- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041115213
作品紹介・あらすじ
孤島に招かれた10人の男女、死刑宣告から始まる連続殺人――有栖川有栖があの名作『そして誰もいなくなった』を再解釈し、大胆かつ驚きに満ちたミステリにしあげた表題作を始め、名作揃いの豪華な短編集!
感想・レビュー・書評
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宇宙のオモチャ箱みたいな、不思議とファンタジーとミステリーが詰まった奇妙な短編集。
有栖川有栖さんの頭の中を覗き見しているようで、面白かった。
私は線路の国のアリスが好きだったかな。あべこべで当たり前なんてなくて、だけどアリスは自分の感覚でずんずん進んでいく。そうそう、この感じ、ふしぎの国のアリスに会いたくなった。 -
初の有栖川有栖作品、様々なジャンルのミステリーの短編が描かれていて、どの作品も楽しめて読めました。表題作「こうして誰もいなくなった」は、超名作のアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のパスティーシュ作品で、著者の再解釈のもと新たなかたちとして創られた物語で、クリスティの原作を読んだことのない私ですが、ストーリー、トリックなど、スリルがあって読みやすかったです。この小説を読んでみて、ぜひクリスティの原作も読みたくなりました。
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有栖川有栖の見本市というくらい、
様々なテーマの短編小説。
ミステリーが多めだけどファンタジーやオチがよくわからないものも・・・。話によって好みが分かれそうなイメージ。
以下お気に入り
『未来人F』
江戸川乱歩の『怪人二十面相』のパロディ。
書き方を忠実に真似ていた。
『本と謎の日々』
この本の中で一番好きな話。
本屋で起こる謎を店長が解いていく。
『こうして誰もいなくなった』
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を下敷きにした中編。そちらを先に読んでいてもおもしろかったかもしれない。 -
短編集。
もともとは、ラジオの朗読のため?に書かれた作品たちを集めた本のようで、「有栖川有栖の見本市」とのこと。
表題作の「こうして誰もいなくなった」は、もちろんクリスティのそして誰もいなくなったのパロディ。
現代に舞台を移して、スマホも登場するし、被害者たちの過去の悪行も現代的。
しかし、そのまんま過ぎて…もう一捻り期待しながら読んでいたから、期待外れ感は否めない。あとがきによれば、そして誰もいなくなったは面白いけど探偵による謎解きがないのが残念だったから…と、探偵は登場する。でも、探偵が登場したことによって謎解きが変わるのか?という疑問はある…。
比べても仕方ないけど、十角館の殺人の秀逸さを思い出した。あれも、設定は「そして誰も」に近い、孤島での事件で、そして独創的だった。
見本市のなかで私が気に入ったのは、「謎のアナウンス」。
ある男性がスーパーマーケットに行くと、必ず流れる同じアナウンス。「黄色い上着に黄色いスカートを履いた女の子が迷っています。」…なぜ同じアナウンスが流れるのか?このアナウンスを聞いた男性はなぜ頭をかかえたのか?
落語のようなとんちの聞いた話で、面白かった。 -
バラエティに富んだ短編集。
ファンタジー系や短編集は
サラッと読むことが多いけど
展開が気になるものは程よく引っ張られ
疾走感あるものはリズミカルで
どの物語も緩急がよく、楽しく読めた( ´∀`)
結末はあっさり?と感じることが多かったけど
答えがなかったり、続きを想像させられたり
するような終わり方よかった。
全体的に不思議な世界に入り込めたので楽しかった。
特に好きな物語は
こうして誰もいなくなったもとても面白かったんだけど、意外にも
「線路の国のアリス」がお気に入り。
世界観と屁理屈、最高。
↓
この電車はどこに行くの?
ドコカへ行けるよ。
ドコカはあっち?
そっちもドコカだけどあっちもドコカ。どっちへ行ってもドコカへ着く。
ドコカという駅が二つあるの?名前の意味がない。
アリスという名前は世界中でおまえだけが独占しているのか? -
ファンタジー・SF・ホラー・ミステリと、
著者の色々なジャンルを読みたい人向けの短編集。
オマージュ作品もあれば超短編もあり。
作品によって読後感も様々でとても楽しめました。