- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041121566
作品紹介・あらすじ
「好きな人とずっといっしょにいるために」、あのとき、あの人は何をした?
2029年から1979年まで10年刻みでさかのぼりながら明かされる、ある家族たちをとりまく真実。
あの時代、確かにそうやって、わたしたちは生きていた。
隠されていた「わたしたちの秘密」を理解したとき、あなたは平常心でいられるか。
『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞した著者が放つ、生き方、愛、家族をめぐる、「ふつう」を揺らがせる逆クロニクル・サスペンス。
〈全6章〉
1 二〇二九年のごみ屋敷
2 二〇一九年のクルーズ船
3 二〇〇九年のロシアンルーレット
4 一九九九年の海の家
5 一九八九年のお葬式
6 一九七九年の子どもたち
感想・レビュー・書評
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当たり前ってなんだろう?「“ふつう”を問い直す小説5選」 | カドブン
https://kadobun.jp/feature/book_co...当たり前ってなんだろう?「“ふつう”を問い直す小説5選」 | カドブン
https://kadobun.jp/feature/book_concierge/entry-47966.html2023/03/27 -
吉川トリコさん「あわのまにまに」 ある一族の恋愛模様に描かれた、結婚・出産・性自認の半世紀|好書好日(2023.03.19)
https:...吉川トリコさん「あわのまにまに」 ある一族の恋愛模様に描かれた、結婚・出産・性自認の半世紀|好書好日(2023.03.19)
https://book.asahi.com/article/148624292023/06/16
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10年ごとに遡る、家族の話。
章ごとに話し手を変え、家族の秘密がそっと明かされる。
それぞれはっきりした結末があるわけではないので、それで、どうなるの?!次の展開教えて!と、白黒つけたい私には章ごとにぼんやり感が残るのがイマイチ。
でも、そこがこの本の良さであることは明白。
登場人物がみんな残酷。
そこまでして家族として集団を構成する意味ってなんだろう?
どの時代も大人に悪い意味で影響される子供が気の毒だった。 -
香水瓶
タバコ
海の家
妊娠
2029年から10年ごとに遡って描かれる家族の秘密。
ミステリーかと思って読んでましたが、ちょっと色合いが違ってました。
どことなく匂いを感じる作品
図書館本 -
2029年から始まり1章毎に10年さかのぼって物語が展開されていく。
だんだんと不穏な空気になっていき、「どういうこと??」って思って、
どんどんピースがつながっていき、最後に「あー」となる。
とにかく人間関係が複雑で頭の中がこんがらがる。
なかなか不思議な読書体験だった。 -
ある2家族の3世代の物語
2029、2019、2009、1999、1989、1979年
物語は過去へとさかのぼる
だんだんと明かされていく家族の秘密
始めは何が何だか分からないが
だんだんとピースが繋がって
不思議な読書感
後味が深く残る作品
良い作品なのだと思う
(ただ好き嫌いは分かれる作品)
読み返すなら後ろの章から前と読むと
さらに物語の解釈が深まりそう
(残念ながら図書館で借りて
予約待ち図書なので今回は読み直せず残念) -
構成がとても面白い。
ある家族の流れを次第に遡っていく。
後半で、前半を時々めくってこういうことかと納得するのが、謎解き気分にもなって楽しめたのだけど、書かれていることはなかなかにしんどい。
家族であることと個人であること、その間で押し潰されたり、跳ね返したり。
愛情とは残酷なものですわ…。 -
これはすごい。ある家族の3世代渡る物語を10年を区切りとして逆行していくサスペンス調の連作集。遡っていくので前の話で出てきた結果の真相が次の話で分かる構成なのだが、なにせ10年のスパンなので真相も曖昧で答えが出ているようで出ていない。ある一部分だけを切り取っているだけで後は読者の判断に任せてあるように書いてある。その切り取り方が上手い。白眉は「2009年のロシアンルーレット」全体の主役である姉妹を妹側からの視点で描いているのだが、女性の心情が巧みに描かれている。それが深く暗く重たい。うーむ唸らされる。
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著者初読み。
世代を巻き戻していく物語、今までも読んできたけれど良い意味で異質である。
読み進める毎に謎をつまびらかにするのではなく、さらに疑問が湧いていき、想像力を掻き立てる。
そうなのだ、自分の気持ちも含めて、人の行動は不可解なのである。真実など本の一握り、ようやく少しわかってきた歳に差し掛かってきたと実感させられた。