さえづちの眼 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117361

感想・レビュー・書評

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  • 「さえづちの眼」かつて名家で起きた一人娘の神隠し。実は大蛇が人に化して娘として暮らしていたという真相。やがて蛇は元の姿に戻り家を出て、守り神として一族を庇護していた。しかし一族のものに子である山蛭を殺され、一転して祟るように…。当主に依頼された比嘉琴子が祟りに挑む。
    神隠し当時に名家に派遣された家政婦の手紙という語り口のプロローグが面白い。

    「あの日の光は今も」少年の頃にUFOに遭遇した経験をもつ主人公。家業の旅館を手伝っているがいまだに取材や野次馬に悩まされている。実は主人公はコインロッカーベイビーで、UFOの記憶はコインロッカーの中から外を見た記憶が混同したものだった。取材に訪れるライターが湯水。

    「母と」比嘉真琴に助けを求めに来た少女。暮らしていた民間の更生施設で何かが起きているという。
    施設の子供のひとりタクミを少年だとミスリーディングさせているのがミソ。
    施設に入りこみ他の少年少女をあやつっていた「何か」が実は幼い少女の姿をもっているのだが、上記のミスリーディングによって読者から隠されている。
    これが一番比嘉シリーズっぽかったかな。

  • 比嘉姉妹シリーズ!
    この筆者の、主語をぼんやりとさせる“朦朧とした”表現方法に引き込まれる。この後何かあるーーー!の期待感!語り手が入れ替わってるぅ⁈と言う(笑)
    その辺が推理小説っぽくて面白さの1つ。
    怪異の正体の意外さにハマります。
    妻を本当の意味で大事にしてない夫も要注意ですよ(笑)

  • 中編三篇のうち、『母と』では真琴ちゃんが、表題作では琴子さんがそれぞれ霊能力を発揮して活躍。
    能力と脆さを一生懸命な一途さで補う真琴ちゃんに比べて、姉の琴子さんの絶対的な無敵感と安定感揺るぎないなぁ。
    『さえづちの眼』はどちらかと言うと恐怖よりも悲憤の感情が強く残り、底の知れない不気味な怖さは『母と』で堪能。
    『あの日の光は今も』では懐かしいあの人たちの名前が…。
    “母と子”という愛憎濃いテーマの中で、人物像が少し垣間見える比嘉姉妹の母親や大谷昌輝の母親、架守佳枝…様々な母親の心理が胸に焼きついた。

  • 3つの中篇。時間軸がヒントなホラーでした。

    「母と」
    あれ?ホラーなの?と思いつつ読んでました。
    空気がガラリと一変して澤村世界へ。
    比嘉母にも言及あり。
    前作で真琴が災難に遭ってたけれど、今作でも災難に遭遇。
    視点が誰か曖昧になって、多分読み漏らしているかも…。

    「あの日の光は今も」
    あまり好みではなかったです。

    「さえづちの眼」
    こちらには琴子。
    相変わらず真琴と対照的にドライ。
    寝覚が悪いラスト…。

    ずうのめとなどらぎを読んでないから読まねば。

  • 比嘉姉妹シリーズ初の中篇集。

    琴子が登場すると、なんか安心するなぁw

  • 新年度初購入本
    うまく言えないけどこの人の本は毎回怪異のオカルト的恐怖だけじゃなくて家族のしがらみや人間ならではの感情とか怨念による怖さが癖になる。家族に対しての並々ならぬ感情。

    辻村先生好きだったからまた出てきてくれて嬉しい。

    比嘉姉妹シリーズはどれも怖くて面白いけど今回のは恐怖よりも読み物的面白さが勝った。外で読んだのもあるかもしれないけど。
    また何回も読み返します。

  • 3つの短編集

    『母と』には真琴ちゃん 
    1番好みの話でした

    『あの日の光は今も』には「ずうのめ人形」の登場人物
    正解はどちらなんでしょうか?

    表題には琴子さん
    〈うわ〜〉でした

  • ホラーでも怪談でもなく、独特な境地へ向かうような作品に思われました。日本古来からの呪いや祟りによりフォーカスを当てた短編集だったような気がします。

  • 今回は3部作
    1作目は比嘉真琴
    3作目は比嘉琴子
    比嘉姉妹の話は大好きです
    2作目はどこかで見た名前と思ったら、ずうのめ人形の人達が出てきたw
    ずうのめ、少し読み直してみました♪
    やっぱり怖い

    母と
    悪いものが出てくるが、比嘉姉妹の母親の霊も出てくる
    兄弟がたくさんいたのね

    あの日の光は今も
    一見ミステリでも、またあの人やらかしてる

    さえづちの眼
    家政婦の手紙からお屋敷の内情が明かされ
    次々謎の死を遂げながら、その謎を解くために比嘉琴子が呼ばれる
    昔話ぽくて面白かった
    でも、最後凄まじい!

    • あかねにゃんさん
      ずうのめ怖いですよ!
      ワクワクw
      あと、銀二貫買いました!
      こちらもワクワクw
      ずうのめ怖いですよ!
      ワクワクw
      あと、銀二貫買いました!
      こちらもワクワクw
      2023/04/03
    • katokicchanさん
      おはよん♪
      ずうのめは、2番目だね。まずは、ぼぎわんから(^^)v シリーズ6冊とあったけど、単行本があるので7作品あるのにさっき気づいた...
      おはよん♪
      ずうのめは、2番目だね。まずは、ぼぎわんから(^^)v シリーズ6冊とあったけど、単行本があるので7作品あるのにさっき気づいた。

      銀二貫は、二巻がないので^^; 味わって読んでね!
      高田さんのエッセイの、晴れときどき涙雨が気になるけど、まだそのままにしてます…
      2023/04/04
    • あかねにゃんさん
      おはようございます
      はい、味わって読みますねw
      エッセイ気になります!
      今4冊ばかり買ってるのあるので、それ読んでからかな・・
      おはようございます
      はい、味わって読みますねw
      エッセイ気になります!
      今4冊ばかり買ってるのあるので、それ読んでからかな・・
      2023/04/04
  • 全体のテーマみたいなものがあるとしたら「親子」だと思う。
    どれもあまり怖くなかった。
    標題の「さえづち」は、おろちっぽくていいけど、怖いか?と訊かれると…
    前半、家政婦の綴った手紙で内容が展開していく様子が、古典ホラーっぽくて好き。でも怖くない。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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