妖説太閤記 下 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.04
  • (10)
  • (9)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 93
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041356678

作品紹介・あらすじ

お市の方へ続く途上の邪魔者をことごとく排除し、秀吉は天下に手を掛ける。だがその時、焦がれ続けた彼女はこの世を去った!絶望する秀吉だったが、彼女に生き写しの遺児・ちゃちゃ姫を手に入れ、遂に切望を果たす。老醜の権力者の欲望は留まることを知らず、肉欲、殺戮、大遠征と、あらんかぎりの悪と権謀の愉しみを開花させ-。女から愛されず、1人の女人と欲に溺れた"人間・秀吉"を正史の背面から描ききった大傑作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ネタバレ/下有劇情
    【9/10】

    在竹中與黑田兩軍師教育下快速成長的秀吉,擊破佐久間與柴田,卻遭到佐久間這個モテ男的嗆聲,勝者比敗者更加狼狽。秀吉直接向官兵衛表明,自己想取得天下的動力完完全全就是女人,阿市殉城後他意外獲得茶茶,儘管一開始為了討茶茶喜愛還是花了些時間,但在公然輾過織田家後代成為天下人之後就完全是他的漁色女人時間,此外瘋狂大興土木、苛徵暴斂也讓他漸漸失去人心,老幹部也被擠出帷幄而由五奉行取代(長束正家居然是從丹羽處跳槽的)。

    石川數正與家康密謀用時間爭取勝利,數正並假裝倒戈,替家康抹上無害的形象,五右衛門被命讓秀吉沉溺女色縮短壽命。茶茶在五右衛門的怪術之下從冷感開竅、懷孕,鶴松出生後秀吉開始企劃準備征韓,中心思想也是兩位老師之前一直教的製造敵人(忌妒、反感、憎惡的對象),以敵制敵以夷制夷,為了爭取讓豐臣政權紮跟穩固的時間,要把潛在敵人都派到海的彼方去。然而此時毣耋的他判斷力早已出問題,鶴松過世後更是氣急攻心貿然催戰(作者分析日本可以打仗的國力大約就是六到八個月,不在這之中見好就收就會炸裂,日俄日清和太平洋戰爭皆可知,征韓也是只打了半年的順風戰),開啟一個日後長達六年的戰爭。而他也看到沒有後嗣也是讓豐臣家會面臨根骨動搖的可能,面對深感自己的身心衰弱,甚至即將失去男性的力量,因此他痛苦地半暗示容許茶茶接近年輕側近大野治長(五右衛門子),只要生出來的孩子流著阿市的血液即可...這裡提到明臣來談判並非日本外史所說談到封貢當場翻臉(中國立場是要先封貢才會開始進入談判),而是秀吉在當晚發現眾人皆持停戰立場而北政所宛如意見領袖已經和家康站在一起(在這裡描寫北政所的筆法實在太出色),這一瞬間北政所終於凌駕在他之上,也讓他感到恐怖之後可能就是這兩人滅掉豐臣家(實際上也是),並且讓他覺得現場所有人都是他的敵人,回來可能會開始針對他,不如讓這些人在朝鮮消失,因此他憤然決定要繼續戰下去,並把現場仗著北政所講出想停戰的秀秋也一併送到戰場(這也埋下秀秋日後憤恨的火種)。

    阿拾出生之後,在開戰前倉促封官的關白秀次不斷被針對,除了一般所說替阿拾鋪路(五奉行也希望繼續掌權)以外,作者指出這個慘殺也跟秀吉心理最深的秘密暗部有關,兩人在搶菊亭家女兒後來秀次搶贏,秀吉雖然取得天下可以為所欲為,但如他所說他的一切就是為了獲得女人,有上淫趣味,成為天下人之後更是漁色全開,然而總是無法真正獲得女性的心,也無法在肉體上真正讓女性滿足,這讓他總有一個永遠填不滿的自卑。而秀次被斥好女色也只是說秀吉還不是也這樣,然而秀次眉目清秀受女性歡迎,這也引起秀吉的情結與怒火,最終秀次甚至有意看齊佐久間的モテ男嗆聲秀吉,而秀吉向秀次妻妾們提出投入其懷中就可以倖免然而居然妻妾們都寧願殉死,因此在這個自卑與暴怒之下秀吉就做出無比殘忍的舉動。最終秀吉發病時突然又開始覺得家康可信(保護信長後代的行為給他這個印象),然而過世前突然又腦袋清楚地大呼小叫家康寧寧才是真的敵人,然而已經沒有人要相信他...秀吉死後留下的巨大空洞讓後人把他英雄化,然而作者很諷刺地指出,比起帶來和平的人,民眾卻更懷念那些蹂躪他們的人。

    這部作品除了加上五右衛門的傳奇色彩,其實都是很王道地撰寫,主要著力於秀吉的終極關懷(女人)與他的心理變化與描寫,雖然太閣的一生實在太熟悉很少有驚訝的內容,然而作者對於心理的描寫與掌握實在相當相當秀逸,若不中亦不遠矣。例如下卷可以看到秀吉面對阿市,失去阿市之後的心理狀態與雄飛,叱吒風雲但面對茶茶的心虛與畏縮,成為天下人之後異常的漁色行為,後宮分成寧寧派跟茶茶派爭寵讓他這個喜歡兩派爭寵自己高高在上的人充分滿足自尊心看女人爭他,對於モテ男異常地憤恨以及暴怒,然而到晚年的最後甚至哀願認為後代只要有阿市的血統也沒關係的卑屈。整天玩製造敵人以敵制敵,在最後的征朝和製造閨中派閥互爭(其實是三成建議的,正中一直愛用這招"互鬥"的秀吉的下懷。第三任的軍師水準嚴重下降),最終終於導致豐臣政權日後的敗亡,術者自溺,令人不甚唏噓。

