなあ』だったけれど、最後の章で衝撃を受けた
華やかな芸能界はやはり思った通りの世界で
その中で芸能人を演じながら生きていき、本当の自分が消えてしまうというのは悲しいことだなと思った
この小説、映画になってるらしく
映画も観てみたい
ラストシーンがどうか助かりますように -
なんだか色々想像したり重ねたりしてしまって、胸が苦しくなる作品だった。デビュー作とは。
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エキストラの仕事などで、細々と芸能活動をしている主人公の河田大貴。彼は、大ブレイク中のトップ俳優、白木蓮吾と幼馴染である。子供の頃から一緒に育ち、大学時代はルームシェアまでしていた二人だったが、白木がブレイクするにつれ、二人の溝は深まり、最後には完全に決裂してしまう。やがて、二人の再開を機に、物語は新たな展開を迎える。
言わずと知れたアイドル、加藤シゲアキさんのデビュー小説。その話題性に惹かれて読み始めましたが、綺麗に纏まっていて、とても読みやすかったです。
この小説では、過去と現代を交互に描いているのですが、それで混乱することもありませんでした。むしろ、現代で意味深に描かれていた描写の真意が過去のパートで明かされた時には、点と点が繋がる快感を覚えました。
また、表現も個性的なものが多く、この著者の強みになっていると感じました。例えば、壁に投げたボールが跳ね返って投げた人の眼鏡を弾き飛ばし、さらにもう一度壁に跳ね返って顔面に当たったシーンでは、「まるで777が揃ったパチスロのようにリズムと緊張があり、そして流れ出るパチンコ玉に倣って僕らはどっと騒がしく笑った」という表現をしていました。ボールが当たった様子をパチスロに例えるのは中々、思いつかない例えだと思いますし、その後に見ていた人たちが笑っている様子もパチンコに絡めて表現しているのは練られているなと唸りました。もしかしたら、ボールが「当たる」とパチンコが「当たる」もかかっているのかもしれません。
ただ、このような凝った表現が頻出するので、却って気恥ずかしくなった面もあります。描写だけでなく、章のタイトルが全て飲み物で統一されている所や、とある人物が大人になって再登場したシーンなど、小説を好きな人が初めて小説を書いた時に使いそうなギミックだなと思い、自分の書いた小説を思い出したりして、何となく居た堪れなくなってしまいました。
ただ、話が進むにつれ、共感生羞恥も段々と薄れていきました。特に最後の劇中劇にはグッと引き込まれて、この小説の中だけでも、作者の成長を感じました。一作の中でこれ程、伸びる人も珍しいのではないでしょうか。最新作のオルタネートも直木賞にノミネートされていましたし、加藤さんの作品を追ってみたいと思わされました。
まとめますと、所々、表現のクドさが気になりますが、それ自体は分かりづらい物ではないですし、話の展開も、やや重いものの読みやすいので、エンタメ小説を楽しみたい人にはオススメしたい小説です。 -
作者のデビュー作。
2人の若者が芸能界を目指して1人が有名になっていく。しかし芸能界ならではで心が苦しくなって自殺をしてしまう。逆に亡くなった親友の代役を演じたことにより、有名になっていくという芸能界ならではの話。 -
ごっちとりばちゃんはいつも一緒で、きっとお互いを分かり過ぎるほど理解し合っていたのに。
違う名前をもらってしまったばっかりに、どんどん離ればなれになってしまう。
作られたものに自分が飲み込まれたら、自分は消失してしまうのだな。結構、衝撃的だった。 -
予想外に面白かった。
前半の思わせぶりな文章が後半に伏線回収され
えー!そういう展開!?と驚いた
後半戦、スピード感あり
あっという間に読み終えた
あと、装丁が好きです。
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ジャニーズが書いた小説だし
という思いがあり、避けていたが
オルタネートが直木賞候補となったことで読んでみた。
読んでみてびっくりした。
もっと早く読んでおけば良かった。
語彙力がなくて表現出来ないが
読んでよかった。楽しかった。 -
正直、大したことないだろうと思って読み始めたが、後半から、前半の意味が理解できて、非常に良いと思った。