- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041128961
作品紹介・あらすじ
研究施設への破壊工作に一般人が巻き込まれ――瀕死の彼女に取りつき治癒したのは、研究対象だった未知の細胞。人に順応していくそれ=呼称・アルジャーノンが望んだのは、穏やかな、人らしい日常を送ることだった。
感想・レビュー・書評
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いいじゃないですか。『銀月のソルトレージュ』以降、好みではない話を出していたので、チェックしてなかった作家さんでしたが、今回はいい。
ラノベと言い切るには少々SFチック、こんな生物いたら怖いし、産業スパイやら破壊工作員やら、80年代のハードボイルドの香りがそこはかとなく…。終わり方も、ハッピーエンドで私好み。
いい買い物をしました。
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【砂上の楼閣のような関係、最期の一瞬まで自分らしく在れ】
未知の細胞に寄生された少女と逃避行の物語。
産業スパイの青年、宗史の破壊工作に巻き込まれ、生死の境目に立った沙希未。
そんな彼らの関係のすぐ傍に居た未知の細胞、アルジャーノン。
瀕死の沙希未に寄生する事で、九死に一生を得る。
しかし、命は助かった物の、彼女の体に寄生した細胞により、自意識は酷く曖昧な物になる。
だが、宗史との共同生活によって人間らしさを獲得していく。
終わりが確約された関係だとしても、その一瞬まで自分らしく在る事で。
幸せに満ちた結末を迎えるのだ。 -
自分的には駆け足すぎたかな。裏側がもう少し分かりやすく見たい
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産業スパイの青年と少女に宿った未知の存在・アルジャーノンとの、わずか5日間の儚い生活。
1つの体に2つの生命が宿ったことから発生するヒューマンドラマが描かれた、心温まりつつも残酷な物語で、切なさの募る作品でした。おもしろかったです。
終盤は序盤と打って変わって怒涛の展開でしたが、主人公が戦いに挑む姿はかっこよく、スイスイと読んでいけました。