山名耕作の不思議な生活 (角川文庫 緑 304-47)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304471

感想・レビュー・書評

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  • 彼の黄金期を知っている人ほど
    非常にしらけてきてしまう作品。
    仕方ないかなぁ、明らかにてイストの違う作品も
    まぎれていますからね。
    ミステリーと言えず、ホラーの作品もありますし。

    面白いのは彼の時代の設定を
    余すことなく生かしきった怪作「丹夫人の化粧台」です。
    ある作品の雰囲気を彷彿とさせます。
    まさに狂気、ダークです。

    他の作品にも面白いのは存在しますが
    これよりは見劣りするように思えました。

  • ノンキャラクターもの短編集。
    わたしのうまれるまえだしよくも知らないんだけど一時期横溝せんせいの大ブレイク期があった、んですよね。
    そんでね、おもうんだけどね、なんか、いやわかりませんけど、
    せんせいの作品がうけたのって、おどろおどろしい意匠がどうの、とよく云われるけど、それもきっとたぶんあるけど横溝せんせいの、描かれる人間というものが、その心理のうごきとか行動とかそういうものが、しっかりとしているというか、ときにはかわいかったり、ときにはすごく残酷だったり、ときにはすごく崇高だったり下品だったり、するのが、すごく読むがわの人間にとってなじむ、からなのではないかなと、おもいます。
    とくにこういう短編を読むと。
    すごく、人間というものにたいする真摯な目があるひとだなあと、おもう。
    わたし最近よく人間性ってことについてかんがえてしまうのだけどもさ、
    横溝作品のなかにでてくるひとたちは、犯罪者であっても、被害者であっても、いずれも「探偵小説」という枠のなかにのみ存在する駒のようでありながら、なんとはなし、生きてうごいているひとの気配があるような気も、する、んだ、なーとか。
    もちろん世相やなんやで、いまの目線からすればものすごく差別的にとらえられるくだりもままあるんだけど、それをさしひいてもなお、「このひとの描く人間とか関係とかってすごい」っておもわせるものが、ある。
    むかし読んだとき、このなかにはいってる「夫婦書簡文」をなんてかわいいはなしだろうとおもってた。中二くらいのときね。
    でもいま読みかえすとただベタ塗りにかわいいだけのはなしではなくて、機微が、あるなっておもう。
    おもしろかったです。

  • 日本探偵称小説の草分けの頃のおどろおどろしい作品群は江戸川乱歩などと通じる所がある。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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