- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041136362
作品紹介・あらすじ
ときは文政、ところは江戸。
心優しき鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった元役者の魚之助(ととのすけ)のもとに、
中村座の座元から客席で起こった事件を調べてほしいという依頼がある。
中村座で興行を行っているのは『仮名手本忠臣蔵』。
舞台の幕が下りたとき、首の骨がぽっきり折られた死体が、客席に転がっていたという。
死人がでるのはこれで二人目。
人の仕業か、妖怪の仕業か。新たな“ばけもの”暴きの幕が開く。
感想・レビュー・書評
-
「化け者」としたところに作者の想いが込められてるいるのだろう
「死ぬほど好き」よく使われる表現だが、いったいどれだけの量を大きさをあるいは覚悟を指すのだろう
そしてその大きさを示すために他人の命を秤に乗せてしまった時に化け者は化け物になってしまうのかもしれない
それにしても魚之助と藤九郎のコンビは非常にバランスが悪い気がする
もちろんあえてそうしているのだと思う
とくに藤九郎は読者をも上回る勘の悪さを度々披露してるにも関わらず、さも当然、真っ当な行動だと思っていてもどかしい
つまりは目が離せない
うまいなぁと思う
作中「化け者」は己全てを芸に捧げる役者のことを指しているが、なんだか小説家ってのも「化け者」のひとりなんかなぁと思ったり -
藤九郎と魚之助ふたたび。前作ではふたりの関係性に大きな変化があったので、今作ではどうなるのかと思いながら読み進める。中盤までなんとなく緩い空気感というか、人の感情よりも芝居に焦点が当てられているような話の進行にやや物足りなく感じていた。前作ではふたりの関係以外にも役者同士のひりつくような空気感が全編通して漂っていて刺激的だったため。だが、後半に進むにつれて合点がいく。芝居の筋だけでなく芝居に関わる色々な人とその感情を合わせて、最後の一行まで楽しめた。
文政時代、江戸随一の芝居小屋中村座にて『仮名手本忠臣蔵』の演目を終えた客席から屍体が見つかる。その屍体は、首の骨を折られて両耳に棒が突き立てられていた。中村座座元は、鳥屋の藤九郎と元女形の魚之助に真相解明の依頼をする。話を聞くと、その屍体は実は2人目であった。
藤九郎と魚之助以外にも、めるや蜥蜴は要所に登場する。だから、前作を読んでからのほうが人物の関係性は理解しやすい。読んでいなくても充分に楽しめるとは思うが、また別の葛藤が描かれているため、今までのことを分かっているほうがより良い。ヤキモキしながら読み進めた。
そして、物語の結末ではなんともやり切れない気持ちを少し感じつつ、ある感情を貫くことで生まれる欲望や葛藤を強く意識した。魚之助が約束によって引き受けた心と、藤九郎が決意によって繋いだ心、やっぱり極上上吉なふたりだった。また次の物語が読めることを期待しておこう。 -
-
<訪問>「化け者手本」を書いた 蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さん:北海道新聞デジタル
https://www.hokkaido-np.co...<訪問>「化け者手本」を書いた 蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さん:北海道新聞デジタル
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/895651/2023/08/21
-
-
『化け者心中』の続編、本作が出ていたことにしばらく気がついていなかった。出遅れたと思っていたけれど、図書館では予約がついていない上に、本の状態があまりにもキレイ。こんなに面白いのになぜ?
残念に思えてならなかった。
文体や言い回し、時代特有の名詞を苦手とされる方が多いのだろうか。
私にとってこのシリーズは、特殊な設定にも関わらず、織り込まれている物語が魅力的で、ミステリーとしても良かった。知識としても嬉しい感じ。
さらなる続編もぜひ書いてほしいと思う。
-
まず、引き続き、紗久楽さわ氏の絵。本当に本の世界感を丁度良く表してるし、引き込まれる。読む前に10分以上見てた。
相変わらず女形な世界観は素晴らしい。
OBが現役フルボッコ。
ただ、やはり廓詞っていうか、文体が2作目でも慣れてないのか、恋愛物が苦手だから全編それが漂ってる事に拒否反応あるのかわからないけど自分には… -
前作『化け者心中』から3年ぶりの続編。
紗久楽さわの装画も艶やかに、魚之助と藤九郎のコンビにまた会えて嬉しい。
と、この二人、それぞれの胸中に微妙な変化が。
魚之助にもっと近づこうと、己の頭の中に芝居の箪笥を拵え、自らも芝居者になろうとする藤九郎。
年を取ること女形でなくなっていくこと、藤九郎の優しさが自分を変えてしまうことに怯える魚之助。
二人がお互いをかけがえのない存在と思っているのは明らかなのに、そのために反って二人が傷ついていく姿が切ない。
「わかり合えねぇのは良いことなんですか。俺はあなたとわかり合いたい」p219
他者とわかり合えることの喜び、
わかり合えてしまうことの悲しみ。
何も知らない純真無垢さは確かに鋭い切れ味に違いないけれど、「相容れない」ものを知った後の綯い交ぜの強さというのは、より深みを増すのではないだろうか。
「化け者」に見事戻った魚之助を、藤九郎と一緒に見届けたい。そこから、また二人の新たな関係が始まると信じたい。 -
『化け者心中』に続くシリーズ第2弾。
足を失った元女形の魚之助と、足代わりとなる飼い鳥屋の藤九郎のコンビが、歌舞伎界に起きた連続殺人事件の謎を解く。
時代ミステリーであると同時にホラー味もある、ゴージャスなエンタメだ。
1作目『化け者心中』よりも読みやすいと思った。
それは私がこのシリーズの設定に慣れたからだろうが、それだけではなく、デビュー作から本作までの約3年で作者が急成長し、上手くなったからでもあろう(エラソーですみません)。
かなりディープな歌舞伎ファン向けの作品でもある。
歌舞伎ファンならニヤリとするくすぐりが随所にあるのだろうが、あいにく門外漢の私にはその多くがわからない。 -
何故だかなかなか読み進められなかった…
声を大にしていいた〜い!わたしは腐女子です!!
多様性の時代だ!!
多様性って気に入らないけど笑
声を大にしていいた〜い!わたしは腐女子です!!
多様性の時代だ!!
多様性って気に入らないけど笑
あら、まあ。
あら、まあ。