    作者精彩的筆法也細緻地描寫了周邊的人,例如北政所的心態轉換與冷澈、進化(她成功地和秀秋一起逐步滅了豐臣),此外描寫與利休的心結也很出色,本來是異次元的人因此秀吉還能保留敬畏,在牽牛花事件的直接,秀吉突然察覺到利休跟自己是同一個世界的人,讓他之後敢於處置利休,這個見解也不無說服力。作者還提到「秀吉の金ピカ趣味が、利休の芸術的感覚を借りると、金箔までが厚いように、重々しく錆びた光を放った。利休自身に、大阪城や聚楽第を冷眼で見つつ、そういう豪華絢爛たる物像へおのれの趣味を溶け込ませ、いぶし銀のような陰翳あるものに変える才能と度胸があったのだ」,也無怪乎利休亡後伏見城普請秀吉也堅持要弄成利休好み,利休所參與的建設帶著中世紀的陰翳,作者認為德川政權沒有這樣的美學教練所以只能蓋出陽明門(個人覺得陽明門其實也很美,是武家+藤原惺窩帶來的儒教美感的融合。只是作者所說這段也很有參考價值,確實是因為這樣豐臣政權下的建築並不會讓人單純覺得只是暴發戶)。而利休在牽牛花剪光光事件讓阿吟登場緩和氣氛的誤算也導致秀吉因為女人跟他產生心結。此外故事中對於家康這個好敵手的描寫,到下卷的厚重感以及靜待時機,與數正的策劃(讓數正出奔替他塑造無害形象,只好女色,還騙來一個人質秀吉妹妹)等等,也寫得很有說服力。甚至是最後,作者對關白秀次的殉死妻妾,並一個一個清楚地寫出名字、簡介本人家系和辭世之句等,實在可以看出作者對受難者的鎮魂與敬意,這點已經超越單純的小說家,是一種很慈悲的態度,可見其對筆下人物與歷史的無比敬重,不單純只是稿紙上擺弄的棋子,這點值得高度敬意。

    雖然是以「妖說」為標題,然而這是一本可以看出作者對人的心理洞察是多麼地出色的王道作品,雖然是大眾小說甚至挑戰這種歷史小說迷都倒背如流的主題,但已經寫出文學所能呈現生命、人性的複雜面向與高度,是部相當出色的作品。上卷秀吉與軍師布置的各種連鎖,其實稍有不慎就很容易流為讓讀者嗤鼻以對"哪那麼剛好",然而充滿說服力的心理描寫,人物的立體塑形,讓這部作品相當令人信服而成功。

    **
    「実は、やりたいことをやってのけた。あの男は。ー天下制覇、大遠征のみならず、殺戮も、肉欲も、あらんかぎりの悪と権謀の愉しみも。死ぬときのみれん、もがきようさえも、恥も外聞もない。ありったけの人間相をみせたではないか...しかし、生きるとは、あれがほんとうではないか。他をかえりみず、やりたい放題にやってのける。それが人間が生きぬき、生きつくすということではないか?」

  • 面白かった!面白かった!面白かった!
    こういうの読みたかった。

    妖説とは言ってるけど
    戦中派作者の怒り
    エロい場面もあるし幼女が手籠同然なんだけど
    それに怒る前田慶次郎に
    慣れてしまった自分を恥じました。 

    女性がみな硬質な美しさ

    『美食家なのに食が細い』は
    笑うしかない。

  • 一片の漏らしもなく秀吉の物語を読みきった、という錯覚に陥らせてくれる大傑作。歴史にさほどの興味も知識も無い私であるが、戦国の世の無情と人の心の無情と、肉体の無情と、孤高の雄の無情とに、このちっぽけな心は今、千切れんばかりに締め付けられる。
    すべてはただたった一人の女性への恋慕のために、という奇想で歴史を見れば、案外それこそがただひとつの回答のようにも見えてくる。
    ともすれば陶酔を邪魔しかねないにも関わらず、随所に差し込まれる太平洋戦争の逸話も、むしろ著者の気骨をかんじさせ、あらためて山田風太郎の凄さを実感できる力作であった。

  • どこかのレビューで早く死んで欲しいと願ったとあったが,そんな感じはしなかった。描写はグロテスクではないし,むしろ,淡々とあっけなく最期を迎えている。途中の関白秀次に殉じる姫らの辞世の句が順に描かれたものは初めてだったので印象に残った。
    上下巻読んで,半兵衛の戦略,戦略を用いること,戦略は目標に依存することをよく考えるようになった。自分の生き方に戦略はあるのか。

  • その強欲で天下を統一した秀吉だったが、強欲の源泉となった女色ゆえに命を縮め、体制を崩壊させる種を育てていく。
    「妖説」という割にはトンデモさは少ないが、要所要所で関わっていく「石川五右衛門」がいい味を出してる。
    大河ドラマ原作は無理ですか?

  • 上巻では「妖説」化した歴史の解釈で、秀吉が本能寺を裏で糸を引いたというのをリアリティを持って描いていたのが面白かったが、下巻は事実の羅列だけで寒気がするというのが凄い。

    この陰惨な描写が普通の秀吉伝では描き得なかったものだとすれば、貴重な一冊と言えるかも。

    しかし、家康が秀吉の生き方を認められないながらも、ある種の羨望を感じざるをえないというのは、作者の正直さを表していて、いいなと思う。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田風太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×