人獣細工 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.23
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  • (4)
本棚登録 : 1050
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041132159

作品紹介・あらすじ

パッチワーク・ガール。そう。
私は継ぎはぎ娘。
その傷痕の下には私のものではない臓器が埋められている。傷痕を見ていると皮膚が透けて、臓器がゆっくりと蠢動し、じゅくじゅくと液体が染み出してくるのが見える――。

豚の臓器を全身に移植された少女の絶望を描く表題作ほか、圧倒的な知識と想像力で描き出された2編を収録。
『玩具修理者』『アリス殺し』を生み出したグロテスク・ホラーの鬼才による、内臓の匂い漂う傑作短編集が新装版で登場!

感想・レビュー・書評

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  • どの作品も凄いなぁ!

    個人的には吸血狩りが好きですね。あえて答えを出していないところが素敵♪

    本もすごいし、どうして、こうした作家がどうして早逝されてしまうんだろうなぁ。

  • 3つの短編が収録されています。グロテスクな表現はありますが、それよりも読んだ後の後味の悪さを感じました。

    最初の人獣細工は、臓器移植といった現実にある事が含まれていますが…。主人公の私はいったい何者なのか?という哲学的な考えの揺らぎを感じました。あとは主人公の父親の倫理観を疑ってしまいます。

    2つ目の吸血狩りは、いとこのお姉さんを吸血鬼から救おうとする少年の話です。が、少年が倒したのは本当に吸血鬼なのでしょうか?結末はどちらでも捉えられます。吸血鬼ではなかった場合だと少年はこの後さらに何人か倒していることが冒頭で示唆されていますので… 後味が悪いです。

    3つ目の本については、同級生から送られてきた本がきっかけで展開されていく物語です。読んだものを支配し奇怪な行動に走らせるのは、クトゥルフ要素を感じられます。果たしてこの同級生は実際に存在するのでしょうか?

  • 短編が3作品収録されている。
    表題の人獣細工が一番好みだった。
    史記の人彘(ひとぶた)とは違う人彘。
    しかし、人の手によって細工されて歪な存在にされてしまった事は同じ。つくり手はそれに愉しみを感じていた事も。
    この冒涜的で気味の悪い雰囲気が、ゾクッとして良い。
    自分の愉しみの為に、他人の尊厳を踏み潰す事を厭わない、否むしろそれさえも歓びなのかもしれない。
    汚いもの、悪いもの、残酷なものに何故か惹かれる人は読んでみるのも良いかもしれない。

  • 2023/04/28

  • 唯一無二のホラーなのに、もう新作が出ないのが寂しい。グロだけどただのグロじゃない、邪悪な愛情と美しさが詰まった描写。

  • 面白かった

  • 短編小説が3話入っている
    人獣細工しか読んでないけど
    今の技術だと実際に有り得ない話でも無い所が
    妙に現実味があって ゾクッとした。
    豚の身体で人間の脳なら 人間の身体で豚の脳なら
    その物体は豚なのか人間なのか答えは様々別れそう
    少し言葉が難しくて調べながらだったけど
    新しい言葉を覚えられて良かった

  • 3話収録の短編集。どれも面白かったが、グロい、エグいと聞いて覚悟しすぎていたのか、どれも思っていたほどのグロさではなかった。
    話としては「本」が面白かった。

  • この手の小説はお初でした。
    整うの真逆な感じだけど、それがまた新鮮で良い。

  • 日常から少しずつおかしくなっていく様。

    伊藤潤二好きなら、たまらない世界観。

    舞台には常にどす黒い空気が漂っている。

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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