- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041128077
作品紹介・あらすじ
佐々木事務所に、「子供が変なものにはまっている」という奇妙な相談が持ち込まれる。外国人風の若い男に願うと、悩みがすべて解決するらしい。「幸せになっているのだからいいのではないですか」と言うるみだが、子供たちはよく分からない像に祈るようになり、異語のようなものを話して様子がおかしくなるのだという。頼りにしている青山が実家の教会の仕事が忙しく、長期の休みをとっており、連絡がつかないのが気にかかるものの、るみは敏彦とともに調査にのめりこんでいく――。願いを叶えてもらった子供たちの話を聞いていくと、願うときに観音様に似た恐ろしい何かが見えたので、寸前で逃げたという証言があった。るみは子供たちに起こったことや、土地に伝わる伝説から怪異を推測し、封じ込めた。だが、なぜか怪異は止まらず、加速していく――。孤独な闘いを続けるるみは、ある恐ろしい予感に囚われる。
感想・レビュー・書評
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佐々木事務所シリーズ第3弾!
不治の病の子供たちが、ある事がキッカケで治る!
歩けない子が歩ける!
目が見えなかった子が見える!
みたいな現象が続々と〜
しかし、その代わりに、変な歌歌ったり何かおかしい…
等価交換の法則やな。
(鋼の錬金術師の影響や^^;)
望みが叶うと、その望み分の何かを失う…
何か、怖い神さんやな〜
まぁ、本来は何か分からんけど、神さんやないのに、神さんみたいなもん?
悪魔も願いかなえる契約すると何かを取られる。
でも、神さんって言われるモノも、生贄とかあるしなぁ…
やはり、奇跡というのは、あるのかもしれんけど、そうバンバン連発して起こらんねんな…残念やけど。
それを奇跡と信じて、広げていく人も悲しいと言えば悲しい。
事務所で、唯一まともな青山くん犯人説に踊らされたけど、やっぱり、あの事務所に、まともな人おらんって思うやん。
ほんまに、まともなんかな?
最後の最後
「ほほほ」
やっぱり、青山くんも?
それとも、次作も読め!っていう呪文?詳細をみるコメント4件をすべて表示-
ultraman719さん「ふふふ」「ふふふ」2024/03/20
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ゆーき本さん「ひひひ」「ひひひ」2024/03/20
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yukimisakeさん「けけけ」「けけけ」2024/03/20
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この世界観が良い。物部、るみ、青山、それぞれの力や雰囲気やるみの封じ込め方、敵対するものの存在感や事象、特に事象は毎度気持ち悪くて独特でとても良い。今回もどんな概念なのかはっきりしなかったりもするけど、力が強いというよりは畏れ多い感じで余計不気味。テーマは代償や不平等といったところか、少し哲学気味に、怪異を通して描かれてたように思った。るみの風貌がいまいち想像つきにくかったけど、コミカライズ絵が帯に描かれてて、これで上書きされそう。
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佐々木事務所シリーズ第3弾。
芦花公園さんの作品の中で、1番好きな作品!!
芦花公園さんの作品は、ヒトの心の真髄をついているといつも感じる。
強い人から、弱い人から、様々な目線からの心の深奥を代弁されていて、共感できることばかり。
どの作品を読んでもそう思う。
対人関係で辛い経験しないと感じる事ができないと思ったが……。私がそう思ったからと言って、自分も繊細であると言いたいわけではないので、誤解なきよう。
ホラーというジャンルでこんなに人の言葉で考えさせられるのは他にない。
だが、そこもある意味でホラーだ。
るみの幼少期の経験から、こう思うようになるのは仕方ないよね。と片付けてしまわないのがいい。
『漆黒の慕情』からの登場人物である片山敏彦も、顔が良い為に対人に感じる気持ちや求めるモノが違う。
何でも持っている彼は、より人間らしい欲と感情を好む。
上っ面を見透かす力がありそう。
黒服の男が子供達と話をした後、難病を持つ子供たちが次々と完治していくという奇妙な現象が起こる。
その後、子供達は、同じ歌を歌い出す。
異様な行動を取る子供達に、周囲は振り回され手に負えなくなる。
るみの元に来る依頼人の相談内容に類似性があり、異質なものがるみへ寄ってきていると気づく。
心霊現象を扱う佐々木事務所と聞くと怖そうだが、怖くない。
四国に住む拝み屋や土着信仰、カルト教団やキリスト教、エクソシストまで幅広く物語を膨れさせ、満足度が高い。
ミステリーのような匂わせた仕掛けにも、言葉の端に伏線を残す。
『落角』の意味は、私が想像している通りで合っているのだろうか。
『聖者の』が、重要な意味を齎しているのだけど。
無意識の悪意。悪意のない悪意。
いちばんタチが悪い。
でも、気付いていないだけで自分もしているのかも。
芦花公園さんの作品の中で1番好きです♡
『とらすの子』も読みたい。
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貧困やいじめ、病気や虐待…そうしたものに遭遇しなかったある種の恵まれた人間がそうしたものに遭遇した人とどう向き合うべきか…たまにニュースの特集などでこれらの現実を見て考えてしまう問題を本作でも考えることになりました。答えらしいものはなく後味の悪い、うにゃあと溜息を吐く読後感でした。
るみの視点がひねくれてるというか人間の悪いところに焦点がある感じでそこは共感しながら読めました。あいも変わらずドロっとしてハッピーエンドなんてない後味の悪い感じが個人的にやっぱり良いですね。 -
正体が分からない"それ"が怖すぎる…。
最後の1行が気になる! -
途中までずっと「頼むミスリードであってくれ頼む」って気持ちと「いやそんなキャラ被りする奴いるか……?」って気持ちで揺さぶられながら読んでました。
シリーズが進むごとに読者とるみの距離感が近くなってきてるというか、『異端の祝祭』の頃はこんなに視点キャラクターとして違和感なく一緒に物語を追える人だとは思わなかったよ!
「見る」ことがフックになる怪異、厄介で怖いなぁ……。
病気が治る=幸せではないとか、怪異が祓われる=よかったね~で終わらないところが皮肉で芦花公園先生らしいなぁ。
最後の終わり方も……もうこんな締められ方したら今後もシリーズ追わざるを得ないじゃないですかー!