「命の値段」はいくらなのか? "国民皆保険"崩壊で変わる医療 (角川oneテーマ21)

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  • 角川書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041105115

作品紹介・あらすじ

高齢者の増加と高額医療の出現によって”医療の過剰消費”が行われている日本。”国民皆保険”崩壊の可能性が近づく中で、医療はどのように変わるべきか? 病や老いとの付き合い方を考えるために必携の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • ★★★高齢者の場合、健康と病気の中間に虚弱という状態がある。虚弱は一人で日常生活を送ることが難しい状況。虚弱にならないことで施設に入所することなく生活が可能になる。では何に気をつければいいのか?やはり予防である。禁煙、健康的な食事、適度な運動に尽きる。とくに動くことは虚弱予防になり、PPK(ピンピンコロリ)を達成するカギになる。逆に、軽い脳梗塞で入院し、廃用症候群で入院が延長し、誤嚥性肺炎で寝たきりになり、人工呼吸器をつけ、心臓・腎臓が悪化して死亡、、という経過は本人も家族も医療費も大変なことに。

  • 人口のバランスも崩れ、超高齢化社会に突入した今、国民皆保険制度を成り立たせるための財源をどこから確保するのかという問題にぶち当たっているが、当たり前のように病院へ行き治療して保険を使うのではなく、そもそも病気にならないように予防をしていかなければならないと思った。しかし健康があたりまえと、特に健康を維持する努力をしていない私にとって、この本を読んで今後の生き方の参考になった。延命治療を受けるのではなく自分の力で生きられなくなったその時が死ぬ時であるというのは、怖いなと思いながらも納得させられた。

  • 後半は特に良かった。たった死亡前の1か月治療費が平均112万、80万人で年間ほぼ1兆円使われている。世界で唯一無二の素晴らしいシステムが、継続可能であるための方法について、考えさせられる内容。201501

  • 2013年8月10日発刊の書。

    帯に【1年間あたり400万円・・・払いますか? それとも死にますか?】とキャッチがつけられているんだけども、そんな煽りをするような本ではない。

    僕たち日本人が当たり前のように接している医療制度「国民皆保険」について他国の制度との比較や、存在背景などを経済学的な視点も交えわかりやすく解説してある。
    国民皆保険の是非を是非を結論するのではなくて、むしろ、そういった制度がある上で、どのように医療や命を考えていくか示唆に富んだ内容になっている。

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    【内容(「BOOK」データベースより抜粋)】
    高齢者の増加と高額医療の出現によって"医療の過剰消費"が行われている日本。"国民皆保険"崩壊の可能性が近づく中で、医療はどのように変わるべきか? 病や老いとの付き合い方を考えるために必携の一冊。
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    【著者紹介(「wikipedia」より)】
    真野俊樹(まのとしき、1961年10月7日-)は、医師、博士 (医学)、日本内科学会総合内科専門医、FACP(米国内科学会認定専門医会上級会員)、日本臨床薬理学会認定医 。
    ————————
    【目次】
    序章 あなたの「命の値段」はいくらなのか?
    第1章 高額化する医療
    第2章 壊れる国民皆保険
    第3章 医療政策を変える経済学
    第4章 日本と対極の国・スウェーデン
    第5章 私たちはどのように長生きすればよいのか
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  • 国民皆保険制度を基盤とした日本の医療制度は、将来的な破綻が不可避に思われる。本書で扱う主題は大変興味深いものである。自分なりに解決の方向性を考えていかねばならないだろう。要勉強。

  • 伝統的に「命は地球より重い」という考えが強く、命の値段を議論することがタブー視されてきた日本。
    しかし経済が崩壊へと向かっている現状、合理的に医療を考えていかねば、という提案。
    そのためには行動経済学も一つの参考になろう、というのが要点だと思うが。

    議論がとっちらかっていてあんまり「合理的に」組み立てられている感じがしない。
    なんだかフワッとしていて言いたいことが伝わりにくい感じ。

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著者プロフィール

1987年名古屋大学医学部卒業。医師、医学博士、経済学博士、総合内科専門医。臨床医を経て、1995年9月コーネル大学医学部研究員。外資系製薬企業、国内製薬企業のマネジメントに携わる。2004年、京都大学にて博士号(経済学)取得。現在、多摩大学大学院教授、多摩大学医療・介護ソリューション研究所所長。おもな著書に『医療経済学で読み解く医 療のモンダイ』(医学書院)、『比較医療政策』:(ミネルバ書房)など。

「2013年 『日本の医療最前線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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