CUT (単行本)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 117
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041105368

感想・レビュー・書評

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  • 菅原和也『CUT』角川書店。

    デビュー2作目。女性を殺害後に首を切断するという凶行を繰り返すシリアルキラーを描くミステリー。かなり残虐な犯行が描かれるものの、キャバクラで働く透とキャバ嬢で探偵事務所のアルバイト・エコの凸凹コンビのユーモラスな掛け合いが、作品全体の雰囲気を巧く中和している。

    しかし、油断することなかれ…

    ミステリーとしては、しっかりとした造りになっており、犯人が犯行を繰り返す理由、結末の意外性にも十分納得が出来る。

    後味の悪い作品であることは確か。

  • 安永透は自分がが働くキャバクラの女性、エコ(廃園絵子)と首なし死体に遭遇.その縁で店長からエコを常勤者にスカウトする役目を与えられた.エコは探偵もやっており、透は彼女の動きに巻き込まれる.キャバクラで無銭飲食した月島の自宅で息子の彩人と隣室の平野了一に会う.2人目の首なし殺人事件が発生し、エコの動きが佳境に入る.容疑者として平野が浮上するが、最終的には意外な人物が犯人と判明する.エピローグを読んだ時の驚きで、何度も確認のため前の部分を読み返した.面白かった.

  • 主人公はキャバクラのボーイ。キャバ嬢を送っていく途中に首なし死体を発見してしまうことから、物語は始まります。死体の首を切断する理由を淡々と語る、風変わりなエコのキャラのおかげか、グロい事件もなんだか軽く感じてしまいます。最後に分かるエコの正体に「えー!?」となり、さらにアーくんの正体に「ええー!?」となりラストにいろんな意味で衝撃を受けました。

  • ちょっとグロいがなかなか面白い。
    ドンデン返しはありきたりっぽいが、稚拙な文章にあっていい味出してる感じです。
    食事中に読むことはお薦めしません。
    焼肉食べた後読んで、気持ち悪くなりました。。。

  • 探偵事務所アルバイトの派遣キャバ嬢と、客引きのボーイが連続首切り殺人事件に巻き込まれる本格ミステリ。表情豊かなのに無味乾燥、非現実的な廃園エコのキャラクターを受け入れられるかがひとつのキモ。人が踏み込むと床が抜ける“重力密室”と“首斬りの論理”に、それぞれ一定以上、意外且つ納得できるレベルの答えを用意した上で、さらにひっくり返してより説得力ある真相に着地させてきたのには恐れ入ります。半倒叙形式をとっているため比較的早い段階で犯人の目星が付きやすいにせよ、HowとWhyに関してはかなり見どころのある作品でした。

著者プロフィール

1988年茨城県生まれ。ピアノバーのバーテンダー、クラブのボーイなど異色の経歴を持つ。2012年、『さあ、地獄へ堕ちよう』(KADOKAWA)で第32回横溝正史ミステリ大賞を、史上最年少の24歳で受賞しデビュー。繊細かつ破壊的な筆致で独自の世界を紡ぐ本格ミステリ界の異端児。著書に『CUT』、『柩の中の狂騒』(ともにKADOKAWA)、超能力者の団体の研究所を舞台にした青春ミステリ『ブラッド・アンド・チョコレート』(東京創元社)、『あなたは嘘を見抜けない』(講談社タイガ)など、話題作を次々と刊行する。

「2018年 『あなたの罪を数えましょう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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