シリウスの反証

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 157
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041112557

作品紹介・あらすじ

冤罪被害者の救済活動に取り組む日本初の団体「チーム・ゼロ」。弁護士や学者などのスペシャリストで構成されるチームのもとに、無実を訴える一通の手紙が届く。それは23年前の郡上おどりの夜に岐阜県郡上郡で起きた一家四人殺害事件の犯人として、死刑判決を受けた死刑囚・宮原からのものだった。
チームの一員として理想に燃える若手弁護士・藤嶋翔太は宮原と面会し、事件について調べ始める。宮原の当日の行動、凶器に残された指紋、そして宮原自身による証言。そのすべてが宮原の犯行を決定づけるように思えたが、やがていくつもの違和感が浮上してくる。
信頼の置けない科学捜査や心理的なバイアスなど、藤嶋たちは様々な要素から真相を手繰り寄せるが、チームを大きな悲劇が襲い――。

感想・レビュー・書評

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  • 冤罪被害者の救済活動に取り組む「チーム・ゼロ」は、元弁護士の大学准教授・東山佐奈を中心に若手弁護士の藤嶋と安野らが奮闘する。

    冤罪に関連する小説は、過去にも読んだことがあるが、これはどちらかというと「チーム・ゼロ」を主軸に進む。
    中盤からどうなるのか…と思う場面があっての終盤まで。
    冤罪ならではの重苦しい感じは、あまりなかったのは、藤嶋と安野がいたからだろうか。

  • かなり読みやすくてライトなリーガルサスペンスかつ、冤罪ものという雰囲気でさくっと読もうかなと思いましたが、読んでみると指紋鑑定がどういうものなのか、冤罪を作り上げてしまうシステムなど考えさせられ、勉強になる部分がとても多かったので、結果じっくり読ませてもらいました。
    登場人物の青臭い熱さもとてもよかったし、正直もっと長く、濃く書いても僕はいいと思った。

  • プロットと伏線回収だけに着目すれば毎違いなく評価:5にする傑作だが、如何せん登場人物の魅力の無さと語り口の不自然さが邪魔をしている。結局小説が下手ということ。作者には申し訳ないが、原案だけ提供してもっと上手い作家さん(貫井氏や奥田氏あたり)が書いたら大傑作だったと思う。

  • 正義の天秤テレビで見たので、面白そうかなっと。正解でした。裁判のシーンはほとんど無いけど。裁判物語だな。

  • 面白かったけど、東山先生がお気の毒。

  • 冤罪被害者の救済活動に取り組む、弁護士や学者などのスペシャリストで構成された団体「チーム・ゼロ」 一家4人を殺害した死刑囚の冤罪を訴え再審請求に臨む。信頼性のない科学捜査や心理的バイアスなどさまざま要素から真相にたどり着いていく。何度も跳ね返される再審請求の壁に果敢に挑んでいく。冤罪にスポットを当てた社会派ミステリ。中盤に一番びっくりする衝撃的なことがあった。

  • 冤罪をテーマとした話。テーマが狭すぎるせいか、無駄に話を長くしている感あり。
    読み終わった読後感も、うーんと思ってしまう。
    何か残念!

  • 今回も冤罪もの。スピード感がある。やや強引ですが真相に迫る展開
    平成八年、「郡上踊り」の最中に起こった一家四人殺害事件の容疑者として死刑が確定した宮原信夫。幼いときその事件を目撃した少女が、後に弁護士を経て死刑囚を救う会のリーダーとなり、宮原の無実を証明しようとする。人間は間違いを犯す生き物なのだということ。バイアス(思い込み)のかからない考え方をする難しさ、容疑者が前科者だった場合の怖さを痛感しました。

  • テンポよく面白い

  • 冤罪小説はあまた読んできたけれど、重要人物が殺されてしまって、え?って思ったが、あーなるほどそういうことかと納得した。なかなかうまく作られていて、冒頭のシーンを思い出す。途中登場人物に議員が出てくるのだが、そのつながりがもしかしてって思わせながらも、そっちかいってオチにはなんだか拍子抜けしたものの、最後まで飽きさせず久々にワクワクさせてもらった作品だった。冤罪と科学捜査、絶対だと思っていたものがこれほど脆いとは!っと考えさせられた。ラスト、相方の告白は何とも切ない。

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著者プロフィール

1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。『雪冤』で第29回横溝正史ミステリ大賞、及びテレビ東京賞をW受賞。ほかの著作に、『罪火』『確信犯』『共同正犯』『獄の棘』など。

「2023年 『正義の天秤 毒樹の果実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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