- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041134368
作品紹介・あらすじ
北京五輪のフリーで5度の4回転ジャンプを決め金メダルを獲得したネイサン・チェン。
その栄光の裏には、想像を絶する苦悩の日々、家族やチームとの絆があった。
トップスケーターが舞台裏を語り尽くす貴重な回顧録。
プリウスで32万キロ移動しながら技術を高めた2011年/名コーチ・ラフの教え「一歩さがって迂回せよ」/4回転習得と引き換えに悲鳴をあげた股関節/追い詰められた平昌「リンクから出ていきたい」/「タイガー・マザー」の母との葛藤/北京直前のプログラム変更決断……クワドキングが赤裸々に綴る、金メダル獲得までの物語。
[目次]
はじめに ベラ・ウォン
プロローグ
第1章 はじまりのころ
第2章 スケート生活
第3章 アメリカの希望(ホープ)
第4章 恐怖心
第5章 新たな挑戦
第6章 パンデミック
第7章 支えてくれる人たち
第8章 別の道筋をたどって
第9章 2度めのチャンス
エピローグ
謝辞
感想・レビュー・書評
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芸術の側面のあるスポーツを行うフィギュアスケーターとしては珍しくかなり理知的で論理的な方なので、文章もわかりやすかったです。どの試合でどういう状況でどんなミスをして、、ということをきちんと覚えているのがすごいです。
彼のように賢く理知的な人でも、北京五輪の直前はコロナ禍や五輪への不安で眠れなかったと吐露しているところが印象的でした。ただ彼のすごいところは、こうした不安が起こることを受け止め、時に専門家のアドバイスをもらいながら、そのアドバイスを自力で取捨選択し、自分にとっての最適な不安への対処法を見つけて実践しているところです。
体操をやれば選手コースに誘われ、スピードスケートのコーチにもスカウトされかかる、学業をやらせればさらりとイェール大学に合格する(当人にとっては自然なことだったのか、イェール大学合格に向けた努力については一切触れていないことも印象的です。SATの数学満点取れるくらいの勉強はしていたはずなのに。)等、何をさせてもハイスペックな彼ですが、両親や兄弟、スケートの先人たちへの尊敬と感謝を忘れない姿勢がさすがでした。
そんな彼でも、初めての五輪である平昌では自分をコントロールできなかったり、日々の練習でコーチや母にわがままをぶつけたりと、失敗もあるのですが、そうした失敗についてもきちんと書く姿勢に誠実さを感じました。