火守

  • KADOKAWA
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041114889

感想・レビュー・書評

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  • 鯨、海、月、星、太陽。
    散りばめられたモチーフの中、決められた役目を全うしようとする姿勢の美しさ。

    素敵な大人の絵本だ。

  • あの「三体」の著者がこんなに叙情的なファンタジーも書くのねぇ…と新鮮に感じたけれど、内容的には何処かで見たことがあるような感じだった。装丁はきれいで、イラストも素敵だったけど、もっと中国っぽい感じにしても面白かったのではないかと思った。

  • 『三体』の劉慈欣が書いた童話で、表紙がとてもお洒落な絵本。短い話だが、サシャの生き方を考えさせられる。大事にすべきことは何なのか、守るべきことは何なのか。しばらくして読み返したら、どう感じるだろうか。手元に置いておきたい素敵な本だ。

  • 劉慈欣本人が、過去のエッセイ(ありとあらゆる可能性の中で最悪の宇宙と最良の地球:三体と中国SF)で述べている次の内容に照らし合わせれば、今作もしっかりSFだなと思う。
    『SFは可能性の文学である。われわれの住む宇宙もまた無数の可能性の一つだ』

    『聞くまでもなく、これこそ太陽だった。』のとことか素敵。
    この童話は、自分達と違う理の世界が存在していいんだ、ということを優しく説いてくれていると思う。

  • 物語はおいといて、一冊の本としての完成度は高いと思う。

  • こんな祈りのように治せない病を磨けたら。みんな夜空に鈴の音がする透き通って輝く自分の星がある。星は魂であり、いつかは輝きを失って流れ星となって落ちていく。
    月が硬い銀色をした無機質な天体ではなく、柔和な色で質感も柔らかく絶えず満ち欠けしている舟っていうイメージすごく良い。
    朝を動かす人たちは私たちの日常にもいて、みんなが新しい一日を始められるようにそれぞれ引っ張っていく。そこには確かに愛がある。愛を知っているから遠くにいる愛するもののために、あらゆるもののために火守を続けられる。早くもなく遅くもなく、そのときどきのリズムで毎日を綱ぎ続ける。
    砂浜に横たわる貝殻のような大きな鯨の白い骨、気球のように浮かんでは沈んでいく太陽が印象的。
    日本語版は西村ツチカさんの絵で嬉しい。池澤春菜さん多才だな。

  • 劉慈欣はアイデアの人だ。垢抜けないが、それでもその手があったかと思わせる設定や展開やディテールが次々と出てくる。段取りや手順を語る時は理屈っぽく説明調なのに、たった一言の情景描写で突然詩的になったりする。『三体』と一緒だ。でも『三体』と違って、すごく短くてファンタジック。劉のエッセンスが詰まっている感じがする。挿絵も物語の雰囲気にぴったりで素晴らしい。

  • 劉慈欣氏初の童話。物語はサシャという青年が東の孤島に立っている場面からはじまる。淡々と描かれる情景描写。火守が持つ能力。サシャの願いが叶った後に描かれる火守の仕事に圧倒された。劉慈欣らしいラスト。私は少しだけ怖い。→

    童話を読まずに大人になったので、深読みしすぎなのかもしれないが、火守の仕事があまりにも過酷で驚いた。若き火守となったサシャはこれからずーっと火守なんだろうし、背の高い老人はずーっと火守だったんだ。
    誰かがやらなければならない仕事だし、でもそれを1人の火守にやらせるのはどうなんだろう

    好きな描写は40ページ。三日月の船が星々の間を通る場面。星がぶつかるときに「夏の風になる風鈴のような音を奏でる」らしい。すごく綺麗。

    あと、蟻が出てきた瞬間テンション上がった(笑)

  • 一瞬で読み終わってしまうお話。池澤春菜さんの翻訳でした

  • SFの人の作品だからSFかと思って読んだら、童話だった。SFと思ってた影響で、月やロケットのつくりが気になってしまった。最初から童話と思って読んでいればもっと違ったかもしれない。挿絵が好み。火守のタイトルに最後は納得。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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