- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041130094
作品紹介・あらすじ
36歳のOL・茅ヶ崎リナは、オフィスで降りかかってくる無理難題も、何のその。魔法のコンパクトで「魔法少女ミラクリーナ」に“変身”し、日々を乗り切っている。だがひょんなことから、親友の恋人であるモラハラ男と魔法少女ごっこをするはめになり…ポップな出だしが一転、強烈な皮肉とパンチの効いた結末を迎える表題作ほか、初恋を忘れられない大学生が、初恋の相手を期間限定で監禁する「秘密の花園」など、さまざまな“世界”との向き合い方を描く、衝撃の4篇。
感想・レビュー・書評
-
毎回不思議な感性に驚かされる作家
性を題材にするとピカイチ
当たり前に疑問を投げかけたフィクション短編
「地球星人」を超える物語を期待したが、今作はなかったかな
やはりクレイジー
琴線メモ
■今年で36歳になる私は、魔法少女を始めて27年目に突入
■大人になるということは、正義なんてどこにもないと気付いていくことなのかもしれない。
■パブリック・ネクスト・スピリット・プライオリティ・ホームパーティー
■なもむ
■解き明かしたい謎にどんな専門的な名前がついているかさだかではないとき、あるいはなにかを解き明かしたいのになにを解き明かしたいのか見当もつかないとき、やみくもに伸ばした手がつかむのは小説だったりするのではないだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リナは、小学3年生の時、魔法のコンパクトを手に入れてから、魔法少女に変身している。
そうか、仕事とか家庭とか親戚とかPTAとか、理不尽な社会を渡る時、魔法少女に変身すれば良かったんだ。今まで、間違って、修行僧になってしまっていたから辛かったんだ。と、反省してみた。
前作消滅世界で、それまでの、村田さんワールドが一区切りついたのでしょうか。私的には、それまでの作品の行き着く先として読みました。
今回は、短編4編。
タイトルの魔法少女は、ズレた現実味があり面白い。36歳で未だ、精神的魔法少女に変身する女性。彼女の変身はいたって健全、日々の苦難をやり過ごす重要アイテム。(実は、読む前は、村田さんのことだから、本物になるかと思ってたんです。)といっても読みどころは、そこじゃなくって、モラハラ的友人の彼氏の魔法少女変身状況だったりするのだけど。
今までと比べれば、他3作も村田ワールド柔らかめ青春物という感じ。-
2023/07/13
-
2023/07/13
-
2023/07/13
-
-
何でこんな凄いこと考えられるんだろう。
これはいつも村田沙耶香さんの本を読んで思う事。
・丸の内魔法少女ミラクリーナ
一見普通の会社員が、変身すると歴27年ベテラン魔法少女!
仕事辛いなぁと思った時、私も魔法少女に変身したいって正直思ってしまった。しかもたまたまミラコレのコンパクトを持っていたわけで!(魔法少女変身グッズ)
・秘密の花園
好きな人を監禁する話。
誰かの事を考えすぎるとその人そのもの、ではなくわたしの中の想像のその人、が好きになっている。わかるわかる。
・無性教室
性別は無しとされている学校。私たちは無意識のうちにこんなに性別に左右されているかも!?と思った。見た目の性別、心の性別、体の性別、無性....
・変容
ファッションや言葉だけではなく性格の流行を決める社会。喜んで深夜まで残業する性格が提案された時は吹き出して笑ってしまった!!笑
社会にはさまざまな変容がある中でどれだけ自分の意思を持てるのか... -
あっという間に読み終えた一冊。
タイトルからファンタジーさを感じて
あまり読まないタイプだな〜と思ったら
2ページ目からやられた、、、
絶妙なリアルさと、この物語の発想がツボだった。
この本は
丸の内魔法少女ミラクリーナ
秘密の花園
無性教室
変容
の4つのお話が入っており、どれも着眼点がさすが。
うわぁ、、、
えぇ〜
あー、わかるかも
これらの感情が繰り返される。
愛とは性とは、、
短いお話なのに考えさせられる内容でした。-
タイトルは可愛らしいのに内容はなかなかですね。
でも早速『読みたい』に登録させて頂きました。
ありがとうございます。タイトルは可愛らしいのに内容はなかなかですね。
でも早速『読みたい』に登録させて頂きました。
ありがとうございます。2023/08/22
-
-
図書館本
なんということでしょう。36歳、魔法少女ミラクリーナ。幼き日の魔法少女ごっこを心の中で楽しく続けている大人の女性。
日常を面白おかしく料理して生きていくことで、平凡な光景はスリリングになって、退屈しない。
秘密の花園 は初恋相手を監禁。見切りつける?
無性教室 性別のない世。
変容 怒りのない若者たちと、怒りを原動力にしてきた古い世代。
どの短編も、村上沙耶香ワールドで、マジ、いい。すき。 -
文庫版のオビに「やっぱり村田沙耶香はすごい!!」と書かれている。購入するのをためらうくらい恥ずかしいコピーだと思っていたが、割と的確な表現かもしれないと読了後に思い直した。
-
-------------------------
常識が崩壊する痛快さ、
やりすごしていた痛みに気づく恐怖。
やっぱり村田沙耶香はすごい!!
-------------------------
チャプターズ書店の森本萌乃さんが絶賛していて、
気になっていた一冊です。
村田さんは「コンビニ人間」以来でしたが…
え、なにこれ、面白い…!という驚きと喜びが。苦笑
36歳、茅ヶ崎リナは
ストレスや理不尽に対して、
魔法のコンパクトでミラクリーナに変身して
日々を乗り切る「魔法少女ミラクリーナ」
小学校の頃から好きだった早川君を監禁した、
自分自身の好きを確かめ決別する「秘密の花園」
性別が禁止された学校で恋に落ちた「無性教室」
怒りを忘れてしまった若者たちに違和感を持つ「変容」
4篇の短編集ですが、
個人的に好きだったのは「魔法少女ミラクリーナ」と「無性教室」です。
ミラクリーナは思わず笑ってしまうような場面もあるけど、
自分に何か設定や役割を与えないと乗り切れない日常もわかるし、
モラハラ彼氏から親友を守ろうとした結果も、
笑えるけれど泣けるし、ちょっと元気が出ました。
総じて好きです。笑
無性教室は、最近読んだ作品のなかで
一番ドキドキしたし30代後半なのにときめきました。笑
こんなに緊張する描写あるのか、と。
本作は自分だけでは手に取らなかったと思うので、
ネットに感謝です。
村田さんの他の作品も読んでみたいと思いました。
積読が山盛りです。苦笑 -
短編集だけど、パンチが強くて刺激的。特に「無性教室」「変容」は自分や社会の暗黙の了解的な常識について考えさせられるようで、すごく面白かった。「変容」のクライマックスシーンは不思議な言葉に笑えてきたし、現実の未来も絶対にこんな風にならないとは言いきれないよなぁ、と思う。どの章の主人公も少しずつ狂っているような感じで、共感できるかといったら難しいのだけど、その不気味さも楽しめました。