- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041109076
感想・レビュー・書評
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本の厚さにおののいたが問題なく読破できた。
とても面白く読後感もいいが、いくつか疑問(不満)点もある。
1)エリカにとってなぜあそこまで第三子である日陽が特別だったのか。特に第二子は男の子。育てるのにすごく違和感や葛藤があったと思うがそこに全く触れられていないのが消化不良。
2)上原の存在が分かりにくかった。息子に「おじいちゃん」と伝えていたが、それは違うよね?!あと上原は教師の友人として登場し、その後取材を口実に越智家に深入りしていく(らしい)が、事件後日陽の後見人(?)になっていて、一連の彼主体の感情が描かれず理解が追いつかない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
連鎖。どうしようもない救いのない連鎖の中でもがく。最後の頁で救われる。実際にあった事件を元にしているという事で、この作品を通してその事件に対しての作者の叫びが聞こえる。(作者の主張が強すぎるのがあまり得意でないので星4つまでは)
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愛媛県伊予市で起きた「少女暴行殺人事件」をモチーフにしたフィクション
実際起きた事件の詳しい背景はわからない
でも どこかで誰かが救えたはずなのに。。と思うとやりきれない
傷つけあっても何も変わらない
勇気をもって逃げて!!そればかり祈ってた
─「あなたの人生は誰かのためにあるわけではない あなただけのものだから」─
自分のなかでは海辺の母と子の映像が流れている -
団地シーンがあまりにひどくて長いので何度も閉じたくなるほど。実話ベースだそうですが、こんなことある?レベルです。居場所がないにしてもあんまりです。実際にあるのかもしれないけれど、全く共感できない流れでした。それでもやっと最後に辿り着いた「人生は誰かのためにあるわけではない。生きることを人のせいにしない。私の人生は私のためにある」だけは深く刻まれました。それを揺るがすものが現れた時はきっぱり断ち切る潔さを持とう、と強く決意しました。
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酷だけど、関わったら最後というのか。
かなりの覚悟を持って関わる必要があるなと。
環境の連鎖を断ち切るのは難しい。
周りは忠告しているのだけれど、ほんの少しの選択が生死を分けてしまう。ラストでエリカが全く変わっていない事がこの世の残酷な現実。
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面白かった。後半の壮絶なことよ…。
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皮肉にも著者の卓越した描写が読み手の心を深い穴に突き落とす。美智子、エリカ、陽向、3代に渡る母子の生き様や関係性が重かった。何より紘子を救って欲しかった。沈鬱たる読後感でした。