- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041376089
感想・レビュー・書評
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物言わぬ、物伝わらぬ世界へ行ってしまったA、こちらの世界との間の隔たりを海峡と置き換えて、かってAが語った海人や溺死者について思い、故郷の海峡から腐魚やサーカスを幻視し、小野小町や果てはネッシーにも思いを馳せる。全ては失われたAの追想であり恋歌なのかもしれない。
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青い文字は思った以上に読みやすかった。
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小説的エッセイ、エッセイ的小説。
題名どおり、海峡をめぐるあれこれなのだが、
精神病院に入院して彼岸へ行ってしまったAという青年が数回描かれる。
恋うる夜は
ひっそりと悪魔を焚いて充溢れている
そのことが信仰です
この情念の作家の詩集を出してほしいなぁ。 -
境界なく移行する薄闇の世界。
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青の文字で書かれた散文詩のような物語。海人についての考察がとても興味深かった。
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正伝寺や源光庵の血天井を、この本にひかれて観にいきました。
供養された血痕は静謐でした。 -
文庫本で2冊、箱入り上製本で1冊持ってるほど好きな本。夢ともうつつともつかぬ語りですが、主人公とAの会話にせつなさ遣る瀬なさを感じます。