航空大革命 10年後に航空市場が倍増する (oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102824

作品紹介・あらすじ

人と人との出会いこそすべての基本、今後20年間で旅客輸送量は2倍に、徹底したリストラと不採算路線の整理、顧客の上位2割が全収益の80%を、これからも増えそうな「マイルの奴隷」、今後10年で登場する新機種は?価格は、利便性は、どうなるのか?世界のエアライン10年後を大胆予測。

感想・レビュー・書評

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  • <学んだこと・気づき>

    ・IT化が進んでも人が海や国境を越えて移動するというのは決してなくならない。

    ・今後20年間で旅客輸送量は2倍

    ・今まで飛行機で移動したことのない新たな層の獲得

    ・フルサービスキャリアがLCCと差別化を図る方法
     →プレミアムサービスの充実
    ・旅行者がやはり楽しみにしているのは機内での食事

    ・国際競争に勝つためには、エアライン単独の努力ではなく、地方自治体や民間バス会社(空港周辺ホテルも?)等との戦略的連携が大事

    ・アライアンスによるコードシェアからJVの時代へ

  • 思い入れが強くて?となる予想も多いが勉強になった。

  • 近年の航空業界と、今後の展望が書かれている。国内の空港、アジアのハブ、ローコストキャリア、アライアンス、ジョイントベンチャー、新型機、市場の成長、テロ対策、と、航空業界は多くの論点を同時並行でみていく必要がある。とてもユニークな業界だと思う。

  • オーストラリアの往復にはお金がかかると私は偏見を持っていたのですが、LCC(ローコストキャリア)航空会社を使えば、かなり安くなるということを後輩に聞いて初めて知りました。

    航空運賃の正規料金はあってないようなものという感覚はありましたが、LCCの料金は違うコンセプトで作らているようですね。ようやく日本の空にも規制緩和の時代がやってきたようで、今まで以上にプライベートでの空の旅が楽しめそうです。

    この本は、現在起きつつある「航空大革命」について、著者である秋本氏が解説しています。航空市場は競争は激しくなるものの拡大を続けて、10年後には倍増するそうです。国内旅行では個人的には新幹線や夜行バスを使ってしまうことが多い私ですが、10年後には当たり前のように飛行機を使っている時代が訪れているかもしれません。

    スマートフォンがそうだったように、ある一定以上の人に受け入れられれば、あっと言う間に標準になってしまいます。そのような予感を感じさせた本でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・911テロにおいてマンハッタンのビルに突入した2機について、バンク角を深くしながらまっすぐに標的に突入しているのは、戦闘機を操るパイロットがやる方法(p18)

    ・現地事務所を閉鎖した代わりに行っているのは、電子メールや電子会議システムを使った会議(p35)

    ・日本でも2012年は「LCC元年」と言われ、新しい航空会社が相次いで離陸した、ジェットスター(JALとカンタス)、エアアジア(ANAとエアアジア)、ANA系のピーチ等(p44)

    ・日本に存在していた格安航空会社である、エア・ドゥは2002.6、スカイネットアジア航空も2004.6に経営破たんした、両社ともANAの協力を得た経営破たん、スカイフライヤーもANAと提携、残ったのはスカイマークのみ、旅行会社に支払わなければならない手数料が大きな負担となったのも一因(p59,139)

    ・中国上海では、2010にオープンした茨城空港が東京北空港として広告に載っている(p66)

    ・リニア中央新幹線は、2014年に着手、2027年に品川ー名古屋間で営業開始、大阪へは2045年の開業を目指しているが、建設に関して、用地買収や地下40メートルの工事等の難航が予想される(p78)

    ・ジェットスターでは、新造機のみ(A320)を購入している、メンテナンスの手間もかからず故障が少ない、燃費効率も良い、オペレーションコストが下がり安全性も高められる(p91)

    ・成田までの航空運賃をいくら安くしても、成田と都内間の運賃が3000円もかかる現状は良くない、1000円を切るべき(p102)

    ・空の旅について、お金を溜めて年に1度旅行するというスタイルから、3日間連休が取れたらどっかへ行ってみようという世の中になってほしい(p108)

    ・ANAは新型787を、中型機767の後継機と位置付けてきたのに対して、JALは「飛行距離が延びるほど真価を発揮する貴種」という位置付けてで、長距離国際線に使用している(p118)

    ・ビジネスクラスはエコノミー席の10倍、ファーストクラスは15倍の料金を支払っている(p145)

    ・ルフトハンザ空港のフランクフルト空港のファーストクラス専用ターミナルは、ラウンジ内は静か、放送はいっさいなし、コンシェルジェが搭乗便の情報を把握している、搭乗機へはメルセデスかポルシェで飛行機の下まで送迎(p147)

    ・大手各社が上級クラスに絞ったプレミア戦略を行うのは、顧客上位2割が収益8割を出すというマーケットの構造にある(p148)

    ・アライアンス戦略から一歩踏み出した「JV」が増えている、ダイヤ調整や運賃設定を共同で行うビジネスモデルで、独占禁止法の適用除外により実現した(p150)

    ・エアバスA380は、1,2階を合わせた総床面積は、それまで最大であった747の1.5倍、JR山手線の4両分(p181)

    ・ボーイング787の先端テクノロジーとして、全重量の50%以上にジュラルミン(アルミ合金)から炭素繊維をベースにした複合材が使われている、20%もの燃費効率向上、機内の気圧を従来の2400から1800メートル程度に抑えられるので、気圧の変化を不快に感じることが少なくなった、水分は10→25%湿度を維持できるようになった、錆びないので加湿できるため(p185)

    2012年11月10日作成

  • LCCの台頭、羽田の国際化、A380・B787の就航など話題に事欠かない最近の航空業界事情を解説。今まで想定しなかったような新たな市場を開拓することが、今後の航空業界にも観光業界にも必要なこと。航空業界を取り巻く環境をとてもポジティブに捉える著者ならではの視点は読んでいて心地よい。

  • 10年後の航空業界は明るいと説く。
    この著者は、飛行機が大好きなのだろう。その想いが伝わってくるところがいい。昨今、話題にされることが多いLCCばかりではなく、エアポート、機体、コンコルドまで出てくる。写真も多く、読みやすかった。
    ちょっと飛行機とはご無沙汰しているが、夏休みもまだだし、どこかに行きたくなった。

  • 日本の航空事情についての最新の状況と、作者の考える将来についてコンパクトにまとめられたものです。
    作者の飛行機に対する愛情がひしひしと伝わってくる内容で、未来に対する考え方もポジティブで、気持ちよく読むことができました。
    この本を読んで、死ぬまでに一度エアバスA380に乗ってみたくなりました。

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著者プロフィール

作家・航空ジャーナリスト。世界を旅しながらエアライン関係者にインタビューを続け、新聞雑誌やWeb媒体にレポートを発表している。『ANAとJAL こんな違いがあったのか』(小社刊)など著書多数。

「2019年 『日本のローカル航空』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